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類義語の見つけ方と作文で言葉を言いかえるコツ

類義語の見つけ方を、気持ち・動き・ようすを表す言葉のグループでやさしく整理します。作文で同じ言葉ばかり使ってしまうときに、言いかえの幅を広げるコツがわかります。
目次
書き上げたばかりの読書感想文を、読み返してみたことはありますか。同じ言葉が何度も出てきてしまって、なんだか気持ちがうすっぺらく見える、と感じたことはないでしょうか。「うれしい」が六回もならんでいたり、「すごい」ばかりがつづいていたり、というのは、作文を書きはじめたばかりのころによくあることです。本を読み終わったときの気持ちは、もっといろいろあったはずなのに、思いついた言葉が一つだけだった、ということがおきてしまうのです。
そんなときに助けてくれるのが「楽しい」「よろこぶ」「わくわくする」のような、にた意味を持つ言葉のなかまです。こういうグループを「類義語(るいぎご)」と言います。類義語をいくつか知っていると、同じ気持ちでも少しずつ色をかえてつたえることができます。この記事では、類義語とは何かというところから、気持ち・動き・ようすの三つのグループに分けた言いかえのコツ、自分の作文で言葉をかえる練習方法までを、じゅんを追って整理していきます。
類義語って何の役に立つの
類義語というのは、意味がよくにている二つ以上の言葉のことです。たとえば「うれしい」と「楽しい」は、どちらも気持ちが明るくなるようすを表します。まったく同じではなく、ほんの少しだけちがう色を持っています。「うれしい」は心の中であたたかくなる感じ、「楽しい」は何かをしている間ずっと気持ちが明るい感じ、というように、にていながら少し方向がちがう言葉が組になっているのです。
類義語を知っていると、作文や日記で同じ言葉をくり返さずにすみます。同じ言葉が何回も出てくると、読む人はあきてしまうことがあります。にた意味の言葉に少しずつかえていくと、文章にリズムが生まれ、書き手の気持ちもよくつたわります。読書感想文や運動会の作文で、自分の気持ちを生き生きとつたえたいときに、類義語はとても役に立つのです。
もう一つの役わりは、自分の気持ちにぴったり合う言葉を選べることです。「うれしい」のなかには、ほめられたうれしさもあれば、友だちと会えたうれしさもあります。「楽しい」「よろこぶ」「わくわくする」のなかから、そのときの気持ちにいちばん近いものをえらべば、文章はぐっと正直になります。類義語は、気持ちのものさしをいくつも持つようなものです。
気持ちを表す言葉の言いかえ
まずは、ミナミちゃんがこまっていた「気持ちを表す言葉」から見ていきましょう。気持ちは、うれしい・悲しい・おどろくなど、いくつかの大きなグループに分かれます。それぞれのグループに、にた意味の言葉が何個もあります。一つのグループの中で言葉をえらべるようになると、同じ「うれしい」をくり返さなくても、ちゃんと気持ちをつたえられるようになります。
もとの言葉 | 類義語 | 使い分けの目安 |
|---|---|---|
うれしい | 楽しい | 気持ちが明るく続いているとき |
うれしい | よろこぶ | 心がはずんで体まで動くとき |
うれしい | わくわくする | これから何かが起きる前のとき |
悲しい | さびしい | 一人になってしまったとき |
悲しい | つらい | 心がしめつけられるとき |
おどろく | びっくりする | 思ってもみなかったとき |
こわい | おそろしい | 大きな何かにおびえるとき |
ミナミちゃんは、この表を見ながら自分の感想文を書き直してみました。本を読みはじめたところでは「わくわくする」、登場人物がうまくいったところでは「うれしい」、最後まで読み終えたところでは「よろこぶ」と書いてみると、気持ちのうごきがはっきり見えるようになりました。同じ「うれしい」気持ちでも、場面によって近い言葉がちがうということが、書いていてわかってきたのです。
動きを表す言葉の言いかえ
次は、動きを表す言葉の類義語です。動作の言葉は、作文の中で何回も出てきます。「行く」「走る」「言う」「見る」などは、毎日のように使うので、にた意味の言葉を知っているとべんりです。動きを表す言葉のグループには、強さやスピードのちがう仲間がそろっています。
- 走る → かける、はしりだす(早さの感じがかわります)
- 言う → 話す、つたえる、つぶやく(声の大きさがかわります)
- 見る → ながめる、見つめる、のぞく(見方の長さがかわります)
- 食べる → 口にする、味わう(ていねいさがかわります)
- 歩く → 進む、足を運ぶ(場面のかたさがかわります)
たとえば「走る」と「かける」は、よくにた意味ですが、「かける」のほうが早くて軽い感じがします。「走る」は体ぜんたいで前に進むようす、「かける」はとくにスピードが出ているようすです。運動会の作文では、「ぼくは校ていを走った」と書くより、「ぼくはゴールに向かってかけた」と書いたほうが、いきおいがつたわります。動きの言葉は、その場のスピードや気持ちに合わせてえらぶと、よみ手にもしっかりとどきます。
「見る」も、よく考えると場面によってかえられる言葉です。空を「ながめる」と書けば、ゆっくり長く見ているようすが出ます。友だちの顔を「見つめる」と書けば、まっすぐじっと見ているようすが出ます。同じ「見る」でも、どんな見方かを類義語でしめせると、絵がうかぶような文章になります。
ようすを表す言葉の言いかえ
ようすを表す言葉、つまり「大きい」「小さい」「きれい」のような形よう詞も、類義語をたくさんもっています。ようすの言葉は、絵や写真のかわりに、読む人の頭の中にイメージを作るやくわりがあります。にた意味の言葉のなかから一つえらぶことで、その絵をはっきりさせることができるのです。
もとの言葉 | 類義語 | イメージのちがい |
|---|---|---|
大きい | りっぱだ | 見ごたえがある感じ |
小さい | こまかい | こまごましている感じ |
きれい | 美しい | 心がうたれる感じ |
きれい | すんでいる | すきとおっている感じ |
早い | すばやい | 体の動きが速い感じ |
楽しい | おもしろい | 心がひかれる感じ |
たとえば「きれいな川」と書くより、「すんでいる川」と書いたほうが、川の水がとうめいなようすがはっきり見えます。「大きな建物」より「りっぱな建物」のほうが、ただ大きいだけでなく、しっかりしているようすがつたわります。ようすの言葉は、ぴったりの一つをえらべるかどうかで、文章の見え方がずいぶんかわります。
自分の作文で言葉をかえてみる
ミナミちゃんは、お父さんといっしょに自分の感想文を読み返して、同じ言葉が三回以上出てくるところに、えんぴつでまるをつけました。すると、「うれしい」のほかにも「すごい」が四回、「楽しかった」が三回出てきました。気持ちもようすも、同じ言葉でかたまってしまっていたのです。
- できあがった作文を声に出して読み、同じ言葉に印をつける
- その言葉の類義語を、国語じてんやノートで二〜三こさがす
- 場面に合う一つをえらんで、もとの言葉と入れかえる
- もう一度声に出して読み、文がしぜんかをたしかめる
- むりに言いかえて意味がかわってしまったところは、もとにもどす
たいせつなのは、五番目の「もどす」というところです。類義語は、にているけれど少しちがう言葉なので、入れかえすぎると意味がずれてしまうことがあります。たとえば「楽しかった」を全部「おもしろかった」にかえてしまうと、心がうごいた感じがうすくなることがあります。読み返して「これは前のほうがよかった」と思ったら、ちゃんともとにもどしてあげましょう。
もう一つのコツは、自分だけの「言葉ノート」を作ることです。本を読んだり、テレビを見たりしているときに、「これはいい言葉だな」と感じた類義語をノートに書きためていきます。「うれしい」のなかまには楽しい・よろこぶ・わくわく、「走る」のなかまにはかける・はしりだす、というように、グループでまとめておくと、作文を書くときにすぐ取り出せます。じてんを引くのもいい方法です。じてんの使い方は、国語じてんの引き方 でくわしく説明しています。
コピペで使える類義語 言いかえ集
ここまで読んで「自分の作文にもさっそく使ってみたい」と感じた人のために、作文や日記でつかいやすい類義語ペアを、気持ち・動き・ようすの三つのグループにまとめておきます。学校で習う漢字を中心にえらんでいるので、そのままノートに書きうつしてつかえます。
もとの言葉 | 類義語 | 使う場面 |
|---|---|---|
うれしい | 楽しい | 友だちとあそんでいるとき |
うれしい | よろこぶ | プレゼントをもらったとき |
うれしい | わくわくする | 遠足の前の夜 |
悲しい | さびしい | 一人で家にいるとき |
悲しい | つらい | いやなことが続いたとき |
走る | かける | 運動会のリレーの場面 |
走る | 進む | ハイキングで道を行くとき |
見る | ながめる | 空や山をゆっくり見るとき |
見る | 見つめる | 友だちの顔をじっと見るとき |
言う | 話す | 友だちとふつうに話すとき |
言う | つたえる | 大事なことを正しく知らせるとき |
大きい | りっぱだ | 大きな門や建物を見たとき |
きれい | 美しい | 景色をほめるとき |
きれい | すんでいる | 川や空気のとうめい感を書くとき |
楽しい | おもしろい | 本やテレビに心がひかれたとき |
この表は、上から順に作文の中であらわれやすい場面の順にならべています。一つの作文で同じ言葉が三回以上出てきたら、表の中から場面に合う類義語をえらんで入れかえてみましょう。入れかえたあとに声に出して読んで、しぜんなら採用、ぎこちなければもとにもどす、という流れでだいじょうぶです。
やってみよう
さいごに、これまで読んできたことを思い出しながら、五つだけ自分で類義語をさがしてみましょう。下のリストの言葉について、にた意味の言葉を一つずつ思い出すか、国語じてんで調べてみてください。思いつかないときは、ご家族や友だちに聞いてもかまいません。
- 「うれしい」のなかま — どんな場面でつかうかも考えてみる
- 「走る」のなかま — スピードや気持ちのちがいに注目する
- 「きれい」のなかま — 何がきれいなのかを思いうかべる
- 「言う」のなかま — 声の大きさや相手をそうぞうする
- 「大きい」のなかま — ようすや感じの差を見つける
一つでも見つかったら、その日のうちに作文や日記で使ってみましょう。書いてみてはじめて、その言葉が自分のものになります。類義語を一つえらべるようになるたびに、自分の中の言葉のたなが少しずつふえていきます。ミナミちゃんも、今では感想文に同じ言葉を六回も書くことはなくなりました。にた意味の言葉を知ることは、自分の気持ちをていねいに見つめる練習でもあるのです。反対の意味を持つ言葉について知りたい人は、対義語の見つけ方 も読んでみてください。
