漢字の音読み訓読みのちがいと見分け方

漢字の音読み訓読みのちがいと見分け方の記事を表すモノクロ漫画風イラスト

漢字の音読みと訓読みのちがいを、「読んで意味がわかるか」で見分けるコツでやさしく整理します。山・川・人・木などの身近な例で、二つの読み方の生まれた理由と使い分けを確かめられます。

目次

  1. 音読みと訓読みって何
  2. 音読みの特徴を例で見る
  3. 訓読みの特徴を例で見る
  4. 「読んでわかるか」で見分ける
  5. 熟語の中で音と訓を確かめる
  6. 同じ字で音と訓を切りかえる場面
  7. 熟語にひそむ「例外」も少しある
  8. コピペで使える音訓よみくらべ表
  9. やってみよう
  10. よくある疑問

「山」という漢字には、「サン」と「やま」という二つの読み方があります。同じ字なのに、どうして読み方が二つあるのでしょうか。ふだんの会話では「やま」とは言いますが、「サン」とはあまり言いません。けれど「山林」という言葉になると、急に「サンリン」と読みます。同じ字なのに、場面で読み方が切りかわるふしぎが、漢字にはたくさんかくれています。

この二つの読み方は、音読みと訓読みと呼ばれています。「サン」のように聞いただけでは意味がわかりにくい読み方が音読み、「やま」のように聞いただけで何のことかすぐにわかる読み方が訓読みです。この記事では、音読みと訓読みのちがいと見分け方を、身近な漢字をならべながら整理していきます。

音読みと訓読みって何

音読みは、もともと中国で使われていた読み方が、日本に伝わってきたものです。何百年も前に、海をこえて漢字が日本にやってきました。そのとき、字と一緒に「中国でこう読む」という音もついてきたのです。「サン(山)」や「カ(火)」がその例です。

訓読みは、日本にもとからあった言葉に、意味の合う漢字を当てた読み方です。日本人は昔から、もり上がった土地のことを「やま」、もえる赤いものを「ひ」と呼んでいました。そこへ中国から「山」「火」という字がやってきたとき、意味が同じだから、もとの「やま」「ひ」という言い方にこの字を当てたのです。

同じ字に二つの読み方があるのは、外から来た音と、もともと日本で使っていた言葉が、どちらも残ったからなのです。

音読みの特徴を例で見る

音読みは、聞いただけでは意味がわかりにくいことが多いです。たとえば「サン」と一文字だけ言われても、「山」のことなのか、ほかの言葉なのか、すぐにはわかりません。「サンスウ」「サンチョウ」「サンリン」のように、二字以上で使われると意味が伝わりやすくなります。

音読みは、カタカナで書くのがふつうです。辞典でもカタカナで書かれていることが多いので、見分けるときの目じるしになります。

漢字

音読み

音読みを使った言葉

サン

山林(サンリン)

セン

河川(カセン)

ジン・ニン

人口(ジンコウ)

ボク・モク

木材(モクザイ)

スイ

水分(スイブン)

火山(カザン)

訓読みの特徴を例で見る

訓読みは、聞いただけで意味がすぐにわかります。「やま」と聞けば、もり上がった土地のことだとすぐにイメージできます。「かわ」「ひと」「き」も同じです。日本にもとからあった言葉なので、わたしたちの耳にもなじみがあるのです。

訓読みは、ひらがなで書くのがふつうです。「山に登る」「川であそぶ」のように、文の中で自然に出てくる読み方が訓読みです。一文字だけでも意味が通じるのが大きな特徴です。

漢字

訓読み

訓読みを使った文

やま

山に登る。

かわ

川であそぶ。

ひと

人が三人いる。

大きな木がある。

みず

水を飲む。

火を消す。

「読んでわかるか」で見分ける

はるかさんはお兄さんに、見分けるコツを教えてもらいました。「その読み方を一つだけ言ってみて、意味がすぐにわかるかどうかで決められるよ」というのです。

たとえば「やま」と一つだけ言われたら、もり上がった土地だとわかります。だから訓読み。一方「サン」と一つだけ言われても、何のことかすぐにはわかりません。だから音読みです。「読んで意味がわかれば訓読み、わからなければ音読み」と覚えるとシンプルです。

  • ひらがなで書きやすい読み方 → 訓読みのことが多い
  • カタカナで書きやすい読み方 → 音読みのことが多い
  • 一文字で意味がわかる → 訓読み
  • 一文字では意味がわかりにくい → 音読み

熟語の中で音と訓を確かめる

二つ以上の漢字が組み合わさった言葉を熟語といいます。熟語の中では、ほとんどの場合、音読み同士で組み合わさります。「山林(サンリン)」「水分(スイブン)」「人口(ジンコウ)」のように、カタカナで読むと熟語らしい音になります。

逆に、ふだん使う「やまみち(山道)」「かわぞこ(川底)」のように、訓読み同士で組み合わさることもあります。これらは耳で聞いてもすぐ意味がわかります。

熟語

読み方

読み方の組み合わせ

山林

サンリン

音+音

山道

やまみち

訓+訓

水分

スイブン

音+音

水着

みずぎ

訓+訓

人口

ジンコウ

音+音

人手

ひとで

訓+訓

同じ字で音と訓を切りかえる場面

はるかさんは、同じ字なのに、文の中で音読みになったり訓読みになったりすることに気づきました。たとえば「土」という字は、「土をかける」のときは「つち」と訓で読み、「土地(トチ)」のときは「ド」と音で読みます。同じ字でも、まわりの字や使い方で読み方が切りかわるのです。

見分けるときの目じるしは「うしろにひらがなが続くかどうか」です。「土をかける」のように、漢字のあとにひらがながついて文が流れているときは、訓読みになることが多いです。「土地」「土曜(ドヨウ)」のように、漢字と漢字がならんでいるときは、音読みになることが多いです。

漢字

訓で読む場面

音で読む場面

土をほる(つち)

土地(トチ)

月が出る(つき)

月曜(ゲツヨウ)

日がのぼる(ひ)

日曜(ニチヨウ)

雨がふる(あめ)

雨天(ウテン)

雪が白い(しろい)

白紙(ハクシ)

熟語にひそむ「例外」も少しある

熟語はだいたい「音+音」か「訓+訓」で読まれます。けれど、一部の熟語は「音+訓」や「訓+音」のような読み方をします。これを「重箱読み(じゅうばこよみ)」「湯桶読み(ゆとうよみ)」とよぶこともあります。むずかしい名前ですが、覚えなくても大丈夫です。

大切なのは、「読み方は一つに決まっていない字もある」と知っておくことです。新しい熟語に出会ったときに、読み方をすぐに決めつけず、辞典でたしかめるくせをつけましょう。

  • 台所(ダイどころ)— 音+訓
  • 雨具(あまグ)— 訓+音
  • 本物(ホンもの)— 音+訓
  • 見本(みホン)— 訓+音

コピペで使える音訓よみくらべ表

音読みと訓読みのちがいをすぐに見直したいときは、表にしてならべると目で分かりやすくなります。下の表は、小学校でならう漢字の中から、よく使う字を10字えらんで音読み・訓読みと熟語の例を書きならべたものです。そのままノートにうつして、自分の例文をふやしていく出発点に使えます。

漢字

音読み

訓読み

熟語の例

サン

やま

山林(サンリン)

セン

かわ

河川(カセン)

火山(カザン)

スイ

みず

水分(スイブン)

ボク・モク

木材(モクザイ)

ニチ・ジツ

日記(ニッキ)

ゲツ・ガツ

つき

月曜(ゲツヨウ)

キン

かね

金魚(キンギョ)

あめ

雨天(ウテン)

デン

水田(スイデン)

やってみよう

ノートに、自分が今週ならった漢字を5つ書き出してみましょう。それぞれの字に、音読みと訓読みの両方を書き、その読み方を使った言葉を一つずつ思いついて書きます。書き終わったら、声に出して読んでみます。声に出すと、「これは耳でわかる」「これはわかりにくい」という感じがつかめてきます。

次の日には、同じ字を使った別の熟語や文をさがしてみます。「山」なら「山林(サンリン)」「山道(やまみち)」のように、音と訓の両方の言葉を集めます。同じ字でも、ならべると音と訓のちがいがはっきり見えてきます。

よくある疑問

Q. 音読みと訓読みは、どちらが正しいの。 A. どちらも正しい読み方です。場面によって使い分けます。Q. 一つの漢字に音読みや訓読みが何個もあるのはなぜ。 A. 中国から伝わった時期がちがったり、日本での使い方がふえたりして、読みが多くなることがあります。Q. 全部の漢字に音と訓の両方があるの。 A. ほとんどの漢字にはありますが、片方しかない字もあります。辞典で調べてみましょう。Q. 熟語はぜったいに音読み同士で読むの。 A. ほとんどはそうですが、台所や見本のような例外もあります。読み方は辞典でたしかめましょう。

同じ字に二つの読み方があるのは、ふしぎなことではなく、日本語が長い時間をかけてつくられてきたしるしです。「読んで意味がわかれば訓、わからなければ音」と覚えておくと、これからならう新しい漢字も整理しやすくなります。