類義語の見つけ方と作文で言葉を言いかえるコツ

類義語の見つけ方と作文で言葉を言いかえるコツの記事を表すモノクロ漫画風イラスト

類義語の見つけ方を、気持ち・動き・ようすを表す言葉のグループでやさしく整理します。作文で同じ言葉ばかり使ってしまうときに、言いかえの幅を広げるコツがわかります。

目次

  1. 類義語って何の役に立つの
  2. 気持ちを表す言葉の言いかえ
  3. 動きを表す言葉の言いかえ
  4. ようすを表す言葉の言いかえ
  5. 自分の作文で言葉をかえてみる
  6. コピペで使える類義語 言いかえ集
  7. やってみよう

書き上げたばかりの読書感想文を、読み返してみたことはありますか。同じ言葉が何度も出てきてしまって、なんだか気持ちがうすっぺらく見える、と感じたことはないでしょうか。「うれしい」が六回もならんでいたり、「すごい」ばかりがつづいていたり、というのは、作文を書きはじめたばかりのころによくあることです。本を読み終わったときの気持ちは、もっといろいろあったはずなのに、思いついた言葉が一つだけだった、ということがおきてしまうのです。

そんなときに助けてくれるのが「楽しい」「よろこぶ」「わくわくする」のような、にた意味を持つ言葉のなかまです。こういうグループを「類義語(るいぎご)」と言います。類義語をいくつか知っていると、同じ気持ちでも少しずつ色をかえてつたえることができます。この記事では、類義語とは何かというところから、気持ち・動き・ようすの三つのグループに分けた言いかえのコツ、自分の作文で言葉をかえる練習方法までを、じゅんを追って整理していきます。

類義語って何の役に立つの

類義語というのは、意味がよくにている二つ以上の言葉のことです。たとえば「うれしい」と「楽しい」は、どちらも気持ちが明るくなるようすを表します。まったく同じではなく、ほんの少しだけちがう色を持っています。「うれしい」は心の中であたたかくなる感じ、「楽しい」は何かをしている間ずっと気持ちが明るい感じ、というように、にていながら少し方向がちがう言葉が組になっているのです。

類義語を知っていると、作文や日記で同じ言葉をくり返さずにすみます。同じ言葉が何回も出てくると、読む人はあきてしまうことがあります。にた意味の言葉に少しずつかえていくと、文章にリズムが生まれ、書き手の気持ちもよくつたわります。読書感想文や運動会の作文で、自分の気持ちを生き生きとつたえたいときに、類義語はとても役に立つのです。

もう一つの役わりは、自分の気持ちにぴったり合う言葉を選べることです。「うれしい」のなかには、ほめられたうれしさもあれば、友だちと会えたうれしさもあります。「楽しい」「よろこぶ」「わくわくする」のなかから、そのときの気持ちにいちばん近いものをえらべば、文章はぐっと正直になります。類義語は、気持ちのものさしをいくつも持つようなものです。

気持ちを表す言葉の言いかえ

まずは、ミナミちゃんがこまっていた「気持ちを表す言葉」から見ていきましょう。気持ちは、うれしい・悲しい・おどろくなど、いくつかの大きなグループに分かれます。それぞれのグループに、にた意味の言葉が何個もあります。一つのグループの中で言葉をえらべるようになると、同じ「うれしい」をくり返さなくても、ちゃんと気持ちをつたえられるようになります。

もとの言葉

類義語

使い分けの目安

うれしい

楽しい

気持ちが明るく続いているとき

うれしい

よろこぶ

心がはずんで体まで動くとき

うれしい

わくわくする

これから何かが起きる前のとき

悲しい

さびしい

一人になってしまったとき

悲しい

つらい

心がしめつけられるとき

おどろく

びっくりする

思ってもみなかったとき

こわい

おそろしい

大きな何かにおびえるとき

ミナミちゃんは、この表を見ながら自分の感想文を書き直してみました。本を読みはじめたところでは「わくわくする」、登場人物がうまくいったところでは「うれしい」、最後まで読み終えたところでは「よろこぶ」と書いてみると、気持ちのうごきがはっきり見えるようになりました。同じ「うれしい」気持ちでも、場面によって近い言葉がちがうということが、書いていてわかってきたのです。

動きを表す言葉の言いかえ

次は、動きを表す言葉の類義語です。動作の言葉は、作文の中で何回も出てきます。「行く」「走る」「言う」「見る」などは、毎日のように使うので、にた意味の言葉を知っているとべんりです。動きを表す言葉のグループには、強さやスピードのちがう仲間がそろっています。

  • 走る → かける、はしりだす(早さの感じがかわります)
  • 言う → 話す、つたえる、つぶやく(声の大きさがかわります)
  • 見る → ながめる、見つめる、のぞく(見方の長さがかわります)
  • 食べる → 口にする、味わう(ていねいさがかわります)
  • 歩く → 進む、足を運ぶ(場面のかたさがかわります)

たとえば「走る」と「かける」は、よくにた意味ですが、「かける」のほうが早くて軽い感じがします。「走る」は体ぜんたいで前に進むようす、「かける」はとくにスピードが出ているようすです。運動会の作文では、「ぼくは校ていを走った」と書くより、「ぼくはゴールに向かってかけた」と書いたほうが、いきおいがつたわります。動きの言葉は、その場のスピードや気持ちに合わせてえらぶと、よみ手にもしっかりとどきます。

「見る」も、よく考えると場面によってかえられる言葉です。空を「ながめる」と書けば、ゆっくり長く見ているようすが出ます。友だちの顔を「見つめる」と書けば、まっすぐじっと見ているようすが出ます。同じ「見る」でも、どんな見方かを類義語でしめせると、絵がうかぶような文章になります。

ようすを表す言葉の言いかえ

ようすを表す言葉、つまり「大きい」「小さい」「きれい」のような形よう詞も、類義語をたくさんもっています。ようすの言葉は、絵や写真のかわりに、読む人の頭の中にイメージを作るやくわりがあります。にた意味の言葉のなかから一つえらぶことで、その絵をはっきりさせることができるのです。

もとの言葉

類義語

イメージのちがい

大きい

りっぱだ

見ごたえがある感じ

小さい

こまかい

こまごましている感じ

きれい

美しい

心がうたれる感じ

きれい

すんでいる

すきとおっている感じ

早い

すばやい

体の動きが速い感じ

楽しい

おもしろい

心がひかれる感じ

たとえば「きれいな川」と書くより、「すんでいる川」と書いたほうが、川の水がとうめいなようすがはっきり見えます。「大きな建物」より「りっぱな建物」のほうが、ただ大きいだけでなく、しっかりしているようすがつたわります。ようすの言葉は、ぴったりの一つをえらべるかどうかで、文章の見え方がずいぶんかわります。

自分の作文で言葉をかえてみる

ミナミちゃんは、お父さんといっしょに自分の感想文を読み返して、同じ言葉が三回以上出てくるところに、えんぴつでまるをつけました。すると、「うれしい」のほかにも「すごい」が四回、「楽しかった」が三回出てきました。気持ちもようすも、同じ言葉でかたまってしまっていたのです。

  1. できあがった作文を声に出して読み、同じ言葉に印をつける
  2. その言葉の類義語を、国語じてんやノートで二〜三こさがす
  3. 場面に合う一つをえらんで、もとの言葉と入れかえる
  4. もう一度声に出して読み、文がしぜんかをたしかめる
  5. むりに言いかえて意味がかわってしまったところは、もとにもどす

たいせつなのは、五番目の「もどす」というところです。類義語は、にているけれど少しちがう言葉なので、入れかえすぎると意味がずれてしまうことがあります。たとえば「楽しかった」を全部「おもしろかった」にかえてしまうと、心がうごいた感じがうすくなることがあります。読み返して「これは前のほうがよかった」と思ったら、ちゃんともとにもどしてあげましょう。

もう一つのコツは、自分だけの「言葉ノート」を作ることです。本を読んだり、テレビを見たりしているときに、「これはいい言葉だな」と感じた類義語をノートに書きためていきます。「うれしい」のなかまには楽しい・よろこぶ・わくわく、「走る」のなかまにはかける・はしりだす、というように、グループでまとめておくと、作文を書くときにすぐ取り出せます。じてんを引くのもいい方法です。じてんの使い方は、国語じてんの引き方 でくわしく説明しています。

コピペで使える類義語 言いかえ集

ここまで読んで「自分の作文にもさっそく使ってみたい」と感じた人のために、作文や日記でつかいやすい類義語ペアを、気持ち・動き・ようすの三つのグループにまとめておきます。学校で習う漢字を中心にえらんでいるので、そのままノートに書きうつしてつかえます。

もとの言葉

類義語

使う場面

うれしい

楽しい

友だちとあそんでいるとき

うれしい

よろこぶ

プレゼントをもらったとき

うれしい

わくわくする

遠足の前の夜

悲しい

さびしい

一人で家にいるとき

悲しい

つらい

いやなことが続いたとき

走る

かける

運動会のリレーの場面

走る

進む

ハイキングで道を行くとき

見る

ながめる

空や山をゆっくり見るとき

見る

見つめる

友だちの顔をじっと見るとき

言う

話す

友だちとふつうに話すとき

言う

つたえる

大事なことを正しく知らせるとき

大きい

りっぱだ

大きな門や建物を見たとき

きれい

美しい

景色をほめるとき

きれい

すんでいる

川や空気のとうめい感を書くとき

楽しい

おもしろい

本やテレビに心がひかれたとき

この表は、上から順に作文の中であらわれやすい場面の順にならべています。一つの作文で同じ言葉が三回以上出てきたら、表の中から場面に合う類義語をえらんで入れかえてみましょう。入れかえたあとに声に出して読んで、しぜんなら採用、ぎこちなければもとにもどす、という流れでだいじょうぶです。

やってみよう

さいごに、これまで読んできたことを思い出しながら、五つだけ自分で類義語をさがしてみましょう。下のリストの言葉について、にた意味の言葉を一つずつ思い出すか、国語じてんで調べてみてください。思いつかないときは、ご家族や友だちに聞いてもかまいません。

  • 「うれしい」のなかま — どんな場面でつかうかも考えてみる
  • 「走る」のなかま — スピードや気持ちのちがいに注目する
  • 「きれい」のなかま — 何がきれいなのかを思いうかべる
  • 「言う」のなかま — 声の大きさや相手をそうぞうする
  • 「大きい」のなかま — ようすや感じの差を見つける

一つでも見つかったら、その日のうちに作文や日記で使ってみましょう。書いてみてはじめて、その言葉が自分のものになります。類義語を一つえらべるようになるたびに、自分の中の言葉のたなが少しずつふえていきます。ミナミちゃんも、今では感想文に同じ言葉を六回も書くことはなくなりました。にた意味の言葉を知ることは、自分の気持ちをていねいに見つめる練習でもあるのです。反対の意味を持つ言葉について知りたい人は、対義語の見つけ方 も読んでみてください。