漢字の音読み訓読みのちがいと見分け方

漢字の音読み訓読みのちがいと見分け方の記事を表すモノクロ漫画風イラスト

漢字の音読みと訓読みのちがいを、「読んで意味がわかるか」で見分けるコツでやさしく整理します。山・川・人・木などの身近な例で、二つの読み方の生まれた理由と使い分けを確かめられます。

目次

11項目
  1. 結論:読んで意味がわかれば訓読み、わからなければ音読み
  2. 音読みと訓読みって何
  3. 音読みの特徴を例で見る
  4. 訓読みの特徴を例で見る
  5. 「読んでわかるか」で見分ける
  6. 熟語の中で音と訓を確かめる
  7. 同じ字で音と訓を切りかえる場面
  8. 熟語にひそむ「例外」も少しある
  9. 音読み・訓読みを見比べる漢字10字の表
  10. やってみよう:音と訓を書き分ける
  11. 音読みと訓読みのよくある疑問

「山やま」という漢字かんじには、「サン」と「やま」という二ふたつの読み方よみかたがあります。同おなじ字じなのに、どうして読よみ方かたが二ふたつあるのでしょうか。ふだんの会話かいわでは「やま」とは言いいますが、「サン」とはあまり言いいません。

けれど「山林さんりん」という言葉ことばになると、急きゅうに「サンリン」と読よみます。同おなじ字じなのに、場面ばめんで読み方よみかたが切きりかわるふしぎが、漢字かんじにはたくさんかくれています。

この二ふたつの読み方よみかたは、音読おんよみと訓読くんよみと呼よばれています。「サン」のように聞きいただけでは意味いみがわかりにくい読み方よみかたが音読おんよみ、「やま」のように聞きいただけで何なんのことかすぐにわかる読み方よみかたが訓読くんよみです。

結論けつろん:読よんで意味いみがわかれば訓読くんよみ、わからなければ音読おんよみ

  • 音読おんよみは中国ちゅうごくから伝つたわった読み方よみかた、訓読くんよみは日本にほんにもとからあった言葉ことばに意味いみの合あう漢字かんじを当あてた読み方よみかたです。
  • 声こえに出だして意味いみがすぐわかるかで多おおくの字じは見分みわけられますが、「肉にく」「茶ちゃ」「駅えき」のように音読おんよみでも意味いみがすぐ分わかる字じもあります。
  • 熟語じゅくごはだいたい音おん+音おんか訓くん+訓くんで読よみますが、台所だいどころや見本みほんのような例外れいがいもあるので、辞典じてんでたしかめます。
  • 同おなじ字じでも、うしろにひらがなが続つづけば訓くん、漢字かんじと漢字かんじがならんでいれば音おんで読よむことが多おおいです。

音読おんよみと訓読くんよみって何なに

音読おんよみは、もともと中国ちゅうごくで使つかわれていた読み方よみかたが、日本にほんに伝つたわってきたものです。何百年なんびゃくねんも前まえに、海うみをこえて漢字かんじが日本にほんにやってきました。そのとき、字じと一緒いっしょに「中国ちゅうごくでこう読よむ」という音おんもついてきたのです。「サン(山やま)」や「カ(火ひ)」がその例れいです。

訓読くんよみは、日本にほんにもとからあった言葉ことばに、意味いみの合あう漢字かんじを当あてた読み方よみかたです。日本にほん人ひとは昔むかしから、もり上あがった土地とちのことを「やま」、もえる赤あかいものを「ひ」と呼よんでいました。そこへ中国ちゅうごくから「山やま」「火ひ」という字じがやってきたとき、意味いみが同おなじだから、もとの「やま」「ひ」という言い方いいかたにこの字じを当あてたのです。

同おなじ字じに二ふたつの読み方よみかたがあるのは、外そとから来きた音おんと、もともと日本にほんで使つかっていた言葉ことばが、どちらも残のこったからなのです。

音読おんよみの特徴とくちょうを例れいで見みる

音読おんよみは、聞きいただけでは意味いみがわかりにくいことが多おおいです。たとえば「サン」と一文字ひともじだけ言いわれても、「山やま」のことなのか、ほかの言葉ことばなのか、すぐにはわかりません。「サンスウ(算数さんすう)」「サンチョウ(山頂さんちょう)」「サンリン(山林さんりん)」のように、二に字じ以上いじょうになると、どの「サン」なのかが伝つたわりやすくなります。

音読おんよみは、カタカナで書かくのがふつうです。辞典じてんでもカタカナで書かかれていることが多おおいので、見分みわけるときの目めじるしになります。

漢字かんじ

音読おんよみ

音読おんよみを使つかった言葉ことば

山やま

サン

山林さんりん(サンリン)

川かわ

セン

河川かせん(カセン)

人ひと

ジン・ニン

人口じんこう(ジンコウ)

木き

ボク・モク

木材もくざい(モクザイ)

水みず

スイ

水分すいぶん(スイブン)

火ひ

カ

火山かざん(カザン)

訓読くんよみの特徴とくちょうを例れいで見みる

訓読くんよみは、聞きいただけで意味いみがすぐにわかります。「やま」と聞きけば、もり上あがった土地とちのことだとすぐにイメージできます。「かわ」「ひと」「き」も同おなじです。日本にほんにもとからあった言葉ことばなので、わたしたちの耳みみにもなじみがあるのです。

訓読くんよみは、ひらがなで書かくのがふつうです。「山やまに登のぼる」「川かわであそぶ」のように、文ぶんの中なかで自然しぜんに出でてくる読み方よみかたが訓読くんよみです。一文字ひともじだけでも意味いみが通つうじるのが大おおきな特徴とくちょうです。

漢字かんじ

訓読くんよみ

訓読くんよみを使つかった文ぶん

山やま

やま

山やまに登のぼる。

川かわ

かわ

川かわであそぶ。

人ひと

ひと

人ひとが三さん人にんいる。

木き

き

大おおきな木きがある。

水みず

みず

水みずを飲のむ。

火ひ

ひ

火ひを消けす。

「読よんでわかるか」で見分みわける

大おおきなコツは一ひとつです。その読み方よみかたを声こえに出だして言いってみて、意味いみがすぐにわかるかどうかで決きめます。

たとえば「やま」と一ひとつだけ言いわれたら、もり上あがった土地とちだとわかります。だから訓読くんよみ。一方いっぽう「サン」と一ひとつだけ言いわれても、何なんのことかすぐにはわかりません。だから音読おんよみです。「読よんで意味いみがわかれば訓読くんよみ、わからなければ音読おんよみ」と覚おぼえると、多おおくの字じは見分みわけられます。

ただし「ニク(肉にく)」「チャ(茶ちゃ)」「エキ(駅えき)」のように、音読おんよみでも意味いみがすぐ分わかる字じがあります。これらは訓読くんよみをもたない字じです。決きめられないときは辞典じてんでたしかめましょう。

  • ひらがなで書かきやすい読み方よみかた → 訓読くんよみのことが多おおい
  • カタカナで書かきやすい読み方よみかた → 音読おんよみのことが多おおい
  • 一文字ひともじで意味いみがわかる → 訓読くんよみ
  • 一文字ひともじでは意味いみがわかりにくい → 音読おんよみ

熟語じゅくごの中なかで音おんと訓くんを確たしかめる

二ふたつ以上いじょうの漢字かんじが組くみ合あわさった言葉ことばを熟語じゅくごといいます。熟語じゅくごの中なかでは、ほとんどの場合ばあい、音読おんよみ同士どうしで組くみ合あわさります。「山林さんりん(サンリン)」「水分すいぶん(スイブン)」「人口じんこう(ジンコウ)」のように、カタカナで読よむと熟語じゅくごらしい音おとになります。

逆ぎゃくに、ふだん使つかう「やまみち(山道やまみち)」「かわぞこ(川底かわぞこ)」のように、訓読くんよみ同士どうしで組くみ合あわさることもあります。これらは耳みみで聞きいてもすぐ意味いみがわかります。

熟語じゅくご

読み方よみかた

読み方よみかたの組み合くみあわせ

山林さんりん

サンリン

音おん+音おん

山道やまみち

やまみち

訓くん+訓くん

水分すいぶん

スイブン

音おん+音おん

水着みずぎ

みずぎ

訓くん+訓くん

人口じんこう

ジンコウ

音おん+音おん

人手ひとで

ひとで

訓くん+訓くん

同おなじ字じで音おんと訓くんを切きりかえる場面ばめん

同おなじ字じなのに、文ぶんの中なかで音読おんよみになったり訓読くんよみになったりすることがあります。たとえば「土ど」という字じは、「土つちをかける」のときは「つち」と訓くんで読よみ、「土地とち(トチ)」のときは「ト」、「土曜どよう(ドヨウ)」のときは「ド」と音おんで読よみます。同おなじ字じでも、まわりの字じや使い方つかいかたで読み方よみかたが切きりかわるのです。

見分みわけるときの目めじるしは「うしろにひらがなが続つづくかどうか」です。「土つちをかける」のように、漢字かんじのあとにひらがながついて文ぶんが流ながれているときは、訓読くんよみになることが多おおいです。「土地とち」「土曜どよう(ドヨウ)」のように、漢字かんじと漢字かんじがならんでいるときは、音読おんよみになることが多おおいです。

漢字かんじ

訓くんで読よむ場面ばめん

音おんで読よむ場面ばめん

土ど

土つちをほる(つち)

土地とち(トチ)

月つき

月つきが出でる(つき)

月曜げつよう(ゲツヨウ)

日ひ

日ひがのぼる(ひ)

日曜にちよう(ニチヨウ)

雨あめ

雨あめがふる(あめ)

雨天うてん(ウテン)

白しろ

雪ゆきが白しろい(しろい)

白紙はくし(ハクシ)

熟語じゅくごにひそむ「例外れいがい」も少すこしある

熟語じゅくごはだいたい「音おん+音おん」か「訓くん+訓くん」で読よまれます。けれど、一部いちぶの熟語じゅくごは「音おん+訓くん」や「訓くん+音おん」のような読み方よみかたをします。これを「重箱じゅうばこ読よみ(じゅうばこよみ)」「湯桶読ゆとうよみ(ゆとうよみ)」とよぶこともあります。むずかしい名前なまえですが、覚おぼえなくても大丈夫だいじょうぶです。

大切たいせつなのは、「読み方よみかたは一ひとつに決きまっていない字じもある」と知しっておくことです。新あたらしい熟語じゅくごに出会であったときに、読み方よみかたをすぐに決きめつけず、辞典じてんでたしかめるくせをつけましょう。

  • 台所だいどころ(ダイどころ)— 音おん+訓くん
  • 雨具あまぐ(あまグ)— 訓くん+音おん
  • 本物ほんもの(ホンもの)— 音おん+訓くん
  • 見本みほん(みホン)— 訓くん+音おん

音読おんよみ・訓読くんよみを見比みくらべる漢字かんじ10字じの表ひょう

音読おんよみと訓読くんよみのちがいをすぐに見直みなおしたいときは、表ひょうにしてならべると目めで分わかりやすくなります。下したの表ひょうは、小学校しょうがっこうでならう漢字かんじの中なかから、よく使つかう字じを10字じえらんで音読おんよみ・訓読くんよみと熟語じゅくごの例れいを書かきならべたものです。そのままノートにうつして、自分じぶんの例文れいぶんをふやしていく出発しゅっぱつ点てんに使つかえます。

漢字かんじ

音読おんよみ

訓読くんよみ

熟語じゅくごの例れい

山やま

サン

やま

山林さんりん(サンリン)

川かわ

セン

かわ

河川かせん(カセン)

火ひ

カ

ひ

火山かざん(カザン)

水みず

スイ

みず

水分すいぶん(スイブン)

木き

ボク・モク

き

木材もくざい(モクザイ)

日ひ

ニチ・ジツ

ひ

日記にっき(ニッキ)

月つき

ゲツ・ガツ

つき

月曜げつよう(ゲツヨウ)

金きん

キン

かね

金魚きんぎょ(キンギョ)

雨あめ

ウ

あめ

雨天うてん(ウテン)

田た

デン

た

水田すいでん(スイデン)

やってみよう:音おんと訓くんを書き分かきわける

ノートに、自分じぶんが今週こんしゅうならった漢字かんじを5つ書き出かきだしてみましょう。それぞれの字じに、音読おんよみと訓読くんよみの両方りょうほうを書かき、その読み方よみかたを使つかった言葉ことばを一ひとつずつ思おもいついて書かきます。書かき終おわったら、声こえに出だして読よんでみます。声こえに出だすと、「これは耳みみでわかる」「これはわかりにくい」という感かんじがつかめてきます。

次つぎの日ひには、同おなじ字じを使つかった別べつの熟語じゅくごや文ぶんをさがしてみます。「山やま」なら「山林さんりん(サンリン)」「山道やまみち(やまみち)」のように、音おんと訓くんの両方りょうほうの言葉ことばを集あつめます。同おなじ字じでも、ならべると音おんと訓くんのちがいがはっきり見みえてきます。

音読おんよみと訓読くんよみのよくある疑問ぎもん

音読おんよみと訓読くんよみは、どちらが正ただしいの。

どちらも正ただしい読み方よみかたです。場面ばめんによって使い分つかいわけます。

一ひとつの漢字かんじに音読おんよみや訓読くんよみが何なん個こもあるのはなぜ。

中国ちゅうごくから伝つたわった時期じきがちがったり、日本にほんでの使い方つかいかたがふえたりして、読よみが多おおくなることがあります。

全部ぜんぶの漢字かんじに音おんと訓くんの両方りょうほうがあるの。

両方りょうほうある字じが多おおいですが、「駅えき」「茶ちゃ」「肉にく」「校こう」のように音読おんよみだけの字じも、「峠とうげ」「畑はたけ」のように訓読くんよみだけの字じもあります。辞典じてんで調しらべてみましょう。

熟語じゅくごはぜったいに音読おんよみ同士どうしで読よむの。

ほとんどはそうですが、台所だいどころや見本みほんのような例外れいがいもあります。読み方よみかたは辞典じてんでたしかめましょう。

同おなじ字じに二ふたつの読み方よみかたがあるのは、ふしぎなことではなく、日本にほん語かたりが長ながい時間じかんをかけてつくられてきたしるしです。「読よんで意味いみがわかれば訓くん、わからなければ音おん」と覚おぼえておくと、これからならう新あたらしい漢字かんじも整理せいりしやすくなります。