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家族・先生・友達で変わる言葉づかいの使い分け

相手にあわせた言葉づかいの使い分けを、家族・友達・先生・知らない大人の4つの場面でやさしく整理します。タメ口とていねいな言葉のちがい、年上の人へのあいさつの言いまわしを確かめられます。
目次
近所の大人の人に、友だちと話す時のいきおいで「おう、メシ食ったか」と声をかけてしまった経験はありませんか。相手は目を丸くしながらも、にっこり笑って「もう食べたよ」と返してくれる。けれども、そばで見ていた家の人から、「大人の人には、もうちょっとていねいな言葉のほうがいいかな」と、あとからやさしく注意される。家で家族と話す時、友だちと話す時、先生と話す時、近所の人と話す時。ぜんぶ同じ言葉づかいで話していたことに、はっとさせられる場面です。
じつは、相手によって言葉を少しずつ変えることは、相手をたいせつに思う気もちを表す方ほうの一つです。むずかしい敬語をぜんぶおぼえる必要はありません。「ふつうの言い方」と「ていねいな言い方」をかんたんに切りかえられるようになるだけで、ぐっと大人にちかづきます。この記事では、言葉づかいを変える理由、家族や友だちに使う言葉、先生や近所の大人に使う言葉、知らない人に話しかける時の言いまわし、場面ごとのれんしゅう方法の五つに分けて、すぐ使える言葉のえらび方をしょうかいします。
言葉づかいを変える理由
なぜ、相手によって言葉をかえる必要があるのでしょうか。それは、言葉が、ただ気もちや内ようをつたえるだけのどうぐではないからです。同じ「ごはん食べた」というしつもんでも、「メシ食ったか」と「ごはん食べましたか」では、相手にあたえる印しょうがまったくちがいます。前者はちかい人どうしのうちとけた感じ、後者は相手をていねいにあつかっている感じです。
相手にとって大じなのは、内ようだけではなく、「自分のことをどうあつかってくれているか」というメッセージでもあります。先生や近所の大人に、友だちと同じ言葉づかいで話してしまうと、内ようは伝わっていても、「この子は自分のことを軽く見ているのかな」と感じさせてしまうことがあります。だから、言葉づかいを少し変えるだけで、相手は「ちゃんと自分のことを大じに思ってくれているな」と感じてくれます。
「ていねいな言い方」は気もちのプレゼント
ていねいな言葉づかいは、ちょっと面どうに感じるかもしれません。でも、考え方を変えると、ていねいな言葉は、相手にあげる小さなプレゼントのようなものです。「あなたのことを大じだと思っていますよ」というメッセージを、言葉のかたちにのせてわたしているのです。お家の人が会社の人と電話で話すときに、ふだんとちがう声でていねいに話しているのを、聞いたことがあるかもしれません。それも、相手にプレゼントをしている時間なのです。
家族や友達に使う言葉
まずは、いちばん身ぢかな家ぞくや友だちと話すときの言葉づかいから見ていきましょう。家族や、毎日いっしょにいる友だちには、うちとけた話し方で大じょうぶです。「〜だよ」「〜じゃん」「〜なの」のような、やわらかい言いまわしを使えます。むしろ、家ぞくにずっとていねいな言葉ばかり使っていると、よそよそしく感じてしまうこともあります。
伝えたいこと | 家族や友達への言い方 |
|---|---|
ごはんを食べたかきく | ごはん食べた |
いっしょに遊ぼうとさそう | いっしょに遊ぼう |
消しゴムをかしてとたのむ | 消しゴムかして |
ありがとうをつたえる | ありがとう |
ごめんねとつたえる | ごめんね |
ただし、家族や友達がそうてだからといって、なんでも言ってよいわけではありません。「うざい」「だまれ」「やめろよ」のような、相手をきずつける言葉は、いくらちかいあいてでも、つかわないようにします。ちかいあいてだからこそ、しっぱいしたときには「ごめんね」と言える関けいを大じにしたいですね。言葉のえらび方はみじかくても、気もちはきちんとそえることが大じです。
友だちのまえでも、たまに「ていねいな言い方」を
友だちと話すときも、いつも同じくだけた言い方でなくても大じょうぶです。たとえば、なかよしの友だちにお願いごとをするときに、「これ、お願いしてもいい」とちょっとだけていねいに言うと、相手も「ちゃんと考えてくれているんだな」と感じます。ふだんの会話の中で、ときどきていねいな言葉が入ることで、ふだんの言い方とのコントラストが生まれて、気もちがより伝わりやすくなります。
先生や近所の大人に使う言葉
先生や、ご近所の大人の人と話すときは、ていねいな言葉づかいに切りかえます。むずかしい敬語をおぼえる必要はありません。文のおわりを「〜です」「〜ます」にするだけで、ぐっとていねいな感じになります。これを「ていねい語」とよびます。さらに、自分のことを「ぼく」「わたし」と言うと、より落ち着いた話し方になります。
ふつうの言い方 | ていねいな言い方 |
|---|---|
食べた | 食べました |
行く | 行きます |
ちょうだい | ください |
知らない | 分かりません |
いいよ | はい、大じょうぶです |
たとえば、先生に「これ、わからない」と言うかわりに「先生、これがよく分かりません」と言うと、相手はぐっと答えやすくなります。近所の大人の人に「あの人だれ」と聞くかわりに、「あの方は、どなたですか」と聞くと、ていねいさが伝わります。「敬語」というむずかしい言葉を意しきしすぎなくても、文の終わりを「〜です」「〜ます」にして、相手のことを「あなた」ではなく「◯◯さん」「先生」とよぶだけで、十分なていねいさが出ます。
「あらたまった言い方」が出てくる場面
先生にお願いごとをしたり、地いきの行事で大人の方と話したりするときは、「あらたまった言い方」が役に立ちます。あらたまった言い方とは、ふだんのていねい語よりさらにかしこまった言い方のことです。たとえば「もらってもいいですか」を「いただいてもよろしいですか」、「教えて」を「教えていただけませんか」のようにかえます。小学生のうちにぜんぶおぼえる必要はありませんが、こういう言い方もあると知っておくと、いざという時に使えます。
知らない人に話しかける時の言葉
道で道をたずねたり、お店の人に聞きごとをしたりするときは、「すみません」から始めるのが、いちばんかんたんで安心な言い方です。「すみません」は、よびとめる言葉、あやまる言葉、ありがとうを伝える言葉と、いろんなはたらきを持つ、とってもべんりな言葉です。これがすっと出てくるようになると、知らない人とのやり取りもこわくなくなります。
- よびかけ:「すみません、ちょっとおうかがいしてもいいですか」
- 道をきく:「すみません、◯◯駅はどちらでしょうか」
- おねがい:「すみません、これを取っていただけますか」
- お礼:「ありがとうございます」(おじぎを一回そえる)
- ことわるとき:「だいじょうぶです、ありがとうございます」
お店の人に何かをたずねるとき、「これ、なんですか」と言うよりも、「すみません、これは何の商品ですか」のほうが、ぐっとていねいに聞こえます。たいせつなのは、相手の目を見て、はっきりとした声で言うこと。声がちいさすぎると、相手に伝わらないだけでなく、しん配させてしまうこともあります。きちんと立ち止まって、相手の方を向いて話すと、安心して聞いてもらえます。
安全のための言葉づかいも大じ
知らない人と話すときは、安全のためのルールもおぼえておきましょう。住んでいる場しょや、学校の名前、家ぞくの予てい、家にだれがいるかなどは、知らない人には教えません。もし、何かこわいなと感じたら、「いそいでいるので、すみません」と言って、はやくその場をはなれて、ちかくの大人やコンビニのお店の人にじょうきょうをつたえます。ていねいな言葉づかいと、自分の安全をまもることは、両ほうとも大じです。
コピペで使える相手別 言葉づかい一覧
同じ場面でも、相手によって言葉のえらび方は少しずつ変わります。下の表は、家族・友達・先生・近所の大人の四つに分けて、よくつかう場面ごとの言いまわしをまとめたものです。一度に全部おぼえる必要はありません。今日からつかえそうなものを、一つだけえらんで口に出してみてください。
場面 | 家族 | 友達 | 先生 | 近所の大人 |
|---|---|---|---|---|
あいさつ | おはよう | おはよ | おはようございます | おはようございます |
会ったとき | ただいま | やあ | こんにちは | こんにちは |
お願い | これとって | これかして | すみません、これを見せてください | すみません、おねがいできますか |
お礼 | ありがとう | ありがと | ありがとうございました | ありがとうございます |
しつもん | これなに | これなんだろ | これは何ですか | これは、何でしょうか |
あやまる | ごめんね | ごめん | すみませんでした | もうしわけありません |
別れぎわ | またね | バイバイ | さようなら | 失礼します |
表を見ると、相手が変わるだけで、同じ場面の言葉がこんなに変わることが分かります。大じなのは、おぼえることそのものよりも、「相手にあわせて言葉をえらぶ」というかんがえ方です。家族にずっと敬語を使うのもへんですし、先生に「これかして」と言うのもへんです。場面と相手にあわせて、ちょうどよい言葉をえらべるようになると、まわりの大人や友だちとのきょりが、ぐっとここちよくなります。
場面ごとに練習してみる
言葉づかいの使い分けは、頭でおぼえるだけではなく、口で言ってれんしゅうするのがいちばんです。一つの場面を思いうかべて、家ぞくに相手やくになってもらって、れんしゅうしてみましょう。一回でもこえに出してみると、本番でもすっと出てくるようになります。
- 友だちに「いっしょに帰ろう」とさそう
- 先生に「これがよく分かりませんでした」としつもんする
- 近所の人に「こんにちは、いつもありがとうございます」とあいさつする
- お店で「すみません、◯◯はどこにありますか」とたずねる
- はじめて会う人に「はじめまして、◯◯と申します」とじこしょうかいする
大じなのは、「ていねいな言い方をしているからえらい」ということではなく、相手とその場面にあった言葉をえらべている、ということです。家族にずっと敬語を使うのもへんですし、先生に友だちと同じ言葉づかいで話すのもへんです。場面によって、言葉のえらび方をかえる。これだけで、まわりの人とのきょりがちょうどよくなって、毎日のおはなしがもっと気もちのよいものになっていきます。
次に近所の大人の人に会った時、きちんと「こんにちは」と頭を下げ、「いつもありがとうございます」とひとことつけくわえてみる。それだけで、相手はびっくりするくらいうれしそうな顔をしてくれます。「しっかりしてきたなあ」と笑ってもらえる日が、きっと来ます。言葉づかいをすこし変えるだけで、相手との時間が、ぐっとあたたかいものになります。今日から少しずつ、ていねいな言い方を一つだけ、口に出してれんしゅうしてみてください。
