読書感想文の書き出し方と心に残った場面の選び方

読書感想文の書き出し方と心に残った場面の選び方の記事を表すモノクロ漫画風イラスト

読書感想文の書き出しに困らないコツを、あらすじではなく一場面から始める方法でやさしく整理します。心がうごいた場面のえらび方、気持ちの言葉のさがし方、まとめの一文の作り方を確かめられます。

目次

8項目
  1. 結論:あらすじでなく心に残った一場面から書き出す
  2. 書き出しが大事な理由
  3. 印象に残った場面の見つけ方
  4. 自分の経験とつなげて書く
  5. 登場人物の気持ちを想像して書く
  6. 最後に自分の変化を書く
  7. 読書感想文の書き出しを考える7つの例
  8. よくある疑問

読書どくしょ感想かんそう文ぶんの宿題しゅくだいで、原げんこう用紙ようしの最初さいしょの一いち行ぎょうが何なん日にちたっても書かけない、ということはありませんか。本ほんは読よみ終おえたのに、「この本ほんは〜という話はなしです」と書き出かきだしてみると、その先さきはあらすじをなぞるだけになってしまう。「主人公しゅじんこうはやさしい男の子おとこのこで〜」と書かいてみても、それは本ほんのしょうかいであって、自分じぶんの感想かんそうではない。書かいては消けし、書かいては消けしをくり返かえすうちに、時間じかんだけが過すぎていきます。

読書どくしょ感想かんそう文ぶんは、本ほんのあらすじを書かくのではなく、心こころに残のこった場面ばめんと自分じぶんの気持きもちをつなげて書かく文章ぶんしょうです。そのちがいに気きづくと、書き出かきだしの一いち行ぎょうはぐっと出でてきやすくなります。この記事きじでは、書き出かきだしがなぜ大事だいじなのか、印象いんしょうに残のこった場面ばめんの見みつけ方かた、自分じぶんの経験けいけんとのつなげ方かた、登場とうじょう人物じんぶつの気持きもちを想像そうぞうする手順てじゅん、終おわりに自分じぶんの変化へんかを書かくコツを、小学校しょうがっこう五ご年生ねんせい・六ろく年生ねんせいの感想かんそう文ぶんづくりに合あわせて順じゅんに解説かいせつします。

結論けつろん:あらすじでなく心こころに残のこった一いち場面ばめんから書き出かきだす

  • 「この本ほんは〜という話はなしです」のような本ほんの説明せつめいから始はじめず、自分じぶんの心こころが動うごいた場面ばめんや気持きもちから書かき始はじめます。
  • 何なん度ども読み返よみかえした場面ばめんなど、自分じぶんの心こころがいちばんゆれた場面ばめんを一ひとつだけえらんで、感想かんそう文ぶんの中心ちゅうしんにします。
  • 本ほんの中なかの出来事できごとと自分じぶんの生活せいかつの中なかの出来事できごとをつなげて書かきます。日にちじょうの小ちいさな出来事できごとでじゅうぶんです。
  • 感想かんそう文ぶんの終おわりには、本ほんを読よむ前まえと後あとで自分じぶんの何なにがかわったかを書かきます。大おおきな変化へんかでなくてかまいません。

書き出かきだしが大事だいじな理由りゆう

読書どくしょ感想かんそう文ぶんの書き出かきだしが大事だいじな理由りゆうは、二ふたつあります。一ひとつ目めは、読よんだ人ひとが「この感想かんそう文ぶんを読よんでみよう」と思おもうかどうかが、最初さいしょの一いち、二に行ぎょうで決きまるからです。二ふたつ目めは、書き出かきだしが決きまると、その先さきの文章ぶんしょうもしぜんに進すすんでいくからです。書き出かきだしでつまずいているうちは、感想かんそう文ぶんの全体ぜんたいもぼやけたままになってしまいます。

多おおくの人ひとがやってしまう書き出かきだしは、「ぼくはこの本ほんを読よみました」とか「この本ほんは〜という話はなしです」とか、本ほんの説明せつめいから始はじめる書き方かきかたです。これだと、感想かんそう文ぶんではなく「あらすじ紹しょうかい」になってしまいます。感想かんそう文ぶんの書き出かきだしでは、「自分じぶんの心こころが動うごいた場面ばめん」や「自分じぶんの気持きもち」から書かき始はじめるのがコツです。

よくある書き出かきだし

おすすめの書き出かきだし

ぼくは『○○』という本ほんを読よみました

ページをめくる手てが止とまりました

この本ほんは〜という話はなしです

主人公しゅじんこうの言いった一言ひとことが、頭あたまからはなれません

作者さくしゃは〜という人ひとです

もし自分じぶんだったら、と何なん度ども考かんがえました

とてもおもしろい本ほんでした

読よみ終おえた後あと、しばらくまどの外そとを見みていました

印象いんしょうに残のこった場面ばめんの見みつけ方かた

感想かんそう文ぶんを書かくうえで、いちばん最初さいしょにやることは「心こころに残のこった場面ばめんを一ひとつえらぶ」ことです。一ひとつの本ほんの中なかには、たくさんの場面ばめんがあります。その中なかから、自分じぶんの心こころがいちばんゆれた場面ばめんを一ひとつだけえらびます。場面ばめんの見みつけ方かたには、いくつかのコツがあります。

  • ページのはしを折おった場所ばしょ:読よみながら気きになったページに、ふせんやページ折おりをしておく
  • 何なん度ども読み返よみかえした場面ばめん:気きがつくと二に、三さん回かい読み直よみなおしていた場面ばめんは、心こころに残のこっている
  • 人ひとに話はなしたくなった場面ばめん:「ここがすごかった」と家族かぞくや友ともだちに話はなした場面ばめん
  • 本ほんを閉とじても思い出おもいだす場面ばめん:本ほんを閉とじてから、ふと頭あたまにうかんできた場面ばめん

たとえば、主人公しゅじんこうがいじめられている友ともだちに「ぼくがそばにいるよ」と言いう場面ばめんを、何なん度ども読み返よみかえしたとします。読よんだときに胸むねがじーんとなって、本ほんをひざに置おいてしばらく手てが止とまった場面ばめんです。そういう場面ばめんを一ひとつえらんで、感想かんそう文ぶんの中心ちゅうしんにします。

自分じぶんの経験けいけんとつなげて書かく

感想かんそう文ぶんをふかいものにするには、本ほんの中なかの出来事できごとと、自分じぶんの生活せいかつの中なかの出来事できごとをつなげて書かくのがコツです。本ほんを読よんだだけの感想かんそうだと、「すごいと思おもいました」「がんばりたいです」だけで終おわってしまいます。自分じぶんの経験けいけんを入いれると、その感想かんそうが読み手よみてにもよく伝つたわるようになります。

主人公しゅじんこうの「ぼくがそばにいるよ」というセリフを読よんで、自分じぶんのかこの出来事できごとを思い出おもいだすことがあります。たとえば、クラスで一人ひとりぼっちになっていた友ともだちに、何なにも声こえをかけられなかった日ひ。「あのとき、自分じぶんも主人公しゅじんこうみたいに『そばにいるよ』と言いえていたら、あの子こはうれしかったかもしれない」。そう思おもったら、ノートに書かきとめておきます。本ほんの中なかの場面ばめんと自分じぶんの出来事できごとがつながったところが、感想かんそう文ぶんの中心ちゅうしんになります。

自分じぶんの経験けいけんは、すごい体験たいけんでなくてかまいません。日にちじょうの中なかの小ちいさな出来事できごとでじゅうぶんです。家かぞくとのやり取とり、友ともだちとのけんか、ペットとのおもいで、しかられた一いち日にち、ほめられた一いち日にち。本ほんの場面ばめんと少すこしでも重かさなるところがあれば、それを書かきましょう。

本ほんの場面ばめん

自分じぶんの経験けいけん

主人公しゅじんこうが友ともだちにあやまる場面ばめん

弟おとうととけんかしたあと、ごめんと言いえなかった日ひ

登場とうじょう人物じんぶつがゆう気きを出だして話はなす場面ばめん

クラスで手てを上あげるのがこわかった日ひ

親子おやこで言い合いいあう場面ばめん

お母かあさんに反はんこうしてしまった日ひ

なかまと協力きょうりょくして何なにかをやりとげる場面ばめん

クラスのそうじをみんなでがんばった日ひ

登場とうじょう人物じんぶつの気持きもちを想像そうぞうして書かく

感想かんそう文ぶんの中なかで、もう一ひとつ大事だいじなのは「登場とうじょう人物じんぶつの気持きもちを想像そうぞうする」ことです。本ほんを読よみながら、「この主人公しゅじんこうはどんな気持きもちだったのだろう」「この場面ばめんで、なぜこの言葉ことばを言いったのだろう」と考かんがえてみると、自分じぶんの中なかに新あたらしい気きづきが生うまれます。その気きづきを感想かんそう文ぶんに書かくと、ぐっと中身なかみのある文章ぶんしょうになります。

気持きもちを想像そうぞうするときは、本ほんに書かかれた「行動こうどう」と「セリフ」と「ようす」を手てがかりにします。主人公しゅじんこうがうつむいたのなら、はずかしかったのかもしれない。だまったのなら、何なにかを言い出いいだせなかったのかもしれない。にぎりこぶしを作つくったのなら、くやしかったのかもしれない。文章ぶんしょうのすき間まにかくれている気持きもちを、自分じぶんのことばで書かき足たしてみましょう。

  • 行動こうどうを見みる:手てのうごき、足あしのうごき、目めのうごきから気持きもちを考かんがえる
  • セリフを見みる:何なにを言いったかだけでなく、どんな声こえで、どんなタイミングで言いったかを考かんがえる
  • ようすを見みる:天気てんき、まわりの音おと、においなど、場面ばめんぜんたいのふんい気きから気持きもちを考かんがえる
  • だまっている時間じかんを見みる:何なにも書かかれていない場所ばしょにこそ、深ふかい気持きもちがかくれている

最後さいごに自分じぶんの変化へんかを書かく

感想かんそう文ぶんの終おわりには、その本ほんを読よむ前まえの自分じぶんと、読よんだあとの自分じぶんで、何なにがかわったかを書かきます。これは「自分じぶんの中なかの変化へんか」です。大おおきな変化へんかでなくてかまいません。本ほんを読よむ前まえは思おもってもみなかった気持きもちが、心こころの中なかに生うまれていたら、それが立りっぱな変化へんかです。

感想かんそう文ぶんの最後さいごは、たとえばこう書かきます。「ぼくは、この本ほんを読よむ前まえは、友ともだちが一人ひとりでいても、声こえをかけるのは少すこしはずかしいと思おもっていました。でも今いまは、はずかしさよりも、その子この気持きもちを考かんがえるほうが大事だいじだと思おもうようになりました。明日あした、教室きょうしつで一人ひとりでいる子こがいたら、ぼくのほうから話はなしかけてみたいです。」読よむ前まえと読よんだあとで何なにがかわったかが、はっきり書かけています。

読書どくしょ感想かんそう文ぶんの書き出かきだしを考かんがえる7つの例れい

書き出かきだしの一いち行ぎょうで何なん時間じかんも止とまってしまうなら、ほかの人ひとの入り口いりくちを見みてみるのが早はやいです。「印象いんしょう的てきな場面ばめんから」「会話かいわから」「自分じぶんの経験けいけんから」など、よく使つかわれる七ななつのパターンを例文れいぶんつきでならべておきます。例文れいぶんの中なかの場面ばめんやセリフは、説明せつめいのために作つくったものです。自分じぶんの感想かんそう文ぶんでは、実じっさいに読よんだ本ほんの中なかから、心こころに残のこった場面ばめんや言葉ことばを選えらんで書かきます。気に入きにいった入り口いりくちを一ひとつえらび、本ほんを開ひらいて、その場面ばめんのページをたしかめてから書かき始はじめてみてください。

書き出かきだしの入り口いりくち

例文れいぶん

印象いんしょう的てきな場面ばめんから

「ページをめくる手てが、その場面ばめんで一いっしゅん止とまりました。」

会話かいわから

「『ぼくがそばにいるよ。』その一言ひとことが、頭あたまからはなれません。」

自分じぶんの経験けいけんから

「ぼくにも、この主人公しゅじんこうと同おなじような日ひがありました。」

しつ問もんから

「もし自分じぶんだったら、同おなじことを言いえただろうか。」

気持きもちから

「読よみ終おえたあと、しばらくまどの外そとを見みていました。」

色いろや音おとから

「夕ゆうやけ空そらのページが、まだ目めの中なかに残のこっています。」

気きづきから

「友ともだちというものの本当ほんとうの意味いみを、ぼくはこの本ほんではじめて知しりました。」

よくある疑問ぎもん

あらすじはまったく書かいてはいけないのですか。

心こころに残のこった場面ばめんの前後ぜんごを少すこしだけ書かくのは必要ひつようです。ただし、感想かんそう文ぶんぜんたいの三さん分ぶんの一いちいじょうをあらすじにしないようにします。

本ほんの中なかの文ぶんをそのまま書き写かきうつしてもいいですか。

心こころに残のこったセリフを「カギかっこ」でかこんで引用いんようするのはよい方法ほうほうです。引用いんようしたあとに、自分じぶんがなぜその一言ひとことにひかれたのかを書かきそえましょう。

一ひとつの本ほんでうまく書かけないときは、どうしますか。

別べつの本ほんを読み直よみなおしてみてください。心こころに残のこった場面ばめんが思い出おもいだせない本ほんでは、感想かんそう文ぶんは書かきにくいです。

「楽たのしかったです」で終おわってもいいですか。

それだけで終おわるとあっさりしすぎてしまいます。「楽たのしかった」のあとに「だから、自分じぶんも〜してみたいと思おもいました」など、自分じぶんのこれからにつなげる一文いちぶんを入いれましょう。