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主語と述語と修飾語の見つけ方と文を短く書くコツ

文の中の主語と述語をはっきりさせるコツを、作文でよくあるつまずきの例でやさしく整理します。「だれが」「どうする」を一文ずつ確かめる手順で、伝わる文の組み立て方をたしかめられます。
目次
書いた作文に、「ここ、何が言いたいの?」と先生から赤ペンが入る。読み返してみると、自分でも何を伝えたかったのかがすぐには分からない。そんなときの多くは、文の中で「だれが」「どうする」のところがはっきりしていないことが原いんです。日本語の文には、文の中心になる「主語」と「述語」というはたらきがあります。この二つがそろっていて、近くにあるだけで、文はぐっと読みやすくなります。
主語と述語というと、むずかしそうに聞こえるかもしれません。けれども、見つけ方はとてもかんたんで、目じるしになる小さな言葉があるだけです。それに、主語と述語のあいだに入る「修飾語」とのバランスを考えるだけで、長くなりすぎた文も、するすると読める文に変わります。この記事では、主語の見つけ方、述語の見つけ方、修飾語の役わり、主語と述語を近づけて文を短くするコツを、一つずつ整理します。
主語は「だれが・何が」を表す言葉
主語というのは、文の中で「だれが」「何が」にあたる言葉のことです。「ねこがねむる」という文では、「ねこ」が主語です。「ぼくは本を読む」では、「ぼく」が主語にあたります。文の中で動きや気もちを起こしている人やもの。それが主語の正体です。日本語では、「は」や「が」のような小さな言葉が主語の後ろにつくことが多いので、これを目じるしにすると見つけやすくなります。
ただし、日本語の文では、主語が書かれていないこともあります。「学校へ行きます」という文には、はっきりとした主語がありません。けれども、話している場面から「わたしが」だとわかるので、自然に通じます。話す言葉ではこれでよくても、作文を書くときは、はじめて読む人にもわかるように、できるだけ主語を入れて書くと親切です。とくに、人がたくさん出てくる文では、主語をはっきり書きましょう。
述語は「どうする・どんなだ」を表す言葉
述語は、文の中で「どうする」「どんなだ」にあたる言葉です。「ねこがねむる」では「ねむる」が述語です。「空が青い」では「青い」、「あれは犬だ」では「犬だ」が述語にあたります。動き・ようす・何であるかのうち、どれかを表しています。主語が「だれ・何」、述語が「どうした・どんな」と、ペアでおぼえると分かりやすくなります。
日本語の文では、述語はふつう文のいちばん終わりに来ます。「わたしは、きのう公園で友だちと遊んだ」という文では、いちばんうしろの「遊んだ」が述語です。長い文ほど、述語が遠くなりがちです。文の終わりまでていねいに読み、最後の言葉が「どうした」「どんなだ」「何だ」のどれにあたるかを考えると、述語をきちんとつかむことができます。
主語と述語のペアの例
文 | 主語 | 述語 |
|---|---|---|
ねこがねむる。 | ねこが | ねむる |
空が青い。 | 空が | 青い |
ぼくは小学生だ。 | ぼくは | 小学生だ |
赤組のおうえんが大きい。 | おうえんが | 大きい |
弟は本を読む。 | 弟は | 読む |
修飾語はくわしく説明する言葉
主語と述語のあいだに入って、文をくわしく説明する言葉があります。これを「修飾語」とよびます。たとえば「弟は本を読む」を、「弟はきのう公園で本を読む」と書きかえてみましょう。「きのう」「公園で」が新しく入った修飾語です。「いつ」「どこで」「どんなふうに」をくわしくして、場面のイメージをはっきりさせるはたらきをしています。
修飾語には、いろいろな種類があります。「赤い帽子」のように名詞をくわしくする言葉も修飾語の一つです。「ゆっくり歩く」のように動きをくわしくする言葉も修飾語です。文をていねいに書こうとすると、自然と修飾語の数がふえます。それ自体は悪いことではありませんが、入れすぎると、主語と述語が遠ざかってしまい、文の意味が伝わりにくくなります。
修飾語の役わりの例
もとの文 | 修飾語をたした文 | たした修飾語 |
|---|---|---|
弟は本を読む。 | 弟はきのう本を読む。 | きのう |
弟は本を読む。 | 弟は図書室で本を読む。 | 図書室で |
弟は本を読む。 | 弟はゆっくり本を読む。 | ゆっくり |
花がさく。 | 赤い花がさく。 | 赤い |
ねこが走る。 | 小さなねこが走る。 | 小さな |
主語と述語を近づけると分かりやすい
みのりさんが書いた「ぼくは赤組のおうえんで大きな声でがんばっている人がたくさんいてうれしかった。」を見直してみます。主語は「ぼくは」ですが、述語の「うれしかった」までのあいだに、いろいろな言葉がはさまっています。これが、読みづらさのいちばんの原いんでした。主語と述語のあいだが長くなりすぎると、読む人はとちゅうで道に迷ってしまいます。
同じことを言うのにも、主語と述語を近づけて書くと、ぐっと分かりやすくなります。「赤組のおうえんでは、大きな声でがんばっている人がたくさんいた。ぼくはそれを見てうれしかった。」と書きなおすと、それぞれの文がすっきりします。文を読みやすくするには、主語と述語のあいだをできるだけ短くする。これが、作文で大切なコツの一つです。
書きかえの前と後
書きかえ前 | 書きかえ後 |
|---|---|
ぼくは赤組のおうえんで大きな声でがんばっている人がたくさんいてうれしかった。 | 赤組のおうえんでは、大きな声でがんばっている人がたくさんいた。ぼくはそれを見てうれしかった。 |
わたしはきのう図書館で借りた本がとてもおもしろくて夜まで読みつづけた。 | わたしはきのう、図書館で本を借りた。その本はとてもおもしろく、夜まで読みつづけた。 |
一文を短く区切るコツ
文を分かりやすくするには、一文を短く区切ることも大切です。一つの文に「いつ・どこで・だれが・何を・どうした」を全部つめこむと、長すぎてしまいます。なるべく、一つの文で言いたいことを一つに絞りましょう。長くなりそうだと感じたら、文をふたつに分ける。これを意しきするだけで、作文はずいぶん読みやすくなります。
文を短く区切るためには、句点(「。」)を上手に打つことが大切です。一つの動きや一つのできごとを書いたら、いちど「。」で区切ります。次の文では、別のことを書きはじめます。みのりさんは、お父さんに教えてもらったこのコツを使って、運動会の作文の続きを書きなおしました。前より、伝えたいことがはっきり見えるようになりました。
迷ったときのチェック
- 主語は「だれが・何が」を表しているか
- 述語は「どうする・どんなだ・何だ」を表しているか
- 主語と述語のあいだに、修飾語が入りすぎていないか
- 一文の中に、できごとが二つ以上入っていないか
- 声に出して読んで、ひと息で読めるながさか
コピペで使える主述修飾語チェック表
短い文をいくつかえらんで、主語と述語と修飾語の答え合わせを表にまとめました。自分が書いた作文の一文と、下の表の文を見くらべてみてください。主語と述語のあいだに、修飾語がいくつ入っているか、自分の文と比べることで、文の組み立てぐせが見えてきます。表のとおりに自分でも書き出してみると、見つけ方が手になじんできます。
例文 | 主語 | 述語 | 修飾語 |
|---|---|---|---|
ねこがゆっくり歩く。 | ねこが | 歩く | ゆっくり |
弟はきのう本を読んだ。 | 弟は | 読んだ | きのう / 本を |
赤いリボンが風にゆれる。 | リボンが | ゆれる | 赤い / 風に |
ぼくは公園で兄と遊んだ。 | ぼくは | 遊んだ | 公園で / 兄と |
空が朝からとても青い。 | 空が | 青い | 朝から / とても |
母は台所で夕食を作る。 | 母は | 作る | 台所で / 夕食を |
修飾語の列を見ると、「いつ」「どこで」「どんな」「なにを」のどれにあたるかが見えてきます。修飾語が二つくらいまでだと、文はすっきりして読みやすいです。三つ以上入っているときは、文を二つに分けることをためしてみてください。「だれが」「どうする」が一対になっていれば、それだけで文として成り立ちます。
やってみよう・自分の文を見直す
みのりさんは、お父さんとならんで、運動会の作文を一文ずつ見直しました。それぞれの文に「主」「述」とえん筆で書き入れて、主語と述語の場所をたしかめます。「主」と「述」がとなり同士になっている文は、するすると読めました。あいだに修飾語がたくさんはさまっている文は、思いきって二つに分けました。直し終わった作文を、もう一度声に出して読み返してみます。
「やってみよう」として、自分が前に書いた作文を一つえらび、文ごとに主語と述語に印をつけてみてください。主語が見つからない文があったら、書き足してみる。主語と述語のあいだが長すぎると感じたら、文を二つに分けてみる。これだけで、自分の文章のクセが少しずつ見えてきます。クセが見えれば、次の作文で気をつける場所もはっきりします。
よくある疑問
日本語では主語がよく省かれると聞いたが本当か。
本当です。話している場面ではっきりしているときは、主語を書かなくても通じます。ただ、作文や説明文では、はじめて読む人にも分かるように、できるだけ書いておくとよいです。
「ぼくはうれしい」は主語と述語だけの文か。
はい、そうです。とても短い文ですが、文として成り立ちます。短い文をいくつかつなぐと、リズムのよい文章になります。
修飾語はあったほうがよいのか、ないほうがよいのか。
あるとくわしくなりますが、入れすぎると読みづらくなります。一つの文に修飾語は二つくらいまでをめやすにすると、読みやすく書けます。
主語と述語が見えると、文がやさしくなる
みのりさんは、書きなおした運動会の作文を、もう一度先生にていしゅつしました。次に返ってきた原稿用紙には、赤ペンの「?」のかわりに、小さな花丸が一つついていました。先生から「主語と述語のあいだがすっきりして、とても読みやすくなったよ」と一言そえられています。みのりさんは、お父さんとならんで作文を見直した夜の時間を思い出して、少しほこらしい気もちになりました。
主語と述語をはっきりさせる練習は、作文だけでなく、ふだんの話し方にもつながります。だれかに何かを伝えるとき、頭の中で「だれが」「どうする」を一度たしかめてから話すと、相手にとって分かりやすくなります。文の組み立てをもっと整えたいときは、句読点の打ち方 や つなぎ言葉の使い方 も読んでみてください。文章を書くたびに、すこしずつ自分の言葉が育っていきます。
