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原稿用紙の使い方と読みやすい書き方のコツ

原稿用紙の使い方を、題名・名前・本文の書き出しのルールでやさしく整理します。句読点やかぎかっこのマスの使い方、行頭の決まりまで、はじめての作文で迷いやすいところを確かめられます。
目次
まっさらな原稿用紙を前にして、えん筆を持ったところで手が止まる。「題名はどこに書くんだっけ。名前はどの行だっけ。」マスをじっと見つめても、答えがすぐには出てこない。読書感想文や作文の宿題で、そんなふうにとまどった経験はありませんか。原稿用紙の書き方には、いくつかのきまった場所があり、そのルールは、一度おぼえれば学年が変わってもずっと使えます。
原稿用紙のルールは、それほど多くありません。題名・名前の置き場所、段落のはじめのあけ方、句読点とかぎかっこの入れ方。この三つを中心に整えれば、見ためがきちんと整った作文になります。さらに、字の大きさや漢字とひらがなのバランスといった小さなくふうを加えると、読み手にとって、ずっと読みやすい作文になります。この記事では、原稿用紙の基本ルールから、読みやすく見せるコツまでを順に見ていきます。
原稿用紙の各場所の名前
原稿用紙には、ふつう四百字つめのものと二百字つめのものがあります。学校でよく使うのは、四百字つめが多いです。たてに二十マス、横に二十行ならんでいて、合わせて四百マスになります。一マスにひらがな・カタカナ・漢字を一文字ずつ書くのが基本のルールです。マスの数を数えながら書くと、いまどのくらい書いたかが、はっきりとわかります。
原稿用紙は、ふつうたて書きで使います。たて書きでは、いちばん右の行から書きはじめ、上から下にむかって書きすすめます。一行を書きおわったら、ひとつ左の行にうつります。一まいぜんぶ書きおわるころには、いちばん左の行までたどり着いているはずです。書きはじめの方向と書きすすめる方向。この二つを最初におぼえておくと、書きながらまよわずにすみます。
原稿用紙の基本
ばしょ | はたらき |
|---|---|
いちばん右の行 | 書きはじめの行 |
上のマス | 行の最初の文字 |
下のマス | 行の最後の文字 |
いちばん左の行 | 書きおわりに近づく行 |
題名と名前の書き方
題名は、原稿用紙のいちばん右の行に書きます。題名は、行の上から二マスか三マスほどあけてから書きはじめるのが、よく見るルールです。三マスあけにするか二マスあけにするかは、学校や先生のしじにあわせましょう。長い題名で二マス目までだとはみ出てしまうときには、もう少しあけて、題名がきれいにおさまるようにくふうします。
名前は、題名の次の行に書きます。名前は、行の下のほうにそろえて書くのがふつうです。下から一マスか二マスあけて、自分の名前のいちばん下の字がそろうように書くと、見ためがきれいになります。みょう字と名前のあいだは、一マスあけることが多いです。学校によっては、名前の前に「組」「番」を書くこともあるので、先生のしじにあわせて書きましょう。
題名と名前の置き場所
書くもの | 書く場所 | 見ためのコツ |
|---|---|---|
題名 | 一行目の上から2〜3マスあけて | 長さに合わせてあけ方をくふう |
名前 | 二行目の下のほうにそろえて | みょう字と名前のあいだは1マスあけ |
段落のはじめのあけ方
本文は、名前の次の行から書きはじめます。本文の最初の行と、新しい段落のはじめの行は、いちばん上のマスを一つあけて、二マス目から書きはじめます。これを「一マス下げる」「字下げ」とよびます。段落のはじまりを一マスあけることで、「ここから新しいまとまりですよ」というあいずになります。読む人が、文章の切れ目を見つけやすくなります。
段落は、話題が変わるところで分けます。同じ話題のあいだは、行をつめて書きつづけます。書いている話題が変わったときに、行を変えて、新しい段落をはじめます。新しい段落のはじめは、わすれずに一マスあけることが大切です。れんくんは、お母さんといっしょに、これまで書いた作文をもう一度見てみました。段落のはじめが一マスあいているところと、あいていないところがあり、ちょっとどきりとしました。
句読点とかぎかっこの置き方
句読点(「、」と「。」)は、文字といっしょに一マス使います。ふつうは、文字のすぐ右下のすみに小さく書きます。たて書きの場合、マスの右上のところに書きます。書く場所がちがうと、ぶさいくに見えてしまうので、よく見て書きましょう。慣れないうちは、ゆっくりていねいに書いて、形をたしかめながら書くのがおすすめです。
句読点のうち方には、もうひとつ大切なルールがあります。句読点は、行のいちばん上のマスにきてはいけません。新しい行のはじめに「、」や「。」だけがぽつんとあるのは、見ためが悪く、読みづらくなります。文字といっしょになるように、行のおわりのマスにいっしょに入れる、または、ひとつ前の文字のところで調節するのがよいです。これを「ぶら下げ」とよぶこともあります。
かぎかっこ(「」)も、原稿用紙では一マス使います。「(はじめのかぎ)」と「」(とじのかぎ)も、それぞれ一マスずつです。会話文を書くときは、行を変えて、上のマスから「を書きはじめることが多いです。会話のおわりの」と「。」は、一つのマスにいっしょに入れます。「。」だけが行の上にこないように、句読点と同じように気をつけましょう。
記号の置き方の早見表
記号 | 使うマス | 気をつける点 |
|---|---|---|
、 | 1マス(右上) | 行のいちばん上にこないようにする |
。 | 1マス(右上) | 行のいちばん上にこないようにする |
「 | 1マス | 会話文は行を変えて書きはじめる |
」 | 1マス | 「。」と同じマスにまとめて入れる |
読みやすく見せる小さな工夫
原稿用紙のルールが分かったら、つぎは「読みやすく見せる」ための小さなくふうにも気をつけてみてください。たとえば、字の大きさをそろえること。一マスの中で字が大きすぎても小さすぎても、ぱっと見たときに読みづらくなります。マスの中心に、ちょうどよい大きさで書く。ていねいに書くだけで、作文の見ためはぐっとよくなります。
もうひとつ、漢字のところでとくに気をつけたいことがあります。漢字は、ひらがなより少し大きく書くと、読みやすく見えます。同じマスのなかでも、ひらがなはマスのまん中、漢字はマスいっぱいに、というふうに、少し大きさを変えるだけで、文章のメリハリが出ます。書きおわったら、原稿用紙を少しはなれたところからながめてみてください。字のそろい方が、見ためを大きく決めます。
読みやすくするためのチェック
- 一マスに一文字を、まん中によせて書く
- 漢字はひらがなより少し大きめにそろえる
- 段落のはじめは、必ず一マスあける
- 句読点とかぎかっこは、行のいちばん上にこないようにする
- 書きおわったら、少しはなれてながめてみる
数字や英字のあつかい
たて書きの原稿用紙では、数字はふつう漢数字を使います。「3年生」ではなく「三年生」、「2025年」ではなく「二〇二五年」と書きます。一マスに一文字ずつ書くので、「二〇二五年」は五マスを使います。横書きの原稿用紙のときには、算用数字(1, 2, 3 など)を使うこともあります。学校でどちらを使うかは、先生にたしかめてみると安心です。
英字や記号も、原則として一マスに一文字を使います。ただし、英字のときには、二文字を一マスに入れるルールにしている学校もあります。原稿用紙の使い方は、地いきや学校によって少しちがう部分がありますから、まよったときは先生に聞いてみるのがいちばん早いです。基本のルールをおぼえておけば、地いきによる細かい差にも、自分で気づけるようになります。
コピペで使える原稿用紙 書き出し見本
原稿用紙の書き出しは、最初の三行で大体のかたちが決まります。下に、感想文・作文・手紙の三パターンの書き出しを見本としてまとめました。題名のあけ方、名前の置き場所、本文のはじまりの一マスあけを、見本のとおりにためしてみてください。書き出しさえ整えば、あとは中身を書きすすめるだけです。
読書感想文の書き出し見本
一行目
「○○を読んで」(上から二マスあけて書く)二行目
名前を下のほうにそろえて書く(みょう字と名前のあいだは一マスあけ)三行目
一マスあけて「ぼくは、夏休みにこの本を読みました。」と書きはじめる
運動会の作文の書き出し見本
一行目
「運動会の思い出」(上から三マスあけて書く)二行目
名前を下のほうにそろえて書く三行目
一マスあけて「秋晴れの空の下、運動会がはじまりました。」と書きはじめる
家族への手紙の書き出し見本
一行目
「おばあちゃんへ」(上から二マスあけて書く)二行目
名前を下のほうにそろえて書く三行目
一マスあけて「お元気ですか。こちらはみんな元気です。」と書きはじめる
日記風の書き出し見本
一行目
「秋の一日」(上から三マスあけて書く)二行目
名前を下のほうにそろえて書く三行目
一マスあけて「今日は朝から、空が高く青く見えました。」と書きはじめる
どの見本も、題名・名前・本文の三行で書き出しのかたちが整います。本文の最初の一マスあけをわすれないことが、いちばん大切なポイントです。書きはじめの一文は、なるべく短くまとめると、その先がつづけやすくなります。長く書こうとせず、まず一文を書ききるところから始めてみてください。
やってみよう・自分の名前で練習する
「やってみよう」として、まずは原稿用紙のいちばん右の行に、お気に入りの本の題名と、自分の名前だけを書く練習をしてみてください。何回かやってみると、二マスあけと三マスあけの見ためのちがいや、名前のそろえ方が、手にしみこんでいきます。次に、その本のあらすじを五行くらいで書いてみます。段落のはじめを一マスあけることをわすれずに。練習の数が、書く速さを変えていきます。
もう一つの練習として、自分が書いた作文を、家族にチェックしてもらう方法があります。原稿用紙のルールに合っているところと、もうすこし直したいところに、家族にしるしを入れてもらいます。自分では気づかなかった小さな間ちがいが、人の目だとぱっと見つかることがあります。直すたびに、原稿用紙の使い方が体になじんでいきます。
よくある疑問
題名は何マスあけるのが正しいのか。
学校や先生のしじによって少しちがいます。多くの場合、二マスから三マスあけます。長い題名のときは、もう少しあけてバランスをとります。
段落の終わりがマスの真ん中で終わったときはどうするか。
のこりのマスはあけたままにして、次の段落のはじめは、新しい行から一マスあけて書きはじめます。
まちがえてしまった字はどう直せばよいか。
けしゴムでていねいに消して、もう一度書きなおします。消したあとがきたなくならないように、ゆっくり消すのがコツです。
一マス一マスの積み重ねが、伝わる作文を作る
れんくんは、お母さんと一しょに、読書感想文の一行目から書きはじめました。題名は二マスあけて、名前は次の行の下のほうに。本文は、名前の次の行から、一マスあけて書きはじめます。最初の段落を書きおえたとき、れんくんは原稿用紙ぜんたいを少しはなれてながめました。きちんと整った文字のならびを見て、書きはじめる前のもやもやがすっと消えていきました。
原稿用紙のルールは、一度おぼえてしまえば、ずっと使える宝物のような知しきです。書く回数が増えるほど、ルールは手と目になじんでいきます。文の組み立てや句読点の打ち方をもっと整えたいときは、句読点の打ち方 や 主語と述語の見つけ方 も読んでみてください。一マス一マスのていねいな積み重ねが、いつかかならず、人の心にとどく作文を作ってくれます。
