国語辞典の引き方と意味を早く調べるコツ

国語辞典の引き方と意味を早く調べるコツの記事を表すモノクロ漫画風イラスト

国語辞典の引き方を、五十音順の並びと見出し語のさがし方でやさしく整理します。用例の読み方や、調べた言葉を自分の文章で使うコツまで、手順をれいで確かめられます。

目次

  1. 国語辞典の中身の見方
  2. 見出し語と意味と用例の場所
  3. 五十音順の並び方を確かめる
  4. 長音や小さい字の決まり
  5. 見出し語の探し方の手順
  6. 引くときに役立つ三つの手順
  7. 用例から意味を理解する
  8. 意味を自分の言葉で言いかえる
  9. 調べた言葉を自分の文章で使う
  10. コピペで使える国語辞典 引き方手順サンプル
  11. 「あんのじょう」を引く手順
  12. 「いさましい」を引く手順
  13. 「けしき」を引く手順
  14. 「みごと」を引く手順
  15. よくある引き方の失敗
  16. 迷ったときのチェック
  17. よくある疑問
  18. 一冊の辞典が、本の世界を広げてくれる

本を読んでいて、知らない言葉に出会ったとき、どうしていますか。前後の文を読み返しても意味がつかめないことは、だれにでもあります。家の人に聞ける時間ならよいのですが、夜おそくや一人で読んでいるときは、なかなかむずかしいものです。そんなときに、ずっとそばで助けてくれるのが国語辞典です。ことばと意味がぎっしりつまった一さつが、本の世界での迷子を、そっと道案内してくれます。

ところが、いざ辞典を開いてみると、見たことのない記号や小さな文字がならんでいて、どこから引けばよいか分からなくなることがあります。引き方には、いくつかの目じるしと手順があり、これを知っているだけで、調べる時間がぐっと短くなります。この記事では、国語辞典の中身の見方、五十音順の並び方、見出し語のさがし方、意味と用例の読み方、調べた言葉を自分の文章で使うコツまでを、一つずつ整理していきます。

国語辞典の中身の見方

国語辞典は、たくさんの言葉とその意味を集めた本です。一つの言葉ごとに、品詞(その言葉のしゅるい)・意味・つかい方の文・反対の意味の言葉などが書かれています。本の見開きの左上と右上には、そのページの先頭と最後の言葉が大きく書かれていることが多いです。これを「つめ」や「はしら」とよびます。これを見ると、調べたい言葉がそのページにあるかどうかが、すぐにわかります。

また、辞典のいちばん前には「使い方の説明」がのっています。記号の意味や、品詞のしるしの読み方が書かれているところです。ふだんはとばしてしまいがちですが、一度ゆっくり読んでおくと、後がとても楽になります。ゆかちゃんも、お兄ちゃんから「最初の数ページを見ておくと早くなるよ」と教えてもらっていました。記号や太字の意味を知っているだけで、調べる時間がぐっと短くなります。

見出し語と意味と用例の場所

一つの言葉のかたまりの中で、いちばん大きく書かれているのが「見出し語」です。これがその言葉の代表的な形です。そのすぐ下に意味が書かれ、つづいて「用例」とよばれる例の文がのっています。用例は実さいの使い方を見せてくれるので、意味だけ読むよりずっとわかりやすいです。下の表で、それぞれの場所のはたらきをまとめておきます。

ばしょ

書かれているもの

はたらき

見出し語

その言葉の代表の形

どの言葉のせつ明かを示す

品詞のしるし

名詞・動詞・形容詞 など

言葉のしゅるいがわかる

意味

一つから三つくらい

その言葉のいみを知る

用例

実さいに使った文

使い方のイメージがつかめる

類義語・対義語

似た言葉・反対の言葉

言葉の世界が広がる

五十音順の並び方を確かめる

国語辞典は、「五十音順」に言葉がならんでいます。「あ・い・う・え・お」から始まり、「か・き・く・け・こ」とつづいていきます。同じ「か」で始まる言葉のなかでは、二つ目の文字を「あ・い・う・え・お」の順でくらべます。「かさ」と「かし」なら、「さ」と「し」の順で「かさ」が先に出てきます。一文字ずつ前から見くらべるのが基本のルールです。

もう一つ大事なルールがあります。それは、にごる音(がぎぐげご など)や半にごる音(ぱぴぷぺぽ)の場所です。多くの国語辞典では、「か」と「が」は同じグループとしてあつかい、清音→濁音→半濁音の順にならんでいます。たとえば「かき」「がき」「ぱき」のような言葉では、「かき」が先、「がき」が後に来ます。ただし辞典によって細かいやり方がちがうので、お手もとの辞典の説明ページで一度たしかめてみてください。

長音や小さい字の決まり

のばす音「ー」が入った言葉もあります。「ケーキ」や「コーヒー」のような言葉です。多くの辞典では、長音はその前の母音の音としてあつかいます。「ケーキ」なら「ケエキ」、「コーヒー」なら「コオヒイ」のように読みかえて、五十音順にならべるしくみです。小さく書く「っ」や「ゃ・ゅ・ょ」は、ふつうの大きさの「つ・や・ゆ・よ」と同じ場所にならべている辞典が多いです。じっさいの並び方は使っている辞典で見てたしかめましょう。

見出し語の探し方の手順

ここからは、ゆかちゃんの「とほうにくれる」を例に、引き方の手順を見ていきます。まず、頭の音を考えます。「とほうにくれる」の頭の音は「と」です。「と」は五十音の「た行」にあります。辞典のうしろの方では遅すぎ、前の方では早すぎる。だいたい全体の三分の一あたりを目安に開くと、近くにたどり着きやすいです。一度で当たらなくても、ページを少しずつめくれば必ず近づきます。

「と」のページを開いたら、次に二文字目を見ます。「とほう」の「ほ」は「は行」の「ほ」です。「と」のグループの中で、二文字目を五十音順にさがしていけば、「とほう」の場所に近づきます。それでも見つからないときは、「とほう」だけで意味が出ている場合と、「途方に暮れる」のように言いまわし全体で出ている場合があります。慣れないうちは、はじめの言葉から少しずつ引いてみてください。

引くときに役立つ三つの手順

  1. 頭の音を考える(あ行〜わ行のどこか)
  2. 二文字目・三文字目を順にたしかめる
  3. ページのはしらを見て、近いところまですすむ

用例から意味を理解する

見出し語にたどり着いたら、まず意味を読みます。それから用例の文を声に出して読んでみてください。意味の文だけでは「ふーん」で終わってしまうことがありますが、用例を読むと「あ、こういう時に使うんだ」とイメージがわいてきます。ゆかちゃんも「とほうにくれる」の用例で「道にまよって、とほうにくれた」という文を読み、頭の中に絵がうかびました。意味と用例の二つをセットで読む。これが、言葉を本当に分かるためのコツです。

もし意味が一つではなく、二つ三つと書かれていたら、上から順に読みましょう。多くの辞典では、よく使われる意味が上のほうにのっています。読んでいる本の場面に合う意味はどれかを、その場で考えてみてください。場面と意味がぴったり合えば、それが今ほしかった答えです。場面に合わないときは、別の意味で読みかえして、もう一度ためしてみるとよいです。

意味を自分の言葉で言いかえる

意味を読んだら、できれば自分の言葉で言いかえてみましょう。「とほうにくれる」を辞典の言葉のままおぼえるより、「どうしたらいいかわからなくて、こまってしまうこと」のように、自分が話すときの言い方になおすほうが頭に残りやすいです。ノートに書きとめるときも、辞典の文をそのまま写すのではなく、自分なりの言いかえを横に書いておくと、後で読み返したときに思い出しやすくなります。

調べた言葉を自分の文章で使う

意味がわかったら、その日のうちに、その言葉を使って短い文を一つ作ってみてください。ゆかちゃんは日記に「夜に道がわからなくなって、とほうにくれた犬の話を読んだ」と書きました。ほんの一文ですが、自分でその言葉を使った経験は、頭にしっかり残ります。辞典で調べただけで終わると、次の日には半分わすれてしまうこともあります。使うことで、言葉は自分のものになります。

「やってみよう」として、調べた言葉が三つたまったら、その三つを使った短いお話を作ってみるのもおすすめです。長い文章でなくてかまいません。三行くらいでよいので、自分の生活や好きなことに引きよせて文を作ってみてください。家族や友だちに読んでもらうと、もっと楽しくなります。声に出して読むと、ことばのリズムも体になじみやすくなります。

コピペで使える国語辞典 引き方手順サンプル

辞典を引くときの手順は、言葉によって少しずつちがいます。下に、小学生がよく調べる言葉を四つえらんで、引き方の手順を書きました。同じやり方で、ほかの言葉も引いてみてください。手順のあとに、よくある引き方の失敗もまとめてあります。同じまちがいをしていないか、自分の引き方をふり返ってみるとよいです。

「あんのじょう」を引く手順

  1. 頭の音「あ」を考え、辞典の前のほうを開く
  2. 「あ」のページのはしらを見て、「あん」のあたりまですすむ
  3. 「あんのじょう」の見出し語を見つけて意味を読む
  4. 用例の文を声に出して読み、場面を思いうかべる

「いさましい」を引く手順

  1. 頭の音「い」をたしかめ、辞典の前のほうを開く
  2. はしらを見て「いさ」のあたりにすすむ
  3. 見出し語「いさましい」の意味と用例を読む
  4. 似た言葉や反対の言葉ものっていれば一しょに見る

「けしき」を引く手順

  1. 頭の音「け」を考え、「か行」のおわりのほうを開く
  2. はしらを見て「け」のページにすすむ
  3. 見出し語「けしき」を見つけ、意味を二つまで読む
  4. 読んでいる本の場面に合う意味のほうをえらぶ

「みごと」を引く手順

  1. 頭の音「み」を考え、辞典のうしろのほうを開く
  2. はしらを見て「み」のページにすすむ
  3. 「みごと」の意味を読み、用例の文をたしかめる
  4. ノートに、自分の言葉で短いいいかえをメモする

よくある引き方の失敗

  • 漢字で書かれた言葉を、漢字のまま引こうとしてしまう(ひらがなにもどして引く)
  • にごる音と清音をまちがえて引く(「がっこう」を「かっこう」のページでさがしてしまう)
  • のばす音「ー」をそのまま引いて見つからない(前の母音にもどして考える)
  • はしらを見ないで、いきなり中ほどのページばかりめくる
  • 意味が二つ以上あるとき、上から順に読まずに一つだけ見て終わってしまう

迷ったときのチェック

  • 頭の音はあっているか、もう一度くちに出してたしかめる
  • にごる音と清音をまちがえていないか、文字をよく見る
  • 見出し語のページの「はしら」を見て、近づいているかしらべる
  • 意味と用例の両方を、ゆっくり声に出して読む
  • その日のうちに、自分の文を一つ作ってみる

よくある疑問

何ページ目から開けばよいか分からないとき。

引きたい言葉の頭の音が、五十音のどのへんかを思いうかべて、その目安で開きます。ちがっても、はしらを見れば近づけます。

言葉が見つからないとき。

漢字の言葉のときは、ひらがなで引いてみます。それでもないときは、似た形の別の言葉を考えて引いてみましょう。

意味がいくつもあって、どれが正解か分からないとき。

自分が読んでいる本の場面と、意味の文をくらべてみます。場面に合うものが、その時の意味です。

一冊の辞典が、本の世界を広げてくれる

ゆかちゃんはこの日、「とほうにくれる」の意味を辞典で見つけて、ノートに自分の言葉でメモを書きました。次の日、同じ言葉が物語のべつのページに出てきたとき、もう立ち止まらずにすみました。一度引いた言葉は、また会ったときに「知っているよ」とほほえみかけてくれるような気がします。国語辞典は、本を読む旅のとちゅうで、いつでも助けてくれる地図のような本です。

最初は引くのに時間がかかるかもしれません。それでも、一日一語でよいので、気になった言葉を引く習慣をつづけてみてください。一週間で七語、一年で三百語以上の出会いになります。似た言葉や反対の言葉も合わせておぼえたいときは、類義語の見つけ方対義語の見つけ方 も読んでみてください。辞典を引く手が、きっと前より軽くなっています。