送りがなのつけ方のルールと迷いやすい例

送りがなのつけ方のルールと迷いやすい例の記事を表すモノクロ漫画風イラスト

送りがなのつけ方を、活用する語と活用しない語の見分け方でやさしく整理します。「動かす」「動く」「動き」など、漢字テストで迷いやすい言葉のれいでルールを確かめられます。

目次

12項目
  1. 結論:言い切りの形で考え、形が変わるところを送りがなで書く
  2. 送りがなって何のためにあるの
  3. 動きを表す言葉のルール
  4. 動詞の活用と送りがなの関係
  5. ようすを表す言葉のルール
  6. 形容詞・形容動詞と、同じ漢字を使う動詞の例
  7. 迷いやすい言葉を例で確かめる
  8. 送りがなで迷ったときのチェック
  9. 送りがなで迷いやすい言葉と書き方の違い
  10. 自分で書いて練習してみる
  11. 送りがなのよくある疑問
  12. 送りがなは、漢字の意味を案内する小さなしるし

漢字かんじテストで、「動うごかす」と書かくところを「動うごす」と書かいて×がついた。そんな経験けいけんはないでしょうか。意味いみは伝つたわるはずなのに、なぜまちがいになるのか、最初さいしょはなかなか分わかりません。

漢字かんじのあとにつくひらがな、つまり「送おくりがな」は、つけ方かたにちょっとしたきまりがあります。きまりを知しらないままだと、同おなじ漢字かんじを書かくたびに、毎回まいかいちがう長ながさで書かいてしまい、何なん度どもまちがいをくり返かえしてしまうのです。

「動うごく」「動うごかす」「動うごかない」は、同おなじ「動どう」の字じでも、後うしろにつくひらがなの長ながさがそれぞれちがいます。これには、ちゃんとした目めじるしがあります。目めじるしを一度いちどつかんでしまえば、はじめて見みる言葉ことばでも、送おくりがながどこまでかが分わかるようになります。

結論けつろん:言い切いいきりの形かたちで考かんがえ、形かたちが変かわるところを送おくりがなで書かく

  • 送おくりがなは漢字かんじの後うしろにつけるひらがなで、意味いみや使い方つかいかたのちがいを読よむ人ひとに正ただしく伝つたえるためのものです。
  • 「動うごす」は「動うごかす」の「か」の入いれわすれです。形かたちが変かわったぶんは、すべてひらがなで書かきあらわします。
  • 形容詞けいようしのように「い」で終おわる言葉ことばは、後うしろの「い」までを送おくりがなにふくめるのが基本きほんです。
  • 「表あらわす」「行おこなう」は許容きょようでまちがいではありませんが、学校がっこうで習ならう本則ほんそくの形かたちを基本きほんにして書かきます。

送おくりがなって何なんのためにあるの

送おくりがなは、漢字かんじの後うしろにつけるひらがなのことです。同おなじ漢字かんじでも、意味いみや使い方つかいかたがちがうときに、送おくりがなで言いいかえます。「動うごく」「動うごかす」「動うごける」は、漢字かんじは同おなじでも、表あらわしているはたらきが少すこしずつちがいます。

送おくりがなは、その「ちがい」を読よむ人ひとに正ただしく伝つたえるための小ちいさな案内あんないふだのようなものです。これがないと、漢字かんじだけ見みて読み方よみかたがわからなかったり、意味いみのとりちがえが起おきたりします。

日本にほんでは、内ないかく告示こくじで「送おくり仮名がなの付け方つけかた」というめやすが決きめられています。一九七三年せんきゅうひゃくななじゅうさんねんに告示こくじされ、一九八一年せんきゅうひゃくはちじゅういちねんと二〇一〇年にせんじゅうねんに少すこし直なおされたものです。学校がっこうで習ならう送おくりがなのルールも、これがもとになっています。

むずかしい話はなしに聞きこえますが、覚おぼえる中心ちゅうしんは「動うごきを表あらわす言葉ことば」と「ようすを表あらわす言葉ことば」の二ふたつだけ。基本きほんのかたちさえつかめば、はじめて見みる言葉ことばでも見当けんとうがつくようになります。

動うごきを表あらわす言葉ことばのルール

「動うごく」「走はしる」「読よむ」のように、人ひとやものの動うごきを表あらわす言葉ことばを、動詞どうしといいます。動詞どうしの送おくりがなには、大おおきな目めじるしがあります。それは、「言い切いいきりの形かたち」をもとに考かんがえることです。言い切いいきりの形かたちとは、「うごく」「はしる」「よむ」のように、文ぶんの終おわりにそのまま使つかえる形かたちのことです。

この言い切いいきりの形かたちから形かたちが変かわる部分ぶぶんを、漢字かんじの後うしろに送おくりがなとして書かきます。「うごく」なら「く」の一いち字じですが、「うける」なら「ける」、「かんがえる」なら「える」のように、言葉ことばによって長ながさがちがいます。

たとえば「動うごく(うごく)」のときは、「うご」の音おとを「動どう」という漢字かんじでうけもち、「く」が送おくりがなになります。これが「動うごかす(うごかす)」になると、漢字かんじの音おとは同おなじ「うご」のままで、後うしろに「かす」がつきます。

同おなじように「動うごかない」なら「かない」、「動うごこう」なら「こう」が後うしろにつきます。形かたちが変かわった部分ぶぶんは、ぜんぶ送おくりがなとして書き表かきあらわす。これが動詞どうしの送おくりがなの大おおきな考え方かんがえかたです。

動詞どうしの活用かつようと送おくりがなの関係かんけい

言葉ことばの形かたち

使い方つかいかたの例れい

送おくりがなのかたち

動うごく

車くるまが動うごく

く

動うごかす

車くるまを動うごかす

かす

動うごかない

車くるまが動うごかない

かない

書かく

名前なまえを書かく

く

書かける

うまく書かける

ける

読よむ

本ほんを読よむ

む

読よまない

まだ読よまない

まない

「動うごす」と書かいてしまうのは、「動うごかす」のうちの「か」を入いれわすれたときです。同おなじ漢字かんじ「動どう」を使つかっていても、「動うごく」と「動うごかす」は形かたちがちがう動詞どうしです。形かたちが変かわったぶんは、すべてひらがなで書がきあらわす。このきまりを覚おぼえておくと、同おなじまちがいをふせげます。

ようすを表あらわす言葉ことばのルール

ようすや気きもちを表あらわす言葉ことばも、送おくりがながつきます。「明あかるい」「楽たのしい」「うれしい」のように、最後さいごが「い」で終おわる言葉ことばを、形容詞けいようしといいます。形容詞けいようしの送おくりがなも、考え方かんがえかたは動詞どうしと同おなじです。

言い切いいきりの形かたちを見みて、形かたちが変かわるところを送おくりがなで書かきます。「明あかるい」なら「るい」、「明あかるむ」なら「るむ」、「明あきらか」なら「らか」というふうにです。

小学校しょうがっこうで出でてくる形容詞けいようしには、形かたちが同おなじところと、ちがうところがあります。たとえば、「楽たのしい」「楽たのしむ」「楽たのしさ」は、最初さいしょの「楽らく」は同おなじですが、後うしろのひらがながぜんぶ少すこしずつちがいます。

あわてて漢字かんじだけで書かいてしまうと、意味いみの取とりちがえが起おきやすくなります。形容詞けいようしは、後うしろの「い」までを送おくりがなにふくめるのが基本きほんです。

形容詞けいようし・形容動詞けいようどうしと、同おなじ漢字かんじを使つかう動詞どうしの例れい

言葉ことばの形かたち

使い方つかいかたの例れい

送おくりがなのかたち

明あかるい

部屋へやが明あかるい

るい

明あきらか

答こたえが明あきらかになる

らか

楽たのしい

休やすみ時間じかんは楽たのしい

しい

楽たのしむ

休やすみを楽たのしむ

しむ

新あたらしい

新あたらしいくつをはく

しい

正ただしい

答こたえは正ただしい

しい

正ただす

まちがいを正ただす

す

迷まよいやすい言葉ことばを例れいで確たしかめる

送おくりがなには、とくに迷まよいやすい言葉ことばがいくつかあります。下したの表ひょうは、小学校しょうがっこうで出会であうことが多おおい、まちがえやすい送おくりがなを集あつめたものです。ノートのはしに書かきうつしておくと、宿題しゅくだいのときにすぐにたしかめることができます。

正ただしい書き方かきかた

まちがえやすい例れい

気きをつける点てん

動うごかす

動うごす

「か」をわすれない

行おこなう

行おこな

「う」を送おくるのをわすれない

行いく

行いいく

「く」だけで足たりる

必かならず

必かなららず

「ら」は入いれない

短みじかい

短みじかかい

「い」だけで足たりる

冷つめたい

冷つめい

「た」をわすれない

味あじわう

味あじう

「わ」をわすれない

幸しあわせ

幸しあわわせ

「わ」はつけない

「行おこなう」と「行いく」は、どちらも「行こう」の字じを使つかいますが、送おくりがながちがいます。「行おこなう」は何なにかをするという意味いみで、後うしろに「う」だけがつきます。

「行いく」は場所ばしょをうつるという意味いみで、後うしろに「く」だけがつきます。意味いみと読み方よみかたをセットで考かんがえると、まちがえにくくなります。声こえに出だして読よんで、しっくりくる形かたちをえらぶのもよい方法ほうほうです。

送おくりがなで迷まよったときのチェック

  • 言い切いいきりの形かたちに直なおして読よんでみる
  • 形かたちが変かわったところは、すべてひらがなで書かく
  • 「い」で終おわる言葉ことばは、「い」までを送おくりがなに入いれる
  • 迷まよったら国語こくご辞典じてんで見出みだし語ごをたしかめる
  • 同おなじ漢字かんじをつかうほかの言葉ことばとくらべる

送おくりがなで迷まよいやすい言葉ことばと書き方かきかたの違ちがい

送おくりがなで迷まよいやすい言葉ことばを、十じゅう四よん語ごえらんで一ひとつの表ひょうにまとめました。ここで大事だいじなのは、「まちがい」と「どちらでもよい書き方かきかた」を分わけて覚おぼえることです。

国くにが示しめしている「送おくり仮名がなの付け方つけかた」という決きまりでは、基本きほんの形かたち(本則ほんそく)のほかに、「表あらわす」「行おこなう」のように使つかってもよい形かたち(許容きょよう)が決きめられています。学校がっこうでは本則ほんそくで習ならうので本則ほんそくを基本きほんにしながら、許容きょようの形かたちはまちがいではないと知しっておきましょう。

本則ほんそく(学校がっこうで習ならう形かたち)

読よみ

許容きょよう(使つかってもよい形かたち)

まちがいやすい形かたち

動うごかす

うごかす

―

動うごす

表あらわす

あらわす

表あらわす

―

行おこなう

おこなう

行おこなう

「行こう」だけで止とめる

短みじかい

みじかい

―

短みじかかい

冷つめたい

つめたい

―

冷つめい

味あじわう

あじわう

―

味あじう

幸しあわせ

しあわせ

―

幸しあわわせ

必かならず

かならず

―

必かなららず

少すくない

すくない

―

少すくい

受うける

うける

―

受うる

起おこる

おこる

起おこる

―

考かんがえる

かんがえる

―

考かんがる

細こまかい

こまかい

―

細ほそい(「ほそい」と読よむ別べつの言葉ことば)

育そだてる

そだてる

―

育そだる

「表あらわす」「行おこなう」は、学校がっこうで習ならう本則ほんそくの形かたちです。「表あらわす」「行おこなう」「起おこる」と書かいても決きまりの上うえではまちがいではありませんが、テストでは習ならった本則ほんそくの形かたちで書かくのが安全あんぜんです。「行おこなう」は「おこなう」、「行いく」は「いく」と、同おなじ「行こう」でも送おくりがながちがう代表だいひょう的てきな例れいです。

一方いっぽう、「短みじかかい」「冷つめい」のように、よけいなひらがなを足たしたり足たりなかったりする形かたちは、どちらの決きまりにもないまちがいです。また「細ほそい」は「ほそい」と読よむ別べつの言葉ことばです。「こまかい」のつもりで「細ほそい」と書かくと、読よむ人ひとは「ほそい」と読よんでしまいます。一いち語ごずつ、声こえに出だして読よんで、書かく形かたちをたしかめてください。

自分じぶんで書かいて練習れんしゅうしてみる

ルールを読よむだけでは、なかなか体からだになじみません。そこで、「動どう」を使つかった文ぶんを、まいにち一ひとつずつノートに書かいてみてください。「車くるまが動うごく」「弟おとうとがおもちゃを動うごかす」「ねこは動うごかない」というふうに、形かたちをすこしずつ変かえて書かいていきます。

書かくたびに、漢字かんじの後うしろのひらがなが少すこしずつちがうことに気きづきます。手てを動うごかして書かくと、目めで読よむだけのときより印いんしょうに残のこりやすくなります。

「やってみよう」として、一週間いっしゅうかんで一ひとつの漢字かんじを集中しゅうちゅうして練習れんしゅうするのもおすすめです。月曜げつようは「動どう」、火曜かようは「明めい」、水曜すいようは「楽らく」というふうに、一いち日にち一文字ひともじを決きめて、その字じを使つかった言葉ことばを五いつつずつ書かいてみます。

書かきためたノートを週末しゅうまつに見直みなおすと、同おなじ漢字かんじでも形かたちがいろいろあることに気きづくはずです。送おくりがなは、つかうたびに、形かたちを手てでたしかめる練習れんしゅうになります。

送おくりがなのよくある疑問ぎもん

教科書きょうかしょと本ほんで送おくりがながちがうことがある。

古ふるい本ほんや、特別とくべつな書き方かきかたをしている本ほんでは、いまの決きまりとちがう送おくりがながつかわれることがあります。学校がっこうでは、いまの教科書きょうかしょの書き方かきかたにあわせれば大丈夫だいじょうぶです。

全部ぜんぶひらがなで書かいてもいいのか。

書かいてもまちがいではありません。ただ、漢字かんじをならったあとは、漢字かんじと送おくりがなを正ただしく組み合くみあわせて書かくと、読よむ人ひとにとって読よみやすくなります。

漢字かんじ辞典じてんには送おくりがながのっているか。

のっています。読よみのところに「うご-く」「うご-かす」のように区切くぎりのしるしが入はいっていることが多おおいです。しるしのあとが送おくりがなです。

送おくりがなは、漢字かんじの意味いみを案内あんないする小ちいさなしるし

漢字かんじテストが返かえってきたら、その週しゅうのうちに直なおしをしましょう。「動うごす」と書かいてしまったところを「動うごかす」と書かきかえ、よこに自分じぶんの言葉ことばで「うごかすときは、かをわすれない」とメモを足たします。

自分じぶんの言葉ことばでメモを残のこしておくと、次つぎに同おなじ形かたちの問題もんだいに出会であったときに思い出おもいだしやすくなります。小ちいさなしるしを正ただしく置おけると、漢字かんじの意味いみがよりはっきりと伝つたわります。

送おくりがなは、おぼえるものというより、読よみなれていくものです。教科書きょうかしょや本ほんを声こえに出だして読よむと、送おくりがなのついた言葉ことばのリズムに耳みみでふれられます。送おくりがなで迷まよったときは、国語こくご辞典じてんの引ひき方かた や 漢字かんじノートの作り方つくりかた も読よんでみてください。書き方かきかたを一ひとつひとつ手しゅでたしかめていくと、迷まようことが少すこしずつへっていきます。