俳句の作り方と五七五で季語を入れる練習のコツ

俳句の作り方と五七五で季語を入れる練習のコツの記事を表すモノクロ漫画風イラスト

小学生のための俳句の作り方を、五・七・五と季語の基本ルールでやさしく整理します。身近な場面から題ざいを見つける方法、言葉の入れかえで一句を磨いていく手順をれいで確かめられます。

目次

10項目
  1. 結論:身近な場面と季語を一つ決め、五・七・五に当てはめて読み比べる
  2. 俳句は五・七・五の十七音
  3. 季語は季節を表す言葉
  4. 音の数え方と小さい「っ」「ゃ」の数え方
  5. 身近な場面から題材を選ぶ
  6. 言葉を入れかえて読み比べる
  7. 俳句を作る手順
  8. 季語とリズムを味わう名句
  9. やってみよう(三つのステップで一句作る)
  10. 俳句づくりのよくある疑問

俳句はいくを作つくろうとして、原げんこう用紙ようしの前まえで手てが止とまってしまうことはありませんか。「五ご・七しち・五ごの十七音じゅうしちおんで、季語きご(きご)を一ひとつ入いれる」というルールは知しっていても、いざ書かこうとすると、海うみも山やまも花火はなびも思おもいうかんで、どうやって十七音じゅうしちおんにまとめればよいか分わからなくなってしまいます。

たった十七音じゅうしちおんしかないのに、その短みじかさがかえってむずかしさにつながってしまうのが、俳句はいく作づくりの最初さいしょのかべです。

俳句はいく作づくりのヒントは、むかしの人ひとが作つくった句くの中なかにあります。江戸えど時代じだいの松尾まつお芭蕉ばしょう(まつおばしょう)の「古池ふるいけや 蛙かわず(かわず)飛とびこむ 水みずのおと」は、たった十七音じゅうしちおんで、しずかな池いけの場面ばめんが目めの前まえにうかぶ作品さくひんです。短みじかいくぎりの中なかに景色けしきをぎゅっとつめこむのが俳句はいくのおもしろさです。

結論けつろん:身近みぢかな場面ばめんと季語きごを一ひとつ決きめ、五ご・七しち・五ごに当あてはめて読み比よみくらべる

  • 俳句はいくは五ご・七しち・五ごの十七音じゅうしちおんで作つくる短みじかい詩しで、文字もじの数かずではなく音おとの数かずで数かぞえるのが基本きほんです。
  • 季語きごはその俳句はいくの季節きせつを表あらわす言葉ことばで、ふつうは一句いっくに一ひとつ入いれます。まよったときは、国語こくごのじてんや俳句はいくの本ほんで確たしかめます。
  • 小ちいさい「っ」やのばす音おん「ー」は一音いちおん、小ちいさい「ゃ」「ゅ」「ょ」は前まえの文字もじとあわせて一音いちおんと数かぞえます。
  • 最初さいしょに思おもいついた言葉ことばがいちばんよいとはかぎらないので、言葉ことばを入いれかえて声こえに出だして読み比よみくらべます。

俳句はいくは五ご・七しち・五ごの十七音じゅうしちおん

俳句はいくは、日本にほんに古ふるくからあるみじかい詩しのひとつです。五いつつの音おと、七ななつの音おと、五いつつの音おとの三みっつの部分ぶぶんで作つくられていて、ぜんぶで十七音じゅうしちおんになります。たった十七音じゅうしちおんしかないけれど、その中なかにきせつの感かんじや、見みたもの、心こころが動うごいた場面ばめんをぎゅっとつめこむのが俳句はいくのおもしろさです。

五ご・七しち・五ごの音おとは、文字もじの数かずではなく「音おとの数かず」で数かぞえます。たとえば「ふるいけや」は、ふ・る・い・け・やで五音ごおんです。「かわずとびこむ」は、か・わ・ず・と・び・こ・むで七音しちおん。「みずのおと」は、み・ず・の・お・とで五音ごおん。あわせて十七音じゅうしちおんになります。一文字ひともじ一音いちおんで数かぞえると、ほとんどの場合ばあいはうまくいきます。

俳句はいくの三みっつの部分ぶぶん

音おとの数かず

例れい

上の句かみのく(かみのく)

五音ごおん

ふるいけや

中なかの句く(なかのく)

七音しちおん

かわずとびこむ

下の句しものく(しものく)

五音ごおん

みずのおと

季語きごは季節きせつを表あらわす言葉ことば

俳句はいくのもう一ひとつの大おおきなルールは、「季語きご」を一ひとつ入いれることです。季語きごとは、その俳句はいくがどの季節きせつのことを書かいているかを表あらわす言葉ことばです。たとえば「桜さくら」と書かけば春はる、「せみ」と書かけば夏なつ、「もみじ」と書かけば秋あき、「雪ゆき」と書かけば冬ふゆを表あらわします。季語きごが入はいると、十七音じゅうしちおんの中なかにきせつの空気くうき感かんが一気いっきに広ひろがります。

季語きごは、自然しぜんの中なかにたくさんあります。まず季節きせつごとの代表だいひょう的てきな季語きごをいくつか見みわたして、その中なかから自分じぶんの作つくりたい俳句はいくに合あいそうな言葉ことばをえらびます。「すいか」や「花火はなび」は夏なつの言葉ことばに思おもえますが、季語きごを集あつめた本ほん(歳時記さいじき)の中なかには、秋あきの季語きごとしてあつかうものもあります。

季節きせつ

代表だいひょう的てきな季語きご

春はる

さくら、つばめ、菜の花なのはな、ひな祭まつり、春風はるかぜ、つばき

夏なつ

せみ、夕立ゆうだち、ひまわり、ほたる、かき氷ごおり

秋あき

もみじ、月つき、すずむし、いね、コスモス

冬ふゆ

雪ゆき、こたつ、みかん、こがらし、つらら、白しろい息いき

たとえば、夏休なつやすみに海うみでひろった貝かいがらのことを書かきたいとき、季語きごは「貝かいがら」ではなく「夏なつの海うみ」にします。「貝かいがら」は季語きごにふくまれず、「海うみ」もそれだけでは季節きせつが決きまらないので、「夏なつ」をそえるのです。季語きごにまよったときは、国語こくごのじてんや俳句はいくの本ほんで確たしかめると安心あんしんです。

音おとの数かぞえ方かたと小ちいさい「っ」「ゃ」の数かぞえ方かた

音おとを数かぞえるとき、小学生しょうがくせいがよくつまずくのが、小ちいさい「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」と「ー」(のばす音おん)の数かぞえ方かたです。これらにはルールがあって、覚おぼえておくと音おとの数かぞえ方かたで迷まよいにくくなります。

  • ふつうのひらがな:一文字ひともじで一音いちおん(例れい:「うみ」は、う・みで二音におん)
  • 小ちいさい「っ」:一音いちおんと数かぞえる(例れい:「らっぱ」は、ら・っ・ぱで三音さんおん)
  • 小ちいさい「ゃ」「ゅ」「ょ」:前まえの文字もじとあわせて一音いちおん(例れい:「きょうしつ」は、きょ・う・し・つで四音よんおん)
  • のばす音おん「ー」:一音いちおんと数かぞえる(例れい:「ラーメン」は、ラ・ー・メ・ンで四音よんおん)
  • 「ん」:一音いちおんと数かぞえる(例れい:「みかん」は、み・か・んで三音さんおん)

たとえば、夏なつの季語きご「きゅうり」を使つかって「きゅうり食たべた 空そらのおひさま 白しろい雲くも」という句くを作つくったとします。これを数かぞえてみると、上の句かみのく「きゅうりたべた」は、きゅ・う・り・た・べ・たで六音ろくおんです。

小ちいさい「ゅ」は前まえの「き」とあわせて一音いちおんなので、「き・ゅ」と二ふたつに分わけて数かぞえないように気きをつけます。五音ごおんより一音いちおん多おおいので、六音ろくおんのまま「字じあまり」とするか、「きゅうりもぐ」(きゅ・う・り・も・ぐで五音ごおん)のように別べつの言葉ことばに入いれかえるかを考かんがえます。

身近みぢかな場面ばめんから題材だいざいを選えらぶ

俳句はいくの題だいざいは、とおくのきれいな場所ばしょや、めずらしい出来事できごとでなくてかまいません。むしろ、身近みぢかな日にちじょうの中なかの小ちいさな場面ばめんのほうが、自分じぶんの言葉ことばでいきいきと書かけます。むかしの俳人はいじんたちも、家いえのまわりの池いけ、つくえの上うえのすずり、台所だいどころのにおいなど、ふだんの場面ばめんを俳句はいくにしてきました。

  • 朝あさの場面ばめん:登校とうこうとちゅうで見みた景色けしき、家族かぞくとの会話かいわ、お弁当べんとうのにおい
  • 学校がっこうの場面ばめん:そうじ時間じかん、休やすみ時間じかん、給食きゅうしょく、運動うんどう場じょうの風かぜ
  • 夕方ゆうがたの場面ばめん:夕ゆうやけ、せみの声こえ、夕食ゆうしょくのしたく、お風ふろの時間じかん
  • 休日きゅうじつの場面ばめん:家かぞくとの外出がいしゅつ、ペットとのおもいで、買い物かいもののとちゅう

夏休なつやすみに海うみでひろった貝かいがらを、机つくえのひきだしにしまっている。ひきだしを開あけると、海うみのにおいがほんの少すこし残のこっているような気きがする。そんな場面ばめんを俳句はいくにすると、「ひきだしに 夏なつの海うみあり 貝かいのおと」のようになります。声こえに出だして読よんでみると、場面ばめんがうかぶかどうかを自分じぶんで確たしかめられます。

言葉ことばを入いれかえて読み比よみくらべる

俳句はいく作づくりでいちばん楽たのしいのが、言葉ことばを入いれかえて読み比よみくらべる時間じかんです。同おなじ場面ばめんでも、えらぶ言葉ことばによって、心こころにひびく感かんじがぜんぜんちがってきます。

最初さいしょに思おもいついた言葉ことばが、いつもいちばんよいとはかぎりません。何なん回かいもちがう言葉ことばで書かいてみて、声こえに出だして読み比よみくらべてみると、自分じぶんのいちばん気に入きにいる一句いっくがしだいに見みえてきます。

もとの句く

入いれかえた句く

感かんじのちがい

ひきだしに 夏なつの海うみあり 貝かいのおと

ひきだしに 夏なつの音おとあり 貝かいの白しろ

音おとから色いろへ、感かんじがしずかになる

ひきだしに 夏なつの海うみあり 貝かいのおと

ひきだしに 海うみのおと聞きく 夏なつの朝あさ

場面ばめんの時間じかんがはっきりする

ひきだしに 夏なつの海うみあり 貝かいのおと

机つくえの上うえ 夏なつの海うみあり 貝かいのおと

場所ばしょがかわると景色けしきもかわる(上の句かみのく「机つくえの上うえ」は、つ・く・え・の・う・え で六音ろくおんの字じあまり)

作つくった三みっつの句くをならべて、声こえに出だして読よんでみましょう。家いえの人ひとにも読よんでもらい、どの句くがいちばん場面ばめんをうかべやすいかを聞きいてみます。何なん度ども読み比よみくらべると、「ここをかえると、もっと自分じぶんの気持きもちに近ちかくなる」というところを、自分じぶんで確たしかめられます。

俳句はいくを作つくる手順てじゅん

一句いっく目めをどこから書かき始はじめればよいか分わからないときは、季語きごと場面ばめんの組み合くみあわせを先さきに決きめてしまうのが近道ちかみちです。下したの手順てじゅんに沿そってうめていけば、五ご・七しち・五ごの形かたちがしぜんに整ととのいます。

  1. 手順てじゅん1 季語きごを一ひとつえらぶ:春はるなら「さくら」、夏なつなら「せみ」のように、季節きせつを表あらわす言葉ことばを一ひとつ決きめる
  2. 手順てじゅん2 場面ばめんを一ひとつえらぶ:その季語きごに合あう身近みぢかな場面ばめん(家いえの中なか、通学つうがく路ろ、教室きょうしつ、公園こうえんなど)を一ひとつにしぼる
  3. 手順てじゅん3 上の句かみのく(五音ごおん)を決きめる:場所ばしょや時間じかんを表あらわす言葉ことばから始はじめると、五音ごおんにまとめやすい
  4. 手順てじゅん4 中なかの句く(七音しちおん)を作つくる:見みたもの・聞きいたもの・した動作どうさを、七音しちおんに当あてはめる
  5. 手順てじゅん5 下の句しものく(五音ごおん)で結むすぶ:季語きごや、いちばん心こころが動うごいたものを、五音ごおんで言いいきる
  6. 手順てじゅん6 声こえに出だして読み比よみくらべる:いくつかの形かたちを作つくって、家族かぞくや友ともだちに読よんでもらう

季語きごとリズムを味あじわう名句めいく

自分じぶんで作つくる前まえに、よく知しられている江戸えど時代じだいの句くを声こえに出だして読よむと、十七音じゅうしちおんのリズムが体からだにしみこんでいきます。下したの四よん句くは、作つくった人ひとと季語きごをそえて紹介しょうかいします。これは味あじわうための句くなので、自分じぶんの俳句はいくとしては使つかえません。どの言葉ことばで場面ばめんが見みえるのかをたしかめる手本てほんとして読よんでみてください。

作つくった人ひと

句く

季語きごと季節きせつ

松尾まつお芭蕉ばしょう

「古池ふるいけや 蛙かわず飛とびこむ 水みずのおと」

季語きご:蛙かえる、春はる

松尾まつお芭蕉ばしょう

「閑(しずか)さや 岩いわにしみ入いる 蝉せみ(せみ)の声こえ」

季語きご:蝉せみ、夏なつ

与謝よさ蕪村ぶそん

「菜の花なのはなや 月つきは東ひがしに 日ひは西にしに」

季語きご:菜の花なのはな、春はる

小林こばやし一茶いっさ

「やせ蛙がえる まけるな一茶いっさ これにあり」

季語きご:蛙かえる、春はる

やってみよう(三みっつのステップで一句いっく作つくる)

  1. ステップ1:身近みぢかな場面ばめんの中なかから、心こころが一いっしゅん動うごいた場ばめんを一ひとつえらぶ
  2. ステップ2:その場ばめんに合あう季語きごを、季節きせつごとの表ひょうから一ひとつえらぶ
  3. ステップ3:見みたもの・聞きいたもの・感かんじたものを、五ご・七しち・五ごに当あてはめてみる
  4. ステップ4:できた句くを声こえに出だして読よみ、言葉ことばをいくつかちがうものに入いれかえて読み比よみくらべる
  5. ステップ5:自分じぶんがいちばん気に入きにいった形かたちを、ノートに清書せいしょする

俳句はいくはむずかしそうに見みえますが、ルールは「五ご・七しち・五ご」と「季語きごを一ひとつ入いれる」の二ふたつだけです。最初さいしょはうまくいかなくても、何なん度ども作つくってみることが、五ご・七しち・五ごのリズムにふれる練習れんしゅうになります。

学校がっこうで習ならった松尾まつお芭蕉ばしょうや与謝よさ蕪村ぶそん(よさぶそん)、小林こばやし一茶いっさ(こばやしいっさ)のような江戸えど時代じだいの俳人はいじんたちの句くを、声こえに出だして何なん度どか読よんでみるのも、よいれんしゅうになります。読よんだあとで、「自分じぶんならどんな景色けしきを俳句はいくにするだろう」と考かんがえてみると、新あたらしいアイデアが生うまれてきます。

俳句はいくづくりのよくある疑問ぎもん

五ご・七しち・五ごから音おとがずれたらダメですか。

一音いちおんくらいなら「字じあまり」「字じたらず」とよばれて、俳句はいくとして通つうじます。ただし、できるだけ十七音じゅうしちおんにそろえるほうがリズムがよくなります。

季語きごが入はいらない俳句はいくはダメですか。

季語きごが入はいらないものは「無季むき俳句はいく」とよばれて、こちらも俳句はいくのなかまです。ただし、学校がっこうの宿題しゅくだいでは季語きごを入いれるように言いわれることが多おおいので、ふつうは入いれて作つくります。

季語きごが二ふたつ入はいってもいいですか。

ふつうは一句いっくに一ひとつだけ入いれます。季語きごが二ふたつだと、どの季節きせつの俳句はいくなのかがぼやけてしまいます。

上の句かみのく、中なかの句く、下の句しものくのじゅん番ばんは決きまっていますか。

五ご・七しち・五ごのじゅんが基本きほんです。ただし「字じあまり」「字じたらず」のように、少すこしくずす形かたちもあります。学校がっこうでは基本きほんのじゅんで作つくりましょう。