ページを準備しています。少しお待ちください。
ことわざのおぼえ方と意味が分かる身近な使い方

小学生でおぼえやすいことわざを、しっぱい・努力・助け合いの3つのテーマでやさしく整理します。「猿も木から落ちる」「ちりも積もれば山となる」など、教科書で出てくる言葉を意味と例文で確かめられます。
目次
ころんでひざをすりむいたときに「猿も木から落ちるよ」と言われたら、首をかしげてしまうかもしれません。猿でもないし、木にものぼっていないのに、と思うのが当たり前です。けれども、これは木のぼりが上手な猿でもときには落ちる、というたとえばなしです。じょうずな人でもしっぱいすることはあるのだから、ふつうの人ならしっぱいしても気にしなくていい、というはげましの言葉として、むかしから語りつがれてきました。
こうしたたとえばなしのような言い方を「ことわざ」と言います。みじかい言葉の中に、生活の知えや教えがつまった、むかしの人からのおくりものです。意味を知っていれば、本を読むのが楽しくなったり、しょげている友だちに短い言葉でこえをかけたりできるようになります。この記事では、ことわざとは何かというところから、しっぱい・努力・助け合いの三つのテーマで覚えやすい例を取り上げ、自分の生活と結びつけて思い出す練習方法までを順に紹介していきます。
ことわざって昔の人の知恵
ことわざとは、むかしの人がせいかつの中で気づいた知えや教えを、みじかい言い方にまとめたものです。長い時間をかけて多くの人に語りつがれてきたので、いまのわたしたちが聞いても、なるほどと思える内ようが多くあります。話のなかで使うと、長い説明をしなくても気持ちや考えがつたわる、というよい点があります。
ことわざのとくちょうは、たとえばなしになっていることです。「ちりも積もれば山となる」は、本当に小さなちりが山になるわけではなく、小さなことをつみ重ねれば大きな結果になる、ということを言っています。たとえを使うことで、聞いた人の頭の中にイメージが生まれ、教えがわすれにくくなります。
ことわざをおぼえると、自分の気持ちやかんがえを、みじかい言葉で人につたえられるようになります。たとえばしっぱいしてしょげている友だちに「猿も木から落ちるよ」と声をかければ、長いはげましの言葉のかわりになります。ことわざは、むかしの人がのこしてくれた、生活のちえぶくろのようなものなのです。
しっぱいを表すことわざ
まずは、しっぱいや失どうにかんすることわざから見ていきましょう。だれでもしっぱいすることはあるものですが、ことわざは、しっぱいをはずかしいことだけではなく、当たり前のこととしてとらえる手助けをしてくれます。
ことわざ | 意味 | どんなときに使うか |
|---|---|---|
猿も木から落ちる | じょうずな人でも、ときにはしっぱいする | いつもうまくいく人がたまにまちがえたとき |
弘法にも筆の誤り | 名人でも、ときにはまちがえることがある | 上の人がしっぱいしたとき |
河童の川流れ | 泳ぎが上手な人でも、流されることがある | 得意なことでしっぱいしたとき |
七転び八起き | 何度しっぱいしても、何度も立ち上がる | しっぱいしてもくじけないとき |
これらのことわざは、どれも「しっぱいすること自体は、はずかしいことではない」と教えてくれています。リンちゃんがつまずいてころんだとき、おじいちゃんが「猿も木から落ちるよ」と言ってくれたのは、リンちゃんをはげますためでした。じょうずな人でもしっぱいするのだから、ふつうのわたしたちならなおさら、しっぱいしながらおぼえていけばよいのです。
「七転び八起き」は、しっぱいを一回でおわらせないことの大切さを教えてくれます。七回ころんでも、八回目に立ち上がる、ということです。七と八、ころぶと立ち上がるの組み合わせがおもしろくて、声に出すとリズムよくおぼえられます。
努力を表すことわざ
次に紹介するのは、努力やつづけることの大切さをつたえることわざです。小さなことでもつづけていけば、いつかは大きな結果につながる、というのが多くのことわざの教えです。
- 石の上にも三年 — つめたい石の上でも、三年すわっていればあたたかくなる。じっとがまんしてつづければ、いつかは結果が出る、という教えです
- ちりも積もれば山となる — 小さなちりも、つもればやがて山のようになる。小さなどりょくをつみ重ねることのたいせつさを言っています
- 雨だれ石をうがつ — 小さな雨だれでも、長い間落ちつづければ、石にあなをあけることができる。あきらめずにつづけることの力を教えてくれます
- 塵も積もれば山となる — 「ちりも積もれば」と同じ意味で、こちらは漢字で書いた言い方です
「石の上にも三年」は、リンちゃんがピアノの発表会の前に、おじいちゃんから教えてもらったことわざでした。一年で上手にひけるようにならなくても、二年三年とつづけていけば、かならず指がうごくようになる、という意味です。何かを始めたばかりのころに思い出すと、つづける気もちがわいてきます。
「ちりも積もれば山となる」は、毎日の小さなならいごとや勉強にも、ぴったりあてはまります。一日五分の漢字れんしゅうでも、一年つづければ三十時間分のれんしゅうになります。ぱっと見るとちりのようなじかんでも、つみ重ねは大きな力です。書きためてきたノートを見直すと、ちりが山になっていることに気づくでしょう。
助け合いを表すことわざ
人とのつながりや助け合いをテーマにしたことわざもたくさんあります。一人ではできないことも、人と力を合わせればできる、という教えがつまっています。
ことわざ | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
情けは人の為ならず | 人にしたしんせつは、めぐりめぐって自分にかえってくる | 人を助けたあとに自分も助けてもらったとき |
三人寄れば文殊の知恵 | 三人で考えれば、よい考えが出てくる | みんなで知えを出し合うとき |
急がば回れ | いそぐときほど、まわり道のほうがかえって早い | あわてているとき |
立つ鳥跡を濁さず | 立ち去るときは、あとをきれいにする | おわりにきれいにかたづけるとき |
「情けは人の為ならず」は、しんせつにすることの大切さをつたえる代表的なことわざです。むかしから「人のためにしたしんせつは、まわりまわって自分のところにかえってくる」と教えられてきました。友だちにえんぴつを貸してあげたら、自分がわすれたときにかしてもらえた、というような小さなけいけんを思い出すと、このことわざの意味が体で分かってきます。
「三人寄れば文殊の知恵」は、三人ぐらい集まれば、かしこい人と同じくらいよい考えが出る、という意味です。一人で考えるよりも、グループ学習や話し合いでよいアイデアが生まれるのは、このことわざの通りです。学校のはん活動や、家ぞくの話し合いでも役に立つ教えです。
自分の生活に当てはめて思い出す
ことわざは、頭の中にしまっておくだけではあまり力になりません。自分の毎日のできごとと、ことわざをむすびつけてみることが、いちばんの覚え方です。リンちゃんは、おじいちゃんと次のような練習をしました。
- その日にあったことを一つ思い出す(例:算数のテストでミスをした)
- そのできごとに合いそうなことわざをさがす(例:猿も木から落ちる)
- ことわざをつかって短い文を作る(例:「猿も木から落ちる、こんどは気をつけよう」)
- 声に出して読み、しぜんにつかえているかをたしかめる
- 日記の最後に、その日にぴったりだったことわざを書きそえる
こうやって毎日のできごとと結びつけていくと、ことわざが自分のものになっていきます。日記にことわざをそえる練習をつづけていると、半年ほどで二十こぐらいのことわざがしぜんと使えるようになります。家族にむかしから知っていることわざを聞いてみるのもよい方法です。おじいちゃんやおばあちゃんは、たくさんのことわざを知っていることが多いです。
もう一つのコツは、ことわざの中に出てくる動物やものをイメージすることです。「猿も木から落ちる」なら、木にのぼった猿が落ちるすがた、「ちりも積もれば山となる」なら、小さなちりがどんどん集まって山になるようすを、頭の中にえがいてみます。絵といっしょにおぼえると、わすれにくくなります。慣用句といっしょに学ぶと、もっと言葉のちからが広がります。くわしくは慣用句のおぼえ方 を読んでみてください。
コピペで使えることわざ 例文集
日記や作文の中ですぐに使えるように、よく教科書で見ることわざを、しっぱい・努力・助け合いの三つのテーマでまとめておきます。意味は教科書でしょうかいされているとおりのものだけを書き、場面の例も小学校で起こりやすいことに合わせています。
ことわざ | 意味 | 場面の例 |
|---|---|---|
猿も木から落ちる | じょうずな人でもしっぱいする | 計算が早い友だちが、テストで一問だけまちがえたとき |
弘法にも筆の誤り | 名人でもまちがえることがある | 字がきれいな先生が、黒板で書きまちがえたとき |
河童の川流れ | とくいなことでもしっぱいすることがある | 水泳がじょうずな兄が、プールでバランスをくずしたとき |
七転び八起き | 何度しっぱいしても立ち上がる | なわとびに何度もしっぱいしても、れんしゅうをやめないとき |
石の上にも三年 | がまんしてつづければ結果が出る | ピアノを三年つづけて、はじめて発表会に出られたとき |
ちりも積もれば山となる | 小さなどりょくのつみ重ねが大きな力になる | 毎日五分の漢字れんしゅうを一年つづけたとき |
雨だれ石をうがつ | つづければむずかしいこともなしとげられる | 苦手な算数を毎日少しずつ練習したとき |
情けは人の為ならず | 人へのしんせつは自分にかえってくる | 友だちにえんぴつを貸したら、自分がわすれた日にかしてもらえたとき |
三人寄れば文殊の知恵 | 何人かで考えるとよい考えが出る | はん活動でみんなで意見を出し合ったとき |
急がば回れ | いそぐときほど安全な道のほうが早い | 近道をしてころびそうになり、いつもの道にもどしたとき |
立つ鳥跡を濁さず | 立ち去るときはあとをきれいにする | たいいくのあと、自分の使ったマットをかたづけたとき |
この表のことわざを、その日のできごとと結びつけてみましょう。たとえば、計算ミスをした日には「猿も木から落ちる」、なわとびの練習をつづけている日には「ちりも積もれば山となる」、というふうに、生活の中にあてはまる場面が見つかるはずです。一つでも当てはまることわざを日記の最後に書きそえると、ことわざが自然と自分のものになっていきます。
やってみよう
さいごに、これまで読んできたことわざのなかから、自分の今日にいちばん合うものを一つえらんでみましょう。下の三つの問いに答えながら、自分の生活と結びつけていきます。
- 今日、しっぱいしたことはありましたか — 「猿も木から落ちる」「七転び八起き」が思い出せます
- 今日、つづけて努力していることはありますか — 「石の上にも三年」「ちりも積もれば山となる」が当てはまります
- 今日、人を助けたり助けられたりしましたか — 「情けは人の為ならず」「三人寄れば文殊の知恵」を思い出してみましょう
一つでも合うことわざが見つかったら、日記やノートに書いておきましょう。日々の生活の中で出会うことわざの数だけ、自分の言葉のたなが豊かになっていきます。リンちゃんも、ころんで泣きそうになるたびに「猿も木から落ちる」と心の中でつぶやくようになり、しっぱいをこわがらない子になっていきました。ことわざは、むかしの人が時間をこえてとどけてくれる、やさしいはげましの言葉なのです。
