類義語の見つけ方と作文で言葉を言いかえるコツ

類義語の見つけ方と作文で言葉を言いかえるコツの記事を表すモノクロ漫画風イラスト

類義語の見つけ方を、気持ち・動き・ようすを表す言葉のグループでやさしく整理します。作文で同じ言葉ばかり使ってしまうときに、言いかえの幅を広げるコツがわかります。

目次

8項目
  1. 結論:同じ言葉は、場面に合う類義語を一つえらんで言いかえる
  2. 類義語って何の役に立つの
  3. 気持ちを表す言葉の言いかえ
  4. 動きを表す言葉の言いかえ
  5. ようすを表す言葉の言いかえ
  6. 自分の作文で言葉をかえてみる
  7. 場面に合わせて選ぶ類義語と言い換え例
  8. やってみよう:類義語を五つさがす

書き上かきあげたばかりの読書どくしょ感想かんそう文ぶんを、読み返よみかえしてみたことはありますか。同おなじ言葉ことばが何なん度ども出でてきてしまって、なんだか気持きもちがうすっぺらく見みえる、と感かんじたことはないでしょうか。

「うれしい」が六回ろっかいもならんでいたり、「すごい」ばかりがつづいていたり、というのは、作文さくぶんを書かきはじめたばかりのころによくあることです。本ほんを読よみ終おわったときの気持きもちは、もっといろいろあったはずなのに、思おもいついた言葉ことばが一ひとつだけだった、ということがおきてしまうのです。

そんなときに助たすけてくれるのが「楽たのしい」「よろこぶ」「わくわくする」のような、にた意味いみを持もつ言葉ことばのなかまです。こういうグループを「類義語るいぎご(るいぎご)」と言いいます。類義語るいぎごをいくつか知しっていると、同おなじ気持きもちでも少すこしずつ色いろをかえてつたえることができます。

結論けつろん:同おなじ言葉ことばは、場面ばめんに合あう類義語るいぎごを一ひとつえらんで言いいかえる

  • 類義語るいぎごは意味いみがよくにた言葉ことばのなかまで、知しっていると作文さくぶんで同おなじ言葉ことばをくり返かえさずにすみます。
  • 作文さくぶんの同おなじ言葉ことばに印しるしをつけ、国語こくごじてんやノートで類義語るいぎごを二に〜三さんこさがして、場面ばめんに合あう一ひとつをえらびます。
  • 類義語るいぎごは少すこしずつ意味いみがちがうので、入いれかえて意味いみがずれてしまったところはもとにもどします。
  • 気持きもち・動うごき・ようすのグループで類義語るいぎごを言葉ことばノートにためておくと、作文さくぶんを書かくときにすぐ取り出とりだせます。

類義語るいぎごって何なんの役に立やくにたつの

類義語るいぎごというのは、意味いみがよくにている二ふたつ以上いじょうの言葉ことばのことです。たとえば「うれしい」と「楽たのしい」は、どちらも気持きもちが明あかるくなるようすを表あらわします。まったく同おなじではなく、ほんの少すこしだけちがう色いろを持もっています。

「うれしい」は心こころの中なかであたたかくなる感かんじ、「楽たのしい」は何なにかをしている間あいだずっと気持きもちが明あかるい感かんじ、というように、にていながら少すこし方向ほうこうがちがう言葉ことばが組くみになっているのです。

類義語るいぎごを知しっていると、作文さくぶんや日記にっきで同おなじ言葉ことばをくり返かえさずにすみます。同おなじ言葉ことばが何なん回かいも出でてくると、読よむ人ひとはあきてしまうことがあります。

にた意味いみの言葉ことばに少すこしずつかえていくと、文章ぶんしょうにリズムが生うまれ、書き手かきての気持きもちもよくつたわります。読書どくしょ感想かんそう文ぶんや運動会うんどうかいの作文さくぶんで、自分じぶんの気持きもちを生き生いきいきとつたえたいときに、類義語るいぎごはとても役に立やくにたつのです。

もう一ひとつの役やくわりは、自分じぶんの気持きもちにぴったり合あう言葉ことばを選えらべることです。「うれしい」のなかには、ほめられたうれしさもあれば、友ともだちと会あえたうれしさもあります。

「楽たのしい」「よろこぶ」「わくわくする」のなかから、そのときの気持きもちにいちばん近ちかいものをえらべば、自分じぶんの気持きもちに近ちかい文章ぶんしょうになります。類義語るいぎごは、気持きもちのものさしをいくつも持もつようなものです。

気持きもちを表あらわす言葉ことばの言いいかえ

まずは、作文さくぶんでとくにくり返かえしやすい「気持きもちを表あらわす言葉ことば」です。気持きもちは、うれしい・悲かなしい・おどろくなど、いくつかの大おおきなグループに分わかれます。

それぞれのグループに、にた意味いみの言葉ことばが何なん個こもあります。一ひとつのグループの中なかで言葉ことばをえらべるようになると、同おなじ「うれしい」をくり返かえさなくても、ちゃんと気持きもちをつたえられるようになります。

もとの言葉ことば

類義語るいぎご

使い分つかいわけの目安めやす

うれしい

楽たのしい

気持きもちが明あかるく続つづいているとき

うれしい

よろこぶ

心こころがはずんで体からだまで動うごくとき

うれしい

わくわくする

これから何なにかが起おきる前まえのとき

悲かなしい

さびしい

一人ひとりになってしまったとき

悲かなしい

つらい

心こころがしめつけられるとき

おどろく

びっくりする

思おもってもみなかったとき

こわい

おそろしい

大おおきな何なにかにおびえるとき

この表ひょうを見みながら、自分じぶんの感想かんそう文ぶんを書き直かきなおしてみてください。本ほんを読よみはじめたところでは「わくわくする」、登場とうじょう人物じんぶつがうまくいったところでは「うれしい」、最後さいごまで読よみ終おえたところでは「よろこぶ」と書き分かきわけると、気持きもちのうごきがはっきり見みえてきます。

同おなじ「うれしい」気持きもちでも、場面ばめんによって近ちかい言葉ことばがちがうことが分わかります。

動うごきを表あらわす言葉ことばの言いいかえ

次つぎは、動うごきを表あらわす言葉ことばの類義語るいぎごです。動作どうさの言葉ことばは、作文さくぶんの中なかで何なん回かいも出でてきます。「行いく」「走はしる」「言いう」「見みる」などは、毎日まいにちのように使つかうので、にた意味いみの言葉ことばを知しっているとべんりです。動うごきを表あらわす言葉ことばのグループには、強つよさやスピードのちがう仲間なかまがそろっています。

  • 走はしる → かける、つっぱしる(速はやさの感かんじがかわります)
  • 言いう → 話はなす、つたえる、つぶやく(相手あいてへのとどけ方かたがかわります)
  • 見みる → ながめる、見みつめる、のぞく(見方みかたのちがいが出でます)
  • 食たべる → 口くちにする(あらたまった言い方いいかた)、味あじわう(味あじをよく感かんじながら食たべる)
  • 歩あるく → 歩あゆむ、足あしを運はこぶ(場面ばめんのかたさがかわります)

たとえば「走はしる」と「かける」は、よくにた意味いみですが、「かける」のほうが早はやくて軽かるい感かんじがします。「走はしる」は体からだぜんたいで前まえに進すすむようす、「かける」はとくにスピードが出でているようすです。

運動会うんどうかいの作文さくぶんでは、「ぼくは校こうていを走はしった」と書かくより、「ぼくはゴールに向むかってかけた」と書かいたほうが、いきおいがつたわります。動うごきの言葉ことばは、その場ばのスピードや気持きもちに合あわせてえらぶと、よみ手しゅにもしっかりとどきます。

「見みる」も、よく考かんがえると場面ばめんによってかえられる言葉ことばです。空そらを「ながめる」と書かけば、ゆっくり長ながく見みているようすが出でます。友ともだちの顔かおを「見みつめる」と書かけば、まっすぐじっと見みているようすが出でます。同おなじ「見みる」でも、どんな見方みかたかを類義語るいぎごでしめせると、絵えがうかぶような文章ぶんしょうになります。

ようすを表あらわす言葉ことばの言いいかえ

「大おおきい」「小ちいさい」「きれい」のような、ようすを表あらわす言葉ことばも、類義語るいぎごをたくさんもっています。ようすの言葉ことばは、絵えや写真しゃしんのかわりに、読よむ人ひとの頭あたまの中なかにイメージを作つくるやくわりがあります。にた意味いみの言葉ことばのなかから一ひとつえらぶことで、その絵えをはっきりさせることができるのです。

もとの言葉ことば

類義語るいぎご

イメージのちがい

大おおきい

巨大きょだい(きょだい)だ

見上みあげるほど大おおきい感かんじ

小ちいさい

こまかい

こまごましている感かんじ

きれい

美うつくしい

心こころがうたれる感かんじ

きれい

すんでいる

すきとおっている感かんじ

速はやい

すばやい

体からだの動うごきが速はやい感かんじ

楽たのしい

おもしろい

心こころがひかれる感かんじ

たとえば「きれいな川かわ」と書かくより、「すんでいる川かわ」と書かいたほうが、川かわの水みずがとうめいなようすがはっきり見みえます。「大おおきな建物たてもの」より「巨大きょだいな建物たてもの」のほうが、見上みあげるほど大おおきいようすがつたわります。ようすの言葉ことばは、ぴったりの一ひとつをえらべるかどうかで、文章ぶんしょうの見みえ方かたがずいぶんかわります。

自分じぶんの作文さくぶんで言葉ことばをかえてみる

自分じぶんの感想かんそう文ぶんを読み返よみかえして、同おなじ言葉ことばが三さん回かい以上いじょう出でてくるところに、えんぴつでまるをつけてみてください。「うれしい」のほかにも「すごい」「楽たのしかった」がいくつも出でてくることがあります。気持きもちもようすも、同おなじ言葉ことばでかたまっていることに気きづけます。

  1. できあがった作文さくぶんを声こえに出だして読よみ、同おなじ言葉ことばに印しるしをつける
  2. その言葉ことばの類義語るいぎごを、国語こくごじてんやノートで二に〜三さんこさがす
  3. 場面ばめんに合あう一ひとつをえらんで、もとの言葉ことばと入いれかえる
  4. もう一度いちど声こえに出だして読よみ、文ぶんがしぜんかをたしかめる
  5. むりに言いいかえて意味いみがかわってしまったところは、もとにもどす

たいせつなのは、五ご番目ばんめの「もどす」というところです。類義語るいぎごは、にているけれど少すこしちがう言葉ことばなので、入いれかえすぎると意味いみがずれてしまうことがあります。

たとえば「楽たのしかった」を全部ぜんぶ「おもしろかった」にかえてしまうと、心こころがうごいた感かんじがうすくなることがあります。読み返よみかえして「これは前まえのほうがよかった」と思おもったら、ちゃんともとにもどしてあげましょう。

もう一ひとつのコツは、自分じぶんだけの「言葉ことばノート」を作つくることです。本ほんを読よんだり、テレビを見みたりしているときに、「これはいい言葉ことばだな」と感かんじた類義語るいぎごをノートに書かきためていきます。

「うれしい」のなかまには楽たのしい・よろこぶ・わくわく、「走はしる」のなかまにはかける・はしりだす、というように、グループでまとめておくと、作文さくぶんを書かくときにすぐ取り出とりだせます。じてんを引ひくのもいい方法ほうほうです。じてんの使い方つかいかたは、国語こくごじてんの引ひき方かた でくわしく説明せつめいしています。

場面ばめんに合あわせて選えらぶ類義語るいぎごと言い換いいかえ例れい

ここまで読よんで「自分じぶんの作文さくぶんにもさっそく使つかってみたい」と感かんじた人ひとのために、作文さくぶんや日記にっきでつかいやすい類義語るいぎごペアを、気持きもち・動うごき・ようすの三みっつのグループにまとめておきます。学校がっこうで習ならう漢字かんじを中心ちゅうしんにえらんでいるので、そのままノートに書かきうつしてつかえます。

もとの言葉ことば

類義語るいぎご

使つかう場面ばめん

うれしい

楽たのしい

友ともだちとあそんでいるとき

うれしい

よろこぶ

プレゼントをもらったとき

うれしい

わくわくする

遠足えんそくの前まえの夜よる

悲かなしい

さびしい

一人ひとりで家いえにいるとき

悲かなしい

つらい

いやなことが続つづいたとき

走はしる

かける

運動会うんどうかいのリレーの場面ばめん

歩あるく

足あしを運はこぶ

ハイキングで道みちを行いくとき

見みる

ながめる

空そらや山やまをゆっくり見みるとき

見みる

見みつめる

友ともだちの顔かおをじっと見みるとき

言いう

話はなす

友ともだちとふつうに話はなすとき

言いう

つたえる

大事だいじなことを正ただしく知しらせるとき

大おおきい

巨大きょだいだ

大おおきな門もんや建物たてものを見みたとき

きれい

美うつくしい

景色けしきをほめるとき

きれい

すんでいる

川かわや空気くうきのとうめい感かんを書かくとき

楽たのしい

おもしろい

本ほんやテレビに心こころがひかれたとき

この表ひょうは、上うえから順じゅんに作文さくぶんの中なかであらわれやすい場面ばめんの順じゅんにならべています。一ひとつの作文さくぶんで同おなじ言葉ことばが三さん回かい以上いじょう出でてきたら、表ひょうの中なかから場面ばめんに合あう類義語るいぎごをえらんで入いれかえてみましょう。入いれかえたあとに声こえに出だして読よんで、しぜんなら採用さいよう、ぎこちなければもとにもどす、という流ながれでだいじょうぶです。

やってみよう:類義語るいぎごを五いつつさがす

さいごに、これまで読よんできたことを思い出おもいだしながら、五いつつだけ自分じぶんで類義語るいぎごをさがしてみましょう。下したのリストの言葉ことばについて、にた意味いみの言葉ことばを一ひとつずつ思い出おもいだすか、国語こくごじてんで調しらべてみてください。思おもいつかないときは、ご家族かぞくや友ともだちに聞きいてもかまいません。

  • 「うれしい」のなかま:どんな場面ばめんでつかうかも考かんがえてみる
  • 「走はしる」のなかま:スピードや気持きもちのちがいに注目ちゅうもくする
  • 「きれい」のなかま:何なにがきれいなのかを思おもいうかべる
  • 「言いう」のなかま:声こえの大おおきさや相手あいてをそうぞうする
  • 「大おおきい」のなかま:ようすや感かんじの差さを見みつける

一ひとつでも見みつかったら、その日ひのうちに作文さくぶんや日記にっきで使つかってみましょう。書かいてみると、その言葉ことばが自分じぶんの文ぶんにしっくり合あうかをたしかめられます。類義語るいぎごを一ひとつえらべるようになるたびに、自分じぶんの中なかの言葉ことばのたなが少すこしずつふえていきます。

にた意味いみの言葉ことばを知しることは、自分じぶんの気持きもちをていねいに見みつめる練習れんしゅうでもあるのです。反対はんたいの意味いみを持もつ言葉ことばについて知しりたい人ひとは、対義語たいぎごの見みつけ方かた も読よんでみてください。