家族・先生・友達で変わる言葉づかいの使い分け

家族・先生・友達で変わる言葉づかいの使い分けの記事を表すモノクロ漫画風イラスト

相手にあわせた言葉づかいの使い分けを、家族・友達・先生・知らない大人の4つの場面でやさしく整理します。タメ口とていねいな言葉のちがい、年上の人へのあいさつの言いまわしを確かめられます。

目次

11項目
  1. 結論:家族や友だちにはうちとけた言い方、先生や近所の大人には「です・ます」
  2. 言葉づかいを変える理由
  3. 「ていねいな言い方」は気もちのプレゼント
  4. 家族や友達に使う言葉
  5. 友だちのまえでも、たまに「ていねいな言い方」を
  6. 先生や近所の大人に使う言葉
  7. 「あらたまった言い方」が出てくる場面
  8. 知らない人に話しかける時の言葉
  9. 安全のための言葉づかいも大じ
  10. 相手に合わせた話し言葉の使い分け
  11. 場面ごとに練習してみる

近所きんじょの大人おとなの人ひとに、友ともだちと話はなす時ときのいきおいで「おう、メシ食くったか」と声こえをかけてしまった経験けいけんはありませんか。相手あいては目めを丸まるくしながらも、にっこり笑わらって「もう食たべたよ」と返かえしてくれる。

けれども、そばで見みていた家いえの人ひとから、「大人おとなの人ひとには、もうちょっとていねいな言葉ことばのほうがいいかな」と、あとからやさしく注意ちゅういされる。家いえで家族かぞくと話はなす時とき、友ともだちと話はなす時とき、先生せんせいと話はなす時とき、近所きんじょの人ひとと話はなす時とき。ぜんぶ同おなじ言葉ことばづかいで話はなしていたことに、はっとさせられる場面ばめんです。

じつは、相手あいてによって言葉ことばを少すこしずつ変かえることは、相手あいてをたいせつに思おもう気きもちを表あらわす方ほうほうの一ひとつです。むずかしい敬語けいごをぜんぶおぼえる必要ひつようはありません。まずは「ふつうの言い方いいかた」と「ていねいな言い方いいかた」を切きりかえるところから始はじめてみましょう。

結論けつろん:家族かぞくや友ともだちにはうちとけた言い方いいかた、先生せんせいや近所きんじょの大人おとなには「です・ます」

  • 相手あいてによって言葉ことばを少すこしずつ変かえることは、相手あいてをたいせつに思おもう気きもちを表あらわす方ほうほうの一ひとつです。
  • 家族かぞくや友ともだちでも相手あいてをきずつける言葉ことばはつかわず、しっぱいしたときは「ごめんね」と言いえる関かんけいを大だいじにします。
  • 知しらない人ひとに話はなしかけるときは、まず「すみません」から始はじめるのが、いちばんかんたんで安心あんしんな言い方いいかたです。
  • むずかしい敬語けいごをぜんぶおぼえるより、相手あいてと場面ばめんにあわせて言葉ことばをえらぶかんがえ方かたが大だいじです。

言葉ことばづかいを変かえる理由りゆう

なぜ、相手あいてによって言葉ことばをかえる必要ひつようがあるのでしょうか。それは、言葉ことばが、ただ気きもちや内ないようをつたえるだけのどうぐではないからです。

同おなじ「ごはん食たべた」というしつもんでも、「メシ食くったか」と「ごはん食たべましたか」では、相手あいてにあたえる印いんしょうがまったくちがいます。前者ぜんしゃはちかい人ひとどうしのうちとけた感かんじ、後者こうしゃは相手あいてをていねいにあつかっている感かんじです。

相手あいてにとって大だいじなのは、内ないようだけではなく、「自分じぶんのことをどうあつかってくれているか」というメッセージでもあります。

先生せんせいや近所きんじょの大人おとなに、友ともだちと同おなじ言葉ことばづかいで話はなしてしまうと、内ないようは伝つたわっていても、「この子こは自分じぶんのことを軽かるく見みているのかな」と感かんじさせてしまうことがあります。だから、言葉ことばづかいを少すこし変かえると、相手あいてに「ちゃんと自分じぶんのことを大だいじに思おもってくれているな」と伝つたわりやすくなります。

「ていねいな言い方いいかた」は気きもちのプレゼント

ていねいな言葉ことばづかいは、ちょっと面めんどうに感かんじるかもしれません。でも、考え方かんがえかたを変かえると、ていねいな言葉ことばは、相手あいてにあげる小ちいさなプレゼントのようなものです。「あなたのことを大だいじだと思おもっていますよ」というメッセージを、言葉ことばのかたちにのせてわたしているのです。

おうちの人ひとが会社かいしゃの人ひとと電話でんわで話はなすときに、ふだんとちがう声こえでていねいに話はなしているのを、聞きいたことがあるかもしれません。それも、相手あいてにプレゼントをしている時間じかんなのです。

家族かぞくや友達ともだちに使つかう言葉ことば

まずは、いちばん身みぢかな家かぞくや友ともだちと話はなすときの言葉ことばづかいです。家族かぞくや、毎日まいにちいっしょにいる友ともだちには、うちとけた話し方はなしかたで大だいじょうぶです。

「〜だよ」「〜じゃん」「〜なの」のような、やわらかい言いいまわしを使つかえます。むしろ、家かぞくにずっとていねいな言葉ことばばかり使つかっていると、よそよそしく感かんじてしまうこともあります。

伝つたえたいこと

家族かぞくや友達ともだちへの言い方いいかた

ごはんを食たべたかきく

ごはん食たべた

いっしょに遊あそぼうとさそう

いっしょに遊あそぼう

消しゴムけしごむをかしてとたのむ

消しゴムけしごむかして

ありがとうをつたえる

ありがとう

ごめんねとつたえる

ごめんね

ただし、家族かぞくや友達ともだちがそうてだからといって、なんでも言いってよいわけではありません。「うざい」「だまれ」「やめろよ」のような、相手あいてをきずつける言葉ことばは、いくらちかいあいてでも、つかわないようにします。

ちかいあいてだからこそ、しっぱいしたときには「ごめんね」と言いえる関かんけいを大だいじにしたいですね。言葉ことばのえらび方かたはみじかくても、気きもちはきちんとそえることが大だいじです。

友ともだちのまえでも、たまに「ていねいな言い方いいかた」を

友ともだちと話はなすときも、いつも同おなじくだけた言い方いいかたでなくても大だいじょうぶです。たとえば、なかよしの友ともだちにお願ねがいごとをするときに、「これ、お願ねがいしてもいい」とちょっとだけていねいに言いうと、相手あいても「ちゃんと考かんがえてくれているんだな」と感かんじます。

ふだんの会話かいわの中なかで、ときどきていねいな言葉ことばが入はいることで、ふだんの言い方いいかたとのコントラストが生うまれて、気きもちがより伝つたわりやすくなります。

先生せんせいや近所きんじょの大人おとなに使つかう言葉ことば

先生せんせいや、ご近所きんじょの大人おとなの人ひとと話はなすときは、ていねいな言葉ことばづかいに切きりかえます。むずかしい敬語けいごをおぼえる必要ひつようはありません。文ぶんのおわりを「〜です」「〜ます」にすると、ていねいな言い方いいかたになります。これを「ていねい語ご」とよびます。さらに、自分じぶんのことを「ぼく」「わたし」と言いうと、より落ち着おちついた話し方はなしかたになります。

ふつうの言い方いいかた

ていねいな言い方いいかた

食たべた

食たべました

行いく

行いきます

ちょうだい

ください

知しらない

知しりません

いいよ

はい、いいですよ

たとえば、先生せんせいに「これ、わからない」と言いうかわりに「先生せんせい、これがよく分わかりません」と言いうと、何なにが分わからないのかが相手あいてに伝つたわります。近所きんじょの大人おとなの人ひとに「あの人ひとだれ」と聞きくかわりに、「あの方かたは、どなたですか」と聞きくと、ていねいさが伝つたわります。

「敬語けいご」というむずかしい言葉ことばを意いしきしすぎなくても、文ぶんの終おわりを「〜です」「〜ます」にして、相手あいてのことを「あなた」ではなく「◯◯さん」「先生せんせい」とよぶだけで、十分じゅうぶんなていねいさが出でます。

「あらたまった言い方いいかた」が出でてくる場面ばめん

先生せんせいにお願ねがいごとをしたり、地ちいきの行事ぎょうじで大人おとなの方かたと話はなしたりするときは、「あらたまった言い方いいかた」が役に立やくにたちます。あらたまった言い方いいかたとは、ふだんのていねい語ごよりさらにかしこまった言い方いいかたのことです。

たとえば「もらってもいいですか」を「いただいてもよろしいですか」、「教おしえて」を「教おしえていただけませんか」のようにかえます。小学生しょうがくせいのうちにぜんぶおぼえる必要ひつようはありませんが、こういう言い方いいかたもあると知しっておくと、いざという時ときに使つかえます。

知しらない人ひとに話はなしかける時ときの言葉ことば

道みちで道みちをたずねたり、お店みせの人ひとに聞ききごとをしたりするときは、「すみません」から始はじめるのが、いちばんかんたんで安心あんしんな言い方いいかたです。

「すみません」は、よびとめる言葉ことば、あやまる言葉ことば、ありがとうを伝つたえる言葉ことばと、いろんなはたらきを持もつ、とってもべんりな言葉ことばです。これがすっと出でてくるようになると、知しらない人ひととも落ち着おちついてやり取とりしやすくなります。

  • よびかけ:「すみません、ちょっとおうかがいしてもいいですか」
  • 道みちをきく:「すみません、◯◯駅えきはどちらでしょうか」
  • おねがい:「すみません、これを取とっていただけますか」
  • お礼れい:「ありがとうございます」(おじぎを一回いっかいそえる)
  • ことわるとき:「だいじょうぶです、ありがとうございます」

お店みせの人ひとに何なにかをたずねるとき、「これ、なんですか」と言いうよりも、「すみません、これは何なんの商品しょうひんですか」のほうが、ていねいに聞きこえます。たいせつなのは、相手あいての目めを見みて、はっきりとした声こえで言いうこと。

声こえがちいさすぎると、相手あいてに伝つたわらないだけでなく、しん配ぱいさせてしまうこともあります。きちんと立ち止たちどまって、相手あいての方ほうを向むいて話はなすと、安心あんしんして聞きいてもらえます。

安全あんぜんのための言葉ことばづかいも大だいじ

知しらない人ひとと話はなすときは、安全あんぜんのためのルールもおぼえておきましょう。住すんでいる場ばしょや、学校がっこうの名前なまえ、家かぞくの予よてい、家いえにだれがいるかなどは、知しらない人ひとには教おしえません。

もし、何なにかこわいなと感かんじたら、「いそいでいるので、すみません」と言いって、はやくその場ばをはなれて、ちかくの大人おとなやコンビニのお店みせの人ひとにじょうきょうをつたえます。ていねいな言葉ことばづかいと、自分じぶんの安全あんぜんをまもることは、両りょうほうとも大だいじです。

相手あいてに合あわせた話し言葉はなしことばの使い分つかいわけ

同おなじ場面ばめんでも、相手あいてによって言葉ことばのえらび方かたは少すこしずつ変かわります。下したの表ひょうは、家族かぞく・友達ともだち・先生せんせい・近所きんじょの大人おとなの四よっつに分わけて、よくつかう場面ばめんごとの言いいまわしをまとめたものです。一いち度どに全部ぜんぶおぼえる必要ひつようはありません。今日きょうからつかえそうなものを、一ひとつだけえらんで口くちに出だしてみてください。

場面ばめん

家族かぞく

友達ともだち

先生せんせい

近所きんじょの大人おとな

あいさつ

おはよう

おはよ

おはようございます

おはようございます

会あったとき

おかえり

やあ

こんにちは

こんにちは

お願ねがい

これとって

これとって

すみません、これを取とってください

すみません、これを取とっていただけますか

お礼れい

ありがとう

ありがと

ありがとうございます

ありがとうございます

しつもん

これなに

これなんだろ

これは何なんですか

これは、何なんでしょうか

あやまる

ごめんね

ごめん

すみませんでした

もうしわけありません

別わかれぎわ

またね

バイバイ

さようなら

失礼しつれいします

表ひょうを見みると、相手あいてが変かわるだけで、同おなじ場面ばめんの言葉ことばがこんなに変かわることが分わかります。大だいじなのは、おぼえることそのものよりも、「相手あいてにあわせて言葉ことばをえらぶ」というかんがえ方かたです。

家族かぞくにずっと敬語けいごを使つかうのもへんですし、先生せんせいに「これかして」と言いうのもへんです。場面ばめんと相手あいてにあわせて、ちょうどよい言葉ことばをえらべるようになると、まわりの大人おとなや友ともだちとのやり取とりも、ここちよいものになりやすくなります。

場面ばめんごとに練習れんしゅうしてみる

言葉ことばづかいの使い分つかいわけは、頭あたまでおぼえるだけではなく、口くちで言いってれんしゅうするのがいちばんです。一ひとつの場面ばめんを思おもいうかべて、家かぞくに相手あいてやくになってもらって、れんしゅうしてみましょう。一回いっかいでもこえに出だしておくと、本番ほんばんで思い出おもいだす手てがかりになります。

  1. 友ともだちに「いっしょに帰かえろう」とさそう
  2. 先生せんせいに「これがよく分わかりませんでした」としつもんする
  3. 近所きんじょの人ひとに「こんにちは、いつもありがとうございます」とあいさつする
  4. お店みせで「すみません、◯◯はどこにありますか」とたずねる
  5. はじめて会あう人ひとに「はじめまして、◯◯と申もうします」とじこしょうかいする

大だいじなのは、「ていねいな言い方いいかたをしているからえらい」ということではなく、相手あいてとその場面ばめんにあった言葉ことばをえらべている、ということです。家族かぞくにずっと敬語けいごを使つかうのもへんですし、先生せんせいに友ともだちと同おなじ言葉ことばづかいで話はなすのもへんです。

場面ばめんによって、言葉ことばのえらび方かたをかえる。そのくり返かえしで、まわりの人ひととのきょりがちょうどよくなり、毎日まいにちのおはなしが気きもちのよいものになっていくこともあります。

次つぎに近所きんじょの大人おとなの人ひとに会あった時とき、きちんと「こんにちは」と頭あたまを下さげ、「いつもありがとうございます」とひとことつけくわえてみる。相手あいてがうれしそうな顔かおをしてくれることもあります。

「しっかりしてきたなあ」と笑わらってもらえるかもしれません。言葉ことばづかいをすこし変かえると、相手あいてとの時間じかんがあたたかいものになることもあります。今日きょうから少すこしずつ、ていねいな言い方いいかたを一ひとつだけ、口くちに出だしてれんしゅうしてみてください。