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クラスでの発表の話し方と聞きやすい声と間のコツ

グループ発表での話し方のコツを、声・間・目せんの三つの工夫でやさしく整理します。メモを読み上げる「読む」から、聞き手に届く「伝える」への切りかえ方を、れいで確かめられます。
目次
クラスでの発表で、メモをにぎりしめて教室の前に立ったものの、もじを目で追うのにせい一ぱいになってしまうことはありませんか。気がつくと、ずっとメモを見たまま、早口でだーっと読み終えてしまう。さい後の「以上です」だけは大きな声で言えても、クラスのみんなはぽかんとした顔。内ようはちゃんとそろっていたはずなのに、伝わっている気がしない。発表のあとで、もう少しみんなのほうを向いて話せばよかったと、こうかいしてしまう。
発表は、メモを読むことではなく、聞いている人につたえること。これに気づくと、話し方ががらりと変わります。大じなのは、声の大きさ、間(ま)の取り方、目せんの三つを少しずつ意しきすること。むずかしいテクニックは必要ありません。この記事では、「読む」から「つたえる」への切りかえ方、声の大きさをそろえる練習、間をあけると伝わる場所、目せんの動かし方、本番直前の三つの呼吸の五つに分けて、聞きやすい発表のコツをしょうかいします。
発表は「読む」より「伝える」
発表をするとき、いちばんやりがちなのが「メモを読み上げる」だけになってしまうことです。書いたものを声に出すと、たしかにまちがえずに話せます。でも、聞いている人にとっては、ただ文字が音にかわっただけで、内ようが頭に入ってこないことも多いのです。発表は、読むのではなく、聞いている人に「これを知ってもらいたい」と思って話す時間です。
ちがいは、自分の気持ちの向け方にあります。読むときは、目はメモのほうに向いていて、心の中も「次の文字、次の文字」と動いています。伝えるときは、目は聞いている人に向いていて、心の中で「ここを分かってほしいな」と思いながら話しています。同じ内ようでも、こころの向きがちがうだけで、聞き手にとどく感じがまるでちがってきます。発表のれんしゅうでは、まず「だれにつたえたいか」を心の中ではっきりさせるところから始めましょう。
メモは「お守り」くらいの気持ちで
もちろん、メモはあっても大じょうぶです。むしろ、ぜんぜん用意しないと、とちゅうで何を話そうとしていたか分からなくなってしまいます。ただ、メモは「全部読むためのもの」ではなく、「困ったときに見るお守り」くらいの気持ちで持っていましょう。話の頭の数文字と、いちばん大じなキーワードだけを、大きな字で書いておくのがおすすめです。
声の大きさをそろえる練習
発表でいちばん大事なのは、声がきちんとクラスのいちばん後ろの人までとどくことです。声が小さいと、聞いている人は内ようを聞きとろうとがんばらないといけなくて、つかれてしまいます。声の大きさは、ふだんのおしゃべりの一段上、教室の半分くらい先にいる人に話しかける感じです。
場面 | 声の大きさのめやす |
|---|---|
まわりの友だちと話す | ふだんの声 |
グループでの話し合い | ふだんの声よりちょっと大きく |
クラスでの発表 | いちばん後ろの席の人にとどくくらい |
体いくかんでの発表 | いつもの2ばいくらいの大きさ |
大じなのは、はじめから終わりまで、声の大きさを同じくらいでたもつことです。緊ちょうしていると、最初は大きな声でも、とちゅうから小さくなってしまったり、ぎゃくにさい後だけぼそぼそになってしまったりしがちです。話し始めに「いちばん後ろの人にとどく声」を一度心の中でかくにんしてから、その大きさをずっとたもつようにします。
おなかから声を出すと、つかれにくい
大きな声を出そうとして、のどに力を入れると、すぐにつかれてしまいます。声は、おなかからおすつもりで出すと、楽に大きな声が出せます。せなかをのばして、足はかたはばに開いて立ち、おなかに少し力を入れる感じです。れんしゅうの時に、おうちの人に「いちばん後ろの部屋までとどく声」で話してみるとよいでしょう。だんだん、自分でも「これくらいの大きさ」というかんかくがつかめてきます。
間をあけると伝わる場所
発表でとても大じなのが、「間(ま)」の取り方です。間というのは、声を出していない時間のことです。間を上手につかうと、聞いている人にとって、話の中身がすっと頭に入りやすくなります。なにも止まらずに一気に話してしまうと、聞き手の心の中で内ようをかみくだく時間がありません。
- 大事なキーワードを言う前に、ひと呼きゅう止まる
- 一つの話のまとまりが終わったら、すこし長めに止まる
- 「ですから」「つまり」のような、つなぎ言葉の前で軽く止まる
- しつ問するときは、しつ問のあとに長めに止まって、考える時間を作る
- 次の話に進む時は、深呼きゅう一回ぶん、間をとる
はじめてやると、間をあけるのがとても長く感じるかもしれません。自分の中では「すごく止まっている」と感じても、聞いている人にとっては、ふつうの間にしか感じません。むしろ、間をしっかり取ってくれる発表のほうが、聞きやすいと感じる人が多いのです。だから、思いきって、ふだんよりも少し長めに間をあけてみると、ちょうどよくなります。
間は、こころのよゆうから生まれる
間を上手にとるには、心にすこしのよゆうが必要です。「早く終わらせたい」と思っていると、自然と早口になって、間がなくなります。心の中で「だいじょうぶ、ちゃんと聞いてくれているよ」とつぶやくと、間をとるよゆうが生まれてきます。話し始めに一度だけ、ふかく息をすってから話し出すと、それだけで全体の話し方がゆったりとしてきます。
目線をどこに向けるか
声の大きさと間がそろってきたら、つぎは目せんです。発表のとき、いちばんやってしまいがちなのが、ずっとメモを見ていること。次にやってしまいがちなのが、教室のゆかや天じょうを見てしまうことです。聞いている人に伝えるためには、聞いている人のほうに目せんを向けるのが、いちばん大じなことです。
目せんの向け方 | よくない例 | よい例 |
|---|---|---|
ずっと一か所 | ずっとメモを見つづける | メモはちらっと見るだけ |
友だちだけを見る | なかよしの友だちにだけ話す | クラス全体を見るように |
先生だけを見る | 先生のほうばかりむく | 聞いてくれているみんなを見る |
動きすぎる | きょろきょろせわしなく動かす | ゆっくり、左・中・右と動かす |
コツは、教室をだいたい三つのエリアに分けて、左・まん中・右と、ゆっくり目せんをうつしていくことです。話のまとまりが変わるところで、目せんを動かすと、自然な感じになります。きん張する人は、聞いている人の「目」を直接見ようとしなくても大じょうぶです。みんなの「ひたい」のあたりや、おでこのへんを見ると、相手からは「目を見て話してくれている」ように見えます。
練習で気づいた点を直す手順
発表のれんしゅうは、何度もくりかえすのが大じです。ただし、ただ回数を多くするだけだと、まちがった話し方がそのまま身についてしまいます。れんしゅうのたびに、一つだけ「今日はここを直そう」というめあてを決めて、そこに集中するのがよい方法です。
- 一回目は、止まらずに最後まで通して話す(時間をはかる)
- 二回目は、声の大きさだけに気をつけて話す
- 三回目は、間(ま)の取り方だけに気をつける
- 四回目は、目せんだけに気をつける
- 五回目は、ぜんぶ意しきしながら、本番のつもりで話す
お家の人に聞いてもらえるなら、ぜひお願いしましょう。聞いてくれている人がいるだけで、れんしゅうの集中力が変わります。ふりかえりでは、「今のはどうだった」とまず自分でかんがえて、そのあとに相手の感想を聞きます。自分で気づけたところは、本番でも気をつけられます。直したい所が三つ以上あっても、いっぺんに直そうとせず、いちばん大じなところから一つずつ直していきましょう。
コピペで使える発表 冒頭テンプレ集
発表のいちばん最初のひとことで、聞いている人の心がぐっと向きます。ここでは、すぐに使える冒頭のひな型と、終わりをきれいにしめくくる結びのひな型をしょうかいします。テーマや教科に合わせて、◯◯の部分を入れかえて使ってみてください。
ていばん型
これから、◯◯について発表します。しつもん型
みなさんは、◯◯について知っていますか。今日は、それについて発表します。気づき型
わたしは、◯◯について調べていて、おもしろいことに気づきました。今からしょうかいします。数字型
◯◯について調べたところ、▲▲という数字が出てきました。今日は、その理由についてお話しします。じけん型
先日、◯◯ということがありました。今日は、そこから考えたことを発表します。ねがい型
わたしは、◯◯について、もっとみんなに知ってもらいたいと思っています。今からその理由をお話しします。
結びのひな型もいくつかおぼえておくと、話のおわり方にこまりません。下のれいから、自分の発表の中身に合うものをえらんで使ってみてください。結びを言ったあとは、すこし間をおいて、小さく頭を下げると、聞いている人がはく手のじゅんびをしやすくなります。
ていばん結び
以上で、わたしの発表をおわります。聞いてくださってありがとうございました。まとめ結び
今日のお話のだいじなところは、◯◯ということでした。これで発表をおわります。しつもん結び
何かしつ問があれば、よろしくおねがいします。気づき結び
みなさんも、◯◯について、ぜひ考えてみてください。ありがとうございました。次回つなぎ結び
次の発表では、◯◯について調べたいと思います。聞いてくださってありがとうございました。
やってみよう:本番直前の三つの呼吸
発表のじゅんびがしっかりできていても、本番ちょくぜんはどうしてもきん張します。そんなときは、つぎの三つの呼吸をやってみてください。教室の前に出る前の、ちょっとした時間でできます。
- 一回目の呼吸:おなかにぐっと息をすって、ゆっくり口からはく(声を落ち着かせる)
- 二回目の呼吸:はくときに、肩の力をすとんと落とす(しせいを楽にする)
- 三回目の呼吸:すうときに、いちばん伝えたい一文を心の中でとなえる(気もちを向ける)
教室の前で三回呼吸をしてから話しはじめると、声がしぜんと落ちついてきます。メモを見なくても、いちばん大じな所だけはちゃんと聞いている人のほうを向いて話せるはずです。発表のあと、いつもより少しだけクラスがしんとして、それから大きなはく手がきこえる。そんな時間が、きっとおとずれます。声・間・目せんの三つを意しきするだけで、発表は「読むじかん」から「つたわるじかん」に変わっていきます。
