ページを準備しています。少しお待ちください。
国語辞典の引き方と意味を早く調べるコツ

国語辞典の引き方を、五十音順の並びと見出し語のさがし方でやさしく整理します。用例の読み方や、調べた言葉を自分の文章で使うコツまで、手順をれいで確かめられます。
目次
本を読んでいて、知らない言葉に出会ったとき、どうしていますか。前後の文を読み返しても意味がつかめないことは、だれにでもあります。家の人に聞ける時間ならよいのですが、夜おそくや一人で読んでいるときは、なかなかむずかしいものです。そんなときに、ずっとそばで助けてくれるのが国語辞典です。ことばと意味がぎっしりつまった一さつが、本の世界での迷子を、そっと道案内してくれます。
ところが、いざ辞典を開いてみると、見たことのない記号や小さな文字がならんでいて、どこから引けばよいか分からなくなることがあります。引き方には、いくつかの目じるしと手順があり、これを知っているだけで、調べる時間がぐっと短くなります。この記事では、国語辞典の中身の見方、五十音順の並び方、見出し語のさがし方、意味と用例の読み方、調べた言葉を自分の文章で使うコツまでを、一つずつ整理していきます。
国語辞典の中身の見方
国語辞典は、たくさんの言葉とその意味を集めた本です。一つの言葉ごとに、品詞(その言葉のしゅるい)・意味・つかい方の文・反対の意味の言葉などが書かれています。本の見開きの左上と右上には、そのページの先頭と最後の言葉が大きく書かれていることが多いです。これを「つめ」や「はしら」とよびます。これを見ると、調べたい言葉がそのページにあるかどうかが、すぐにわかります。
また、辞典のいちばん前には「使い方の説明」がのっています。記号の意味や、品詞のしるしの読み方が書かれているところです。ふだんはとばしてしまいがちですが、一度ゆっくり読んでおくと、後がとても楽になります。ゆかちゃんも、お兄ちゃんから「最初の数ページを見ておくと早くなるよ」と教えてもらっていました。記号や太字の意味を知っているだけで、調べる時間がぐっと短くなります。
見出し語と意味と用例の場所
一つの言葉のかたまりの中で、いちばん大きく書かれているのが「見出し語」です。これがその言葉の代表的な形です。そのすぐ下に意味が書かれ、つづいて「用例」とよばれる例の文がのっています。用例は実さいの使い方を見せてくれるので、意味だけ読むよりずっとわかりやすいです。下の表で、それぞれの場所のはたらきをまとめておきます。
ばしょ | 書かれているもの | はたらき |
|---|---|---|
見出し語 | その言葉の代表の形 | どの言葉のせつ明かを示す |
品詞のしるし | 名詞・動詞・形容詞 など | 言葉のしゅるいがわかる |
意味 | 一つから三つくらい | その言葉のいみを知る |
用例 | 実さいに使った文 | 使い方のイメージがつかめる |
類義語・対義語 | 似た言葉・反対の言葉 | 言葉の世界が広がる |
五十音順の並び方を確かめる
国語辞典は、「五十音順」に言葉がならんでいます。「あ・い・う・え・お」から始まり、「か・き・く・け・こ」とつづいていきます。同じ「か」で始まる言葉のなかでは、二つ目の文字を「あ・い・う・え・お」の順でくらべます。「かさ」と「かし」なら、「さ」と「し」の順で「かさ」が先に出てきます。一文字ずつ前から見くらべるのが基本のルールです。
もう一つ大事なルールがあります。それは、にごる音(がぎぐげご など)や半にごる音(ぱぴぷぺぽ)の場所です。多くの国語辞典では、「か」と「が」は同じグループとしてあつかい、清音→濁音→半濁音の順にならんでいます。たとえば「かき」「がき」「ぱき」のような言葉では、「かき」が先、「がき」が後に来ます。ただし辞典によって細かいやり方がちがうので、お手もとの辞典の説明ページで一度たしかめてみてください。
長音や小さい字の決まり
のばす音「ー」が入った言葉もあります。「ケーキ」や「コーヒー」のような言葉です。多くの辞典では、長音はその前の母音の音としてあつかいます。「ケーキ」なら「ケエキ」、「コーヒー」なら「コオヒイ」のように読みかえて、五十音順にならべるしくみです。小さく書く「っ」や「ゃ・ゅ・ょ」は、ふつうの大きさの「つ・や・ゆ・よ」と同じ場所にならべている辞典が多いです。じっさいの並び方は使っている辞典で見てたしかめましょう。
見出し語の探し方の手順
ここからは、ゆかちゃんの「とほうにくれる」を例に、引き方の手順を見ていきます。まず、頭の音を考えます。「とほうにくれる」の頭の音は「と」です。「と」は五十音の「た行」にあります。辞典のうしろの方では遅すぎ、前の方では早すぎる。だいたい全体の三分の一あたりを目安に開くと、近くにたどり着きやすいです。一度で当たらなくても、ページを少しずつめくれば必ず近づきます。
「と」のページを開いたら、次に二文字目を見ます。「とほう」の「ほ」は「は行」の「ほ」です。「と」のグループの中で、二文字目を五十音順にさがしていけば、「とほう」の場所に近づきます。それでも見つからないときは、「とほう」だけで意味が出ている場合と、「途方に暮れる」のように言いまわし全体で出ている場合があります。慣れないうちは、はじめの言葉から少しずつ引いてみてください。
引くときに役立つ三つの手順
- 頭の音を考える(あ行〜わ行のどこか)
- 二文字目・三文字目を順にたしかめる
- ページのはしらを見て、近いところまですすむ
用例から意味を理解する
見出し語にたどり着いたら、まず意味を読みます。それから用例の文を声に出して読んでみてください。意味の文だけでは「ふーん」で終わってしまうことがありますが、用例を読むと「あ、こういう時に使うんだ」とイメージがわいてきます。ゆかちゃんも「とほうにくれる」の用例で「道にまよって、とほうにくれた」という文を読み、頭の中に絵がうかびました。意味と用例の二つをセットで読む。これが、言葉を本当に分かるためのコツです。
もし意味が一つではなく、二つ三つと書かれていたら、上から順に読みましょう。多くの辞典では、よく使われる意味が上のほうにのっています。読んでいる本の場面に合う意味はどれかを、その場で考えてみてください。場面と意味がぴったり合えば、それが今ほしかった答えです。場面に合わないときは、別の意味で読みかえして、もう一度ためしてみるとよいです。
意味を自分の言葉で言いかえる
意味を読んだら、できれば自分の言葉で言いかえてみましょう。「とほうにくれる」を辞典の言葉のままおぼえるより、「どうしたらいいかわからなくて、こまってしまうこと」のように、自分が話すときの言い方になおすほうが頭に残りやすいです。ノートに書きとめるときも、辞典の文をそのまま写すのではなく、自分なりの言いかえを横に書いておくと、後で読み返したときに思い出しやすくなります。
調べた言葉を自分の文章で使う
意味がわかったら、その日のうちに、その言葉を使って短い文を一つ作ってみてください。ゆかちゃんは日記に「夜に道がわからなくなって、とほうにくれた犬の話を読んだ」と書きました。ほんの一文ですが、自分でその言葉を使った経験は、頭にしっかり残ります。辞典で調べただけで終わると、次の日には半分わすれてしまうこともあります。使うことで、言葉は自分のものになります。
「やってみよう」として、調べた言葉が三つたまったら、その三つを使った短いお話を作ってみるのもおすすめです。長い文章でなくてかまいません。三行くらいでよいので、自分の生活や好きなことに引きよせて文を作ってみてください。家族や友だちに読んでもらうと、もっと楽しくなります。声に出して読むと、ことばのリズムも体になじみやすくなります。
コピペで使える国語辞典 引き方手順サンプル
辞典を引くときの手順は、言葉によって少しずつちがいます。下に、小学生がよく調べる言葉を四つえらんで、引き方の手順を書きました。同じやり方で、ほかの言葉も引いてみてください。手順のあとに、よくある引き方の失敗もまとめてあります。同じまちがいをしていないか、自分の引き方をふり返ってみるとよいです。
「あんのじょう」を引く手順
- 頭の音「あ」を考え、辞典の前のほうを開く
- 「あ」のページのはしらを見て、「あん」のあたりまですすむ
- 「あんのじょう」の見出し語を見つけて意味を読む
- 用例の文を声に出して読み、場面を思いうかべる
「いさましい」を引く手順
- 頭の音「い」をたしかめ、辞典の前のほうを開く
- はしらを見て「いさ」のあたりにすすむ
- 見出し語「いさましい」の意味と用例を読む
- 似た言葉や反対の言葉ものっていれば一しょに見る
「けしき」を引く手順
- 頭の音「け」を考え、「か行」のおわりのほうを開く
- はしらを見て「け」のページにすすむ
- 見出し語「けしき」を見つけ、意味を二つまで読む
- 読んでいる本の場面に合う意味のほうをえらぶ
「みごと」を引く手順
- 頭の音「み」を考え、辞典のうしろのほうを開く
- はしらを見て「み」のページにすすむ
- 「みごと」の意味を読み、用例の文をたしかめる
- ノートに、自分の言葉で短いいいかえをメモする
よくある引き方の失敗
- 漢字で書かれた言葉を、漢字のまま引こうとしてしまう(ひらがなにもどして引く)
- にごる音と清音をまちがえて引く(「がっこう」を「かっこう」のページでさがしてしまう)
- のばす音「ー」をそのまま引いて見つからない(前の母音にもどして考える)
- はしらを見ないで、いきなり中ほどのページばかりめくる
- 意味が二つ以上あるとき、上から順に読まずに一つだけ見て終わってしまう
迷ったときのチェック
- 頭の音はあっているか、もう一度くちに出してたしかめる
- にごる音と清音をまちがえていないか、文字をよく見る
- 見出し語のページの「はしら」を見て、近づいているかしらべる
- 意味と用例の両方を、ゆっくり声に出して読む
- その日のうちに、自分の文を一つ作ってみる
よくある疑問
何ページ目から開けばよいか分からないとき。
引きたい言葉の頭の音が、五十音のどのへんかを思いうかべて、その目安で開きます。ちがっても、はしらを見れば近づけます。
言葉が見つからないとき。
漢字の言葉のときは、ひらがなで引いてみます。それでもないときは、似た形の別の言葉を考えて引いてみましょう。
意味がいくつもあって、どれが正解か分からないとき。
自分が読んでいる本の場面と、意味の文をくらべてみます。場面に合うものが、その時の意味です。
一冊の辞典が、本の世界を広げてくれる
ゆかちゃんはこの日、「とほうにくれる」の意味を辞典で見つけて、ノートに自分の言葉でメモを書きました。次の日、同じ言葉が物語のべつのページに出てきたとき、もう立ち止まらずにすみました。一度引いた言葉は、また会ったときに「知っているよ」とほほえみかけてくれるような気がします。国語辞典は、本を読む旅のとちゅうで、いつでも助けてくれる地図のような本です。
最初は引くのに時間がかかるかもしれません。それでも、一日一語でよいので、気になった言葉を引く習慣をつづけてみてください。一週間で七語、一年で三百語以上の出会いになります。似た言葉や反対の言葉も合わせておぼえたいときは、類義語の見つけ方 や 対義語の見つけ方 も読んでみてください。辞典を引く手が、きっと前より軽くなっています。
