運動会の作文の書き方と思い出が伝わる組み立て方

運動会の作文の書き方と思い出が伝わる組み立て方の記事を表すモノクロ漫画風イラスト

運動会の作文の書き方を、一つの場面にしぼって書き出す方法でやさしく整理します。書き出しの工夫、場面えらび、気持ちを表す言葉の見つけ方、終わり方の作り方まで順番に確かめられます。

目次

11項目
  1. 結論:心が動いた場面を一つにしぼり、前・中・後に分けてくわしく書く
  2. 何を書くか先に決める
  3. 書き出しで読み手を引きこむ
  4. 出来事を一つの場面にしぼる
  5. 気持ちを言葉で表す工夫
  6. 終わりに気づいたことを書く
  7. 運動会の作文で場面を描く書き出し・本文・結びの例
  8. 書き出しの一文の例
  9. 場面をえがく一文の例
  10. 結びの一文の例
  11. やってみよう(三つのステップで下書きを作る)

運動会うんどうかいの作文さくぶんを書かくとき、原げんこう用紙ようしの最初さいしょの一いち行ぎょうで手てが止とまってしまうことはありませんか。入場にゅうじょう行進こうしん、つな引ひき、おどり、リレー、お弁当べんとうの時間じかんと、書かきたい場面ばめんがいくつも頭あたまにうかんで、どれから書かけばよいか分わからなくなってしまいます。「今日きょう、運動会うんどうかいがありました」とまず書かいてはみたものの、そのあとがなかなか続つづかない。出来事できごとを全部ぜんぶ書かこうとすると、文章ぶんしょうはかえってまとまらなくなることが多おおいのです。

運動会うんどうかいの作文さくぶんがうまく書かけるかどうかは、書かき始はじめるまえに「何なにを書かくか」を決きめられるかで大おおきくかわります。書かきたい場面ばめんを一ひとつにしぼり、その場面ばめんをくわしく書かくと、読よんだ人ひとの心こころに残のこる作文さくぶんになります。この記事きじでは、書かく前まえに決きめておくこと、書き出かきだしの工夫くふう、一ひとつの場面ばめんのえらび方かた、気持きもちを言葉ことばで表あらわすコツ、終おわり方かたの作り方つくりかたを、五ご年生ねんせい・六ろく年生ねんせいの作文さくぶんづくりに合あわせて順番じゅんばんに整理せいりしていきます。

結論けつろん:心こころが動うごいた場面ばめんを一ひとつにしぼり、前まえ・中なか・後あとに分わけてくわしく書かく

  • 書かく前まえに「いちばん心こころがうごいた場面ばめん」「そのときの気持きもち」「いちばん伝つたえたいこと」の三みっつを決きめておきます。
  • 書き出かきだしは「今日きょう、運動会うんどうかいがありました」ではなく、音おと・気持きもち・会話かいわ・色いろや物ものなどから始はじめます。
  • 気持きもちは「うれしかったです」だけで終おわらせず、その気持きもちが体からだに出でていたようすで書かきます。
  • 終おわりには「楽たのしい運動会うんどうかいでした」だけでなく、その出来事できごとを通とおして自分じぶんが気きづいたことやこれからどうしたいかを書かきます。

何なにを書かくか先さきに決きめる

作文さくぶんがうまく書かけないとき、多おおくの場合ばあいは「書かく前まえに決きめていないこと」が原因げんいんです。書かきながら考かんがえると、頭あたまの中なかの出来事できごとがじゅん番ばんに出でてこなくて、文ぶんがまとまりません。書かく前まえに三みっつのことを決きめておくと、原げんこう用紙ようしに向むかったときに迷まよいにくくなります。一ひとつ目めは「いちばん心こころがうごいた場面ばめん」、二ふたつ目めは「そのときの自分じぶんの気持きもち」、三みっつ目めは「読よんだ人ひとにいちばん伝つたえたいこと」です。

たとえば、いちばん心こころがうごいた場面ばめんが「リレーのアンカーで走り出はしりだす前まえの数すうびょう」、そのときの気持きもちが「足あしがふるえるほどきんちょうしたけれど、みんなが声せいえんしてくれてうれしかった」、伝つたえたいことが「自分じぶん一人ひとりではなく、クラスのみんなの力ちからで走はしり切きれた」だとします。この三みっつをメモしてから書かき始はじめると、書かく順番じゅんばんがしぜんに見みえてきます。

書かく前まえに決きめること

リレーの作例さくれい

いちばん心こころがうごいた場面ばめん

リレーのアンカーで走り出はしりだす前まえの数すうびょう

そのときの気持きもち

足あしがふるえるほどきんちょうしたけれど、声せいえんがうれしかった

いちばん伝つたえたいこと

みんなの力ちからで走はしり切きれたということ

書き出かきだしで読み手よみてを引ひきこむ

作文さくぶんの書き出かきだしは、読よむ人ひとがいちばん最初さいしょに目めにする場所ばしょです。ここがおもしろければ、その先さきも読よみたくなります。よくある書き出かきだしは「今日きょう、運動会うんどうかいがありました」ですが、これだとどんな運動会うんどうかいだったのかが伝つたわりません。書き出かきだしを工夫くふうするには、いくつかのやり方かたがあります。

  • 音おとから始はじめる:「ピストルの音おとがひびきました。」のように、その場ばの音おとから書かく
  • 気持きもちから始はじめる:「足あしががくがくふるえていました。」のように、心こころの中なかの様子ようすから書かく
  • 会話かいわ文ぶんから始はじめる:「『がんばれ、もう少すこしだ。』」のように、だれかのセリフから書かく
  • 色いろや物ものから始はじめる:「赤あかい鉢はちまきがゆれていました。」のように、目めに見みえたものから書かく

たとえば「ピストルの音おとがひびきました。わたしはバトンをにぎりしめ、ぐっと前まえを向むきました。」という書き出かきだしなら、最初さいしょの二に行ぎょうで運動会うんどうかいの場面ばめんが読よむ人ひとに伝つたわります。書き出かきだしが決きまると、その後ごの文ぶんもリズムよく書かけるようになります。

出来事できごとを一ひとつの場面ばめんにしぼる

運動会うんどうかいの作文さくぶんで多おおい失敗しっぱいが、一いち日にちの出来事できごとを全部ぜんぶ書かこうとすることです。「朝あさ、家いえを出でました。学校がっこうに着ついて、入場にゅうじょう行進こうしんをしました。つな引ひきをしました。お弁当べんとうを食たべました。」と、出来事できごとをならべるだけだと、感想かんそう文ぶんではなく日記にっきになってしまいます。読み手よみての心こころに残のこるのは、一ひとつの場面ばめんをくわしく書かいた作文さくぶんのほうです。

一ひとつの場面ばめんをえらぶときは、「目めを閉とじても、その場面ばめんがはっきり思い出おもいだせるか」を考かんがえてみましょう。思い出おもいだせる場面ばめんほど、くわしく書かけるからです。リレーの場面ばめんなら、まわりの友ともだちの顔かお、先生せんせいの声こえ、自分じぶんの心しんぞうの音おとまで思い出おもいだせるかもしれません。お弁当べんとうの場面ばめんも楽たのしかったとしても、よりはっきり思い出おもいだせるほうをえらびます。

場面ばめんをしぼったら、その場面ばめんを三みっつの時間じかんに分わけて書かいてみます。「走り出はしりだす前まえ」「走はしっているとき」「走はしり終おわった後あと」のように、時間じかんで区切くぎると、書かきやすくなります。

時間じかんの区切くぎり

書かく内容ないよう

走り出はしりだす前まえ

心こころの中なかの気持きもち、まわりの声こえ、見みえていたもの

走はしっているとき

体からだのかんかく、聞きこえた音おと、考かんがえていたこと

走はしり終おわった後あと

気持きもちのへんか、友ともだちの反はんのう、自分じぶんの気きづき

気持きもちを言葉ことばで表あらわす工夫くふう

「うれしかったです」「楽たのしかったです」「がんばりました」だけで終おわる作文さくぶんは、せっかくの思い出おもいでが読み手よみてに伝つたわりません。気持きもちを言葉ことばで表あらわすには、その気持きもちが「体からだのどこに、どんなふうに出でていたか」を思い出おもいだすとよいでしょう。きんちょうしていたなら、手てのひらの様子ようす、足あしのふるえ、口くちの中なかのかんそうした感かんじなど、体からだの中なかで起おきていたことを書かくと、読み手よみてにも気持きもちが伝つたわります。

  • うれしいを体からだで書かく:「ほおが熱あつくなって、足あしがかってにはずんでいました。」
  • きんちょうを体からだで書かく:「のどがかわいて、手てのひらにあせがにじみました。」
  • くやしいを体からだで書かく:「ぐっと歯はをくいしばって、こぶしをにぎりしめました。」
  • ほっとしたを体からだで書かく:「肩かたの力ちからがぬけて、深ふかいいきがしぜんと出でました。」

走り出はしりだす前まえの気持きもちを「のどがかわいて、心しんぞうが耳みみのすぐそばで鳴なっているようでした」と書かいてみます。これだけで、読よんだ人ひとは「ああ、きんちょうしていたんだな」とすぐに分わかります。気持きもちを直なおせつ書かくより、体からだや音おとや色いろで書かくほうが、ずっと伝つたわる作文さくぶんになります。

終おわりに気きづいたことを書かく

作文さくぶんの終おわり方かたも、書き出かきだしと同おなじくらい大切たいせつです。「楽たのしい運動会うんどうかいでした」だけで終おわると、感かんそうがぼやけてしまいます。終おわりの段落だんらくでは、その出来事できごとを通とおして「自分じぶんが気きづいたこと」や「これからどうしたいか」を書かくと、作文さくぶんがぐっと深ふかくなります。気きづきは大おおきなことでなくてかまいません。小ちいさな発見はっけんでじゅうぶんです。

終おわりの二に行ぎょうは、たとえば「アンカーで走はしるのはこわかったけれど、みんなが声せいえんしてくれたから走はしれました。一人ひとりで勝かつよりも、みんなで一ひとつになるほうが、ずっとうれしいことを知しりました。」のように書かきます。短みじかい文ぶんですが、運動会うんどうかいで自分じぶんが何なにを学まなんだのかがはっきり伝つたわります。

  1. 気きづきを書かく:「〜だと知しりました」「〜ということが分わかりました」
  2. これからを書かく:「これからは〜したいです」「次つぎは〜してみようと思おもいます」
  3. みんなへの言葉ことばを書かく:「みんなにありがとうと伝つたえたいです」
  4. 自分じぶんへの言葉ことばを書かく:「あのときの自分じぶんに、よくがんばったねと言いいたいです」

運動会うんどうかいの作文さくぶんで場面ばめんを描えがく書き出かきだし・本文ほんぶん・結むすびの例れい

書き出かきだしの一いち行ぎょうが決きまらないときは、ほかの人ひとがどう書かき始はじめたかを見みてみるのが近道ちかみちです。下したに、書き出かきだし・場面ばめんのえがき方かた・結むすびの一文いちぶんの三みっつに分わけて例れいを並ならべました。どれもその人ひとが見みたこと・感かんじたことをもとにした文ぶんなので、そのまま写うつすと自分じぶんの運動会うんどうかいとはちがう作文さくぶんになります。「自分じぶんはどの音おとを聞きいたか」「どの場面ばめんで心こころが動うごいたか」を思い出おもいだしながら、同おなじ形かたちで自分じぶんの言葉ことばに置おきかえてみてください。

書き出かきだしの一文いちぶんの例れい

書き出かきだしの入り口いりくち

例文れいぶん

音おとから書き出かきだす

「ピストルの音おとが、青あおい空そらにひびきました。」

気持きもちから書き出かきだす

「足あしががくがくふるえて、心しんぞうの音おとが耳みみのすぐそばで鳴なっていました。」

会話かいわから書き出かきだす

「『がんばれ。』お父とうさんの声こえが、おうえん席せきから聞きこえました。」

色いろや物ものから書き出かきだす

「赤あかい鉢はちまきが、風かぜにゆれていました。」

時間じかんから書き出かきだす

「あと三さん分ぷんで、わたしのリレーが始はじまります。」

場面ばめんをえがく一文いちぶんの例れい

  • 「バトンを受うけとったしゅんかん、つめたいかんしょくが手てのひらに広ひろがりました。」
  • 「友ともだちの「いけー。」という声こえが、地面じめんのしんどうといっしょに体からだにひびきました。」
  • 「ゴールテープが目めの前まえにせまってきて、足あしのいたみがすっととんでいきました。」
  • 「白しろい線せんをふみしめるたびに、土つちのにおいがふっと立たちのぼりました。」

結むすびの一文いちぶんの例れい

  • 「来年らいねんもまた、みんなとこの場所ばしょで走はしりたいです。」
  • 「あのときの自分じぶんに、よくがんばったねと言いいたいです。」
  • 「一人ひとりではなく、みんなで走はしった運動会うんどうかいだったと、心こころの中なかで思おもいました。」
  • 「おうえんの声こえがなければ、ゴールにはたどりつけなかったと思おもいます。」
  • 「短みじかい時間じかんでしたが、長ながく心こころに残のこる一いち日にちになりました。」

やってみよう(三みっつのステップで下書したがきを作つくる)

運動会うんどうかいの作文さくぶんを書かくときは、いきなり原げんこう用紙ようしに向むかわず、まず下書したがきノートで三みっつのステップをふんでみましょう。先さきに書かく中身なかみが決きまるので、書き出かきだしで長ながく悩なやむことがへります。

  1. ステップ1:その日ひの出来事できごとを、思おもいついた順じゅんに十じゅっこくらい書き出かきだす
  2. ステップ2:その中なかから「目めを閉とじてもはっきり思い出おもいだせる場面ばめん」を一ひとつだけ丸まるでかこむ
  3. ステップ3:その場面ばめんを「前まえ・中なか・後あと」に分わけて、それぞれ三さん行ぎょうずつ書かいてみる

この三みっつを終おえたら、作文さくぶんの中心ちゅうしんになる場面ばめんはもうできています。あとは下書したがきをつなげて、書き出かきだしを工夫くふうし、気持きもちを体からだで表あらわし、終おわりに気きづきを書かきそえれば、思い出おもいでが伝つたわる作文さくぶんになります。原げんこう用紙ようしの使い方つかいかたに自信じしんがないときは、ますの使い方つかいかたと句読点くとうてんの打うち方かたを先さきに確認かくにんしておくと、書き直かきなおしの回数かいすうが減へります。