送りがなのつけ方のルールと迷いやすい例

送りがなのつけ方のルールと迷いやすい例の記事を表すモノクロ漫画風イラスト

送りがなのつけ方を、活用する語と活用しない語の見分け方でやさしく整理します。「動かす」「動く」「動き」など、漢字テストで迷いやすい言葉のれいでルールを確かめられます。

目次

  1. 送りがなって何のためにあるの
  2. 動きを表す言葉のルール
  3. 動詞の活用と送りがなの関係
  4. ようすを表す言葉のルール
  5. 形容詞・形容動詞の例
  6. 迷いやすい言葉を例で確かめる
  7. 迷ったときのチェック
  8. コピペで使える送りがな迷いやすい言葉リスト
  9. 自分で書いて練習してみる
  10. よくある疑問
  11. 送りがなは、漢字の意味を案内する小さなしるし

漢字テストで、「動かす」と書くところを「動す」と書いて×がついた。そんな経験はないでしょうか。意味は伝わるはずなのに、なぜまちがいになるのか、最初はなかなか分かりません。漢字のあとにつくひらがな、つまり「送りがな」は、つけ方にちょっとしたきまりがあります。きまりを知らないままだと、同じ漢字を書くたびに、毎回ちがう長さで書いてしまい、何度もまちがいをくり返してしまうのです。

「動く」「動かす」「動かない」は、同じ「動」の字でも、後ろにつくひらがなの長さがそれぞれちがいます。これには、ちゃんとした目じるしがあります。目じるしを一度つかんでしまえば、はじめて見る言葉でも、送りがながどこまでかが分かるようになります。この記事では、送りがながあるわけ、動きを表す言葉のルール、ようすを表す言葉のルール、まちがえやすい言葉、自分で練習するコツまでを順に見ていきます。

送りがなって何のためにあるの

送りがなは、漢字の後ろにつけるひらがなのことです。同じ漢字でも、意味や使い方がちがうときに、送りがなで言いかえます。「動く」「動かす」「動ける」は、漢字は同じでも、表しているはたらきが少しずつちがいます。送りがなは、その「ちがい」を読む人に正しく伝えるための小さな案内ふだのようなものです。これがないと、漢字だけ見て読み方がわからなかったり、意味のとりちがえが起きたりします。

日本では、内かく告示で「送り仮名の付け方」というめやすが決められています。一九七三年に告示され、一九八一年と二〇一〇年に少し直されたものです。学校で習う送りがなのルールも、これがもとになっています。むずかしい話に聞こえますが、覚える中心は「動きを表す言葉」と「ようすを表す言葉」の二つだけ。基本のかたちさえつかめば、はじめて見る言葉でも見当がつくようになります。

動きを表す言葉のルール

「動く」「走る」「読む」のように、人やものの動きを表す言葉を、動詞といいます。動詞の送りがなには、大きな目じるしがあります。それは、「言い切りの形」をもとに考えることです。言い切りの形とは、「うごく」「はしる」「よむ」のように、文の終わりにそのまま使える形のことです。この最後の音にあたるひらがなが、漢字の後ろの送りがなのスタートになります。

たとえば「動く(うごく)」のときは、「う」の音は「動」という漢字でうけもち、「く」が送りがなになります。これが「動かす(うごかす)」になると、漢字の音は同じ「うご」のままで、後ろに「かす」がつきます。同じように「動かない」なら「かない」、「動こう」なら「こう」が後ろにつきます。形が変わった部分は、ぜんぶ送りがなとして書き表す。これが動詞の送りがなの大きな考え方です。

動詞の活用と送りがなの関係

言い切り

使い方の例

送りがなのかたち

動く

車が動く

動かす

車を動かす

かす

動かない

車が動かない

かない

書く

名前を書く

書ける

うまく書ける

ける

読む

本を読む

読まない

まだ読まない

まない

たくみくんが「動す」と書いてしまったのは、「動かす」のうちの「か」を入れわすれたためでした。同じ漢字「動」を使っていても、「動く」と「動かす」は形がちがう動詞です。形が変わったぶんは、すべてひらがなで書きあらわす。このきまりを覚えておけば、たくみくんはもう同じまちがいをくり返しません。

ようすを表す言葉のルール

ようすや気もちを表す言葉も、送りがながつきます。「明るい」「楽しい」「うれしい」のように、最後が「い」で終わる言葉を、形容詞といいます。形容詞の送りがなも、考え方は動詞と同じです。言い切りの形を見て、形が変わるところを送りがなで書きます。「明るい」なら「るい」、「明るむ」なら「るむ」、「明らか」なら「らか」というふうにです。

小学校で出てくる形容詞には、形が同じところと、ちがうところがあります。たとえば、「楽しい」「楽しむ」「楽しさ」は、最初の「楽」は同じですが、後ろのひらがながぜんぶ少しずつちがいます。あわてて漢字だけで書いてしまうと、意味の取りちがえが起きやすくなります。形容詞は、後ろの「い」までを送りがなにふくめるのが基本です。

形容詞・形容動詞の例

言い切り

使い方の例

送りがなのかたち

明るい

部屋が明るい

るい

明らか

答えが明らかになる

らか

楽しい

休み時間は楽しい

しい

楽しむ

休みを楽しむ

しむ

新しい

新しいくつをはく

しい

正しい

答えは正しい

しい

正す

まちがいを正す

迷いやすい言葉を例で確かめる

送りがなには、とくに迷いやすい言葉がいくつかあります。たくみくんがテストで間ちがえたのも、その中の一つでした。下の表は、小学校で出会うことが多い、まちがえやすい送りがなを集めたものです。ノートのはしに書きうつしておくと、宿題のときにすぐにたしかめることができます。

正しい書き方

まちがえやすい例

気をつける点

動かす

動す

「か」をわすれない

行う

「う」を送るのをわすれない

行く

行いく

「く」だけで足りる

表す

表わす

「す」だけで足りる

短い

短かい

「い」だけで足りる

冷たい

冷い

「た」をわすれない

味わう

味う

「わ」をわすれない

幸せ

幸わせ

「わ」はつけない

「行う」と「行く」は、どちらも「行」の字を使いますが、送りがながちがいます。「行う」は何かをするという意味で、後ろに「う」だけがつきます。「行く」は場所をうつるという意味で、後ろに「く」だけがつきます。意味と読み方をセットで考えると、まちがえにくくなります。声に出して読んで、しっくりくる形をえらぶのもよい方法です。

迷ったときのチェック

  • 言い切りの形に直して読んでみる
  • 形が変わったところは、すべてひらがなで書く
  • 「い」で終わる言葉は、「い」までを送りがなに入れる
  • 迷ったら国語辞典で見出し語をたしかめる
  • 同じ漢字をつかうほかの言葉とくらべる

コピペで使える送りがな迷いやすい言葉リスト

送りがなで迷いやすい言葉を、十二語えらんで一つの表にまとめました。テスト前にざっと見直すだけで、よくあるまちがいをぐっとへらすことができます。読み方を声に出してたしかめながら、書く形を目でおぼえていってください。よくある誤りの形は、自分が書いていないか、ふだんのノートとくらべて見るのがおすすめです。

正しい書き方

読み

よくある誤り

動かす

うごかす

動す

表す

あらわす

表わす

行う

おこなう

行なう / 行

短い

みじかい

短かい

冷たい

つめたい

冷い

味わう

あじわう

味う

幸せ

しあわせ

幸わせ

必ず

かならず

必らず

少ない

すくない

少い

受ける

うける

受る

起きる

おきる

起る

考える

かんがえる

考る

細かい

こまかい

細い

育てる

そだてる

育る

「表す」は「あらわす」と読みますが、「表わす」と書いてしまいがちです。「行う」は「おこなう」、「行く」は「いく」と、同じ「行」でも送りがながちがう代表的な例です。「短かい」「冷い」のように、よけいなひらがなを足したり、足りなかったりするまちがいも多くあります。一語ずつ、声に出して読んで、書く形をたしかめてください。

自分で書いて練習してみる

ルールを読むだけでは、なかなか体になじみません。そこで、たくみくんは「動」を使った文を、まいにち一つずつノートに書くことにしました。「車が動く」「弟がおもちゃを動かす」「ねこは動かない」というふうに、形をすこしずつ変えて書いていきます。書くたびに、漢字の後ろのひらがなが少しずつちがうことに気づきます。手を動かして書くと、目で読むだけよりずっとよく身につきます。

「やってみよう」として、一週間で一つの漢字を集中して練習するのもおすすめです。月曜は「動」、火曜は「明」、水曜は「楽」というふうに、一日一文字を決めて、その字を使った言葉を五つずつ書いてみます。書きためたノートを週末に見直すと、同じ漢字でも形がいろいろあることに気づくはずです。送りがなは、つかえばつかうほど、自然に手がおぼえてくれます。

よくある疑問

教科書と本で送りがながちがうことがある。

古い本や、特別な書き方をしている本では、いまの決まりとちがう送りがながつかわれることがあります。学校では、いまの教科書の書き方にあわせれば大丈夫です。

全部ひらがなで書いてもいいのか。

書いてもまちがいではありません。ただ、漢字をならったあとは、漢字と送りがなを正しく組み合わせて書くと、読む人にとって読みやすくなります。

漢字辞典には送りがながのっているか。

のっています。見出し語の下に「動・かす」のように点で区切って書かれていることが多いです。点のあとが送りがなです。

送りがなは、漢字の意味を案内する小さなしるし

たくみくんは、その週末に、もう一度漢字テストの直しをしました。「動す」と書いてしまったところを「動かす」と書きかえ、よこに自分の言葉で「うごかすときは、かをわすれない」とメモを足します。次のテストで同じ問題が出たとき、たくみくんは少しもまよわず、正しい送りがなを書くことができました。小さなしるしを正しく置けると、漢字の意味がよりはっきりと伝わります。

送りがなは、おぼえるものというより、読みなれていくものです。教科書や本を声に出して読むと、自然と耳がリズムをおぼえてくれます。送りがなで迷ったときは、国語辞典の引き方漢字ノートの作り方 も読んでみてください。書き方を一つひとつ手でたしかめていくと、いつのまにか、まちがいの数がへっていきます。