ことわざのおぼえ方と意味が分かる身近な使い方

ことわざのおぼえ方と意味が分かる身近な使い方の記事を表すモノクロ漫画風イラスト

小学生でおぼえやすいことわざを、しっぱい・努力・人とのかかわりの3つのテーマでやさしく整理します。「猿も木から落ちる」「ちりも積もれば山となる」など、身近なことわざを意味と例文で確かめられます。

目次

8項目
  1. 結論:生活のできごとと結びつけて少しずつ覚える
  2. ことわざって昔の人の知恵
  3. しっぱいを表すことわざ
  4. 努力を表すことわざ
  5. 人とのかかわりで役立つことわざ
  6. 自分の生活に当てはめて思い出す
  7. 意味と使う場面で覚えることわざ
  8. やってみよう:今日に合うことわざを選ぶ

ころんでひざをすりむいたときに「猿さるも木きから落おちるよ」と言いわれたら、首くびをかしげてしまうかもしれません。猿さるでもないし、木きにものぼっていないのに、と思おもうのが当たり前あたりまえです。

けれども、これは木きのぼりが上手じょうずな猿さるでもときには落おちる、というたとえばなしです。じょうずな人ひとでもしっぱいすることはあるのだから、ふつうの人ひとならしっぱいしても気きにしなくていい、というはげましの言葉ことばとして、むかしから語かたりつがれてきました。

こうしたたとえばなしのような言い方いいかたを「ことわざ」と言いいます。みじかい言葉ことばの中なかに、生活せいかつの知ちえや教おしえがつまった、むかしの人ひとからのおくりものです。意味いみを知しっていれば、本ほんを読よむのが楽たのしくなったり、しょげている友ともだちに短みじかい言葉ことばでこえをかけたりできるようになります。

結論けつろん:生活せいかつのできごとと結むすびつけて少すこしずつ覚おぼえる

  • ことわざは、むかしの人ひとがせいかつの中なかで気きづいた知ちえや教おしえを、みじかい言い方いいかたにまとめたものです。
  • ことわざはしっぱい・努力どりょく・人ひととのかかわりの三みっつのテーマに分わけ、意味いみと使つかう場面ばめんをいっしょに覚おぼえます。
  • その日ひのできごとに合あうことわざをさがして日記にっきの最後さいごに書かきそえると、使つかえることわざが少すこしずつふえていきます。
  • 「猿さるも木きから落おちる」なら木きから落おちる猿さるのように、出でてくる動物どうぶつやもののすがたを頭あたまの中なかにえがきます。

ことわざって昔むかしの人ひとの知恵ちえ

ことわざとは、むかしの人ひとがせいかつの中なかで気きづいた知ちえや教おしえを、みじかい言い方いいかたにまとめたものです。長ながい時間じかんをかけて多おおくの人ひとに語かたりつがれてきたので、いまのわたしたちが聞きいても、なるほどと思おもえる内ないようが多おおくあります。話はなしのなかで使つかうと、長ながい説明せつめいをしなくても気持きもちや考かんがえがつたわる、というよい点てんがあります。

ことわざのとくちょうは、たとえばなしになっていることです。「ちりも積つもれば山やまとなる」は、本当ほんとうに小ちいさなちりが山やまになるわけではなく、小ちいさなことをつみ重かさねれば大おおきな結果けっかになる、ということを言いっています。たとえを使つかうことで、聞きいた人ひとの頭あたまの中なかにイメージが生うまれ、教おしえがわすれにくくなります。

ことわざをおぼえると、自分じぶんの気持きもちやかんがえを、みじかい言葉ことばで人ひとにつたえられるようになります。たとえばしっぱいしてしょげている友ともだちに「猿さるも木きから落おちるよ」と声こえをかければ、長ながいはげましの言葉ことばのかわりになります。ことわざは、むかしの人ひとがのこしてくれた、生活せいかつのちえぶくろのようなものなのです。

しっぱいを表あらわすことわざ

まずは、しっぱいにかんすることわざです。だれでもしっぱいすることはあるものですが、ことわざは、しっぱいをはずかしいことだけではなく、当たり前あたりまえのこととしてとらえる手助てだすけをしてくれます。

ことわざ

意味いみ

どんなときに使つかうか

猿さるも木きから落おちる

じょうずな人ひとでも、ときにはしっぱいする

いつもうまくいく人ひとがたまにまちがえたとき

弘法こうぼうにも筆ふでの誤あやまり

名人めいじんでも、ときにはまちがえることがある

上うえの人ひとがしっぱいしたとき

河童かっぱの川流かわながれ

泳およぎが上手じょうずな人ひとでも、流ながされることがある

得意とくいなことでしっぱいしたとき

七転び八起ななころびやおき

何なん度どしっぱいしても、何なん度ども立ち上たちあがる

しっぱいしてもくじけないとき

これらのことわざは、どれも「しっぱいすること自体じたいは、はずかしいことではない」と教おしえてくれています。だれかがつまずいてころんだときに「猿さるも木きから落おちる」と言いうのは、はげますためです。じょうずな人ひとでもしっぱいするのだから、しっぱいしながらおぼえていけばよい、という意味いみになります。

「七転び八起ななころびやおき」は、しっぱいを一回いっかいでおわらせないことの大切たいせつさを教おしえてくれます。七なな回かいころんでも、八はち回かい目めに立ち上たちあがる、ということです。七ななと八はち、ころぶと立ち上たちあがるの組み合くみあわせがおもしろくて、声こえに出だすとリズムよく言いえます。

努力どりょくを表あらわすことわざ

次つぎに紹介しょうかいするのは、努力どりょくやつづけることの大切たいせつさをつたえることわざです。小ちいさなことでもつづけていけば、いつかは大おおきな結果けっかにつながる、というのが多おおくのことわざの教おしえです。

  • 石いしの上うえにも三さん年ねん:つめたい石いしの上うえでも、三さん年ねんすわっていればあたたかくなる。じっとがまんしてつづければ、いつかは結果けっかが出でる、という教おしえです
  • ちりも積つもれば山やまとなる:小ちいさなちりも、つもればやがて山やまのようになる。小ちいさなどりょくをつみ重かさねることのたいせつさを言いっています(「塵ちりも積つもれば山やまとなる」と漢字かんじで書かくこともあります)
  • 雨あまだれ石いしをうがつ:小ちいさな雨あまだれでも、長ながい間あいだ落おちつづければ、石いしにあなをあけることができる。あきらめずにつづけることの力ちからを教おしえてくれます
  • 千里せんりの道みちも一歩いっぽから:どんなに遠とおい道みちのりも、はじめの一歩いっぽからはじまる。大おおきな目標もくひょうも、まず一ひとつやってみることから、という教おしえです

「石いしの上うえにも三さん年ねん」は、つめたい石いしの上うえでも三さん年ねんすわりつづければあたたまる、というたとえです。始はじめたばかりでうまくいかなくても、がまんしてつづければ、いつかは結果けっかが出でる、という意味いみで使つかいます。何なにかを始はじめたばかりのころに思い出おもいだすと、つづける気きもちを保たもちやすくなります。

「ちりも積つもれば山やまとなる」は、毎日まいにちの小ちいさなならいごとや勉強べんきょうにも、ぴったりあてはまります。一いち日にち五ご分ふんの漢字かんじれんしゅうでも、一いち年ねんつづければ三さん十じゅう時間じかん分ぶんのれんしゅうになります。ぱっと見みるとちりのようなじかんでも、つみ重かさねは大おおきな力ちからです。書かきためてきたノートを見直みなおすと、ちりが山やまになっていることに気きづくでしょう。

人ひととのかかわりで役立やくだつことわざ

人ひととのつながりや、まわりへの心こころがけをテーマにしたことわざもたくさんあります。力ちからを合あわせたほうがよいこと、いそぐときほど落おちついたほうがよいことなど、人ひととかかわるときの知ちえがつまっています。

ことわざ

意味いみ

使つかう場面ばめん

情なさけは人ひとの為ためならず

人ひとにしたしんせつは、めぐりめぐって自分じぶんにかえってくる

人ひとを助たすけたあとに自分じぶんも助たすけてもらったとき

三さん人にん寄よれば文殊もんじゅの知恵ちえ

三さん人にんで考かんがえれば、よい考かんがえが出でてくる

みんなで知ちえを出し合だしあうとき

急いそがば回まわれ

いそぐときほど、まわり道みちのほうがかえって早はやい

あわてているとき

立たつ鳥とり跡あとを濁にごさず

立ち去たちさるときは、あとをきれいにする

おわりにきれいにかたづけるとき

「情なさけは人ひとの為ためならず」は、しんせつにすることの大切たいせつさをつたえる代表だいひょう的てきなことわざです。むかしから「人ひとのためにしたしんせつは、まわりまわって自分じぶんのところにかえってくる」と教おしえられてきました。

友ともだちにえんぴつを貸かしてあげたら、自分じぶんがわすれたときにかしてもらえた、というような小ちいさなけいけんを思い出おもいだすと、このことわざの意味いみが体からだで分わかってきます。

「三さん人にん寄よれば文殊もんじゅの知恵ちえ」は、三さん人にんぐらい集あつまれば、かしこい人ひとと同おなじくらいよい考かんがえが出でる、という意味いみです。一人ひとりで考かんがえるよりも、グループ学習がくしゅうや話し合はなしあいでよいアイデアが生うまれるのは、このことわざの通とおりです。学校がっこうのはん活動かつどうや、家かぞくの話し合はなしあいでも役に立やくにたつ教おしえです。

自分じぶんの生活せいかつに当あてはめて思い出おもいだす

ことわざは、頭あたまの中なかにしまっておくだけではあまり力ちからになりません。自分じぶんの毎日まいにちのできごとと、ことわざをむすびつけてみることが、いちばんの覚おぼえ方かたです。次つぎのような練習れんしゅうをしてみてください。

  1. その日ひにあったことを一ひとつ思い出おもいだす(例れい:算数さんすうのテストでミスをした)
  2. そのできごとに合あいそうなことわざをさがす(例れい:猿さるも木きから落おちる)
  3. ことわざをつかって短みじかい文ぶんを作つくる(例れい:「猿さるも木きから落おちる、こんどは気きをつけよう」)
  4. 声こえに出だして読よみ、しぜんにつかえているかをたしかめる
  5. 日記にっきの最後さいごに、その日ひにぴったりだったことわざを書かきそえる

こうやって毎日まいにちのできごとと結むすびつけていくと、ことわざが自分じぶんのものになっていきます。日記にっきにことわざをそえる練習れんしゅうをつづけていると、使つかえることわざが少すこしずつふえていきます。

家族かぞくにむかしから知しっていることわざを聞きいてみるのもよい方法ほうほうです。おじいちゃんやおばあちゃんは、たくさんのことわざを知しっていることが多おおいです。

もう一ひとつのコツは、ことわざの中なかに出でてくる動物どうぶつやものをイメージすることです。「猿さるも木きから落おちる」なら、木きにのぼった猿さるが落おちるすがた、「ちりも積つもれば山やまとなる」なら、小ちいさなちりがどんどん集あつまって山やまになるようすを、頭あたまの中なかにえがいてみます。

絵えといっしょにおぼえると、わすれにくくなります。慣用かんよう句くといっしょに学まなぶと、もっと言葉ことばのちからが広ひろがります。くわしくは慣用かんよう句くのおぼえ方かた を読よんでみてください。

意味いみと使つかう場面ばめんで覚おぼえることわざ

日記にっきや作文さくぶんの中なかですぐに使つかえるように、身近みぢかなことわざを、しっぱい・努力どりょく・人ひととのかかわりの三みっつのテーマでまとめておきます。意味いみは、ことわざじてんで調しらべられる基本きほんの意味いみだけを書かき、場面ばめんの例れいも小学校しょうがっこうで起おこりやすいことに合あわせています。

ことわざ

意味いみ

場面ばめんの例れい

猿さるも木きから落おちる

じょうずな人ひとでもしっぱいする

計算けいさんが速はやい友ともだちが、テストで一いち問もんだけまちがえたとき

弘法こうぼうにも筆ふでの誤あやまり

名人めいじんでもまちがえることがある

字じがきれいな先生せんせいが、黒板こくばんで書かきまちがえたとき

河童かっぱの川流かわながれ

とくいなことでもしっぱいすることがある

水泳すいえいがじょうずな兄あにが、プールでバランスをくずしたとき

七転び八起ななころびやおき

何なん度どしっぱいしても立ち上たちあがる

なわとびに何なん度どもしっぱいしても、れんしゅうをやめないとき

石いしの上うえにも三さん年ねん

がまんしてつづければ結果けっかが出でる

ピアノを三さん年ねんつづけて、はじめて発表はっぴょう会かいに出でられたとき

ちりも積つもれば山やまとなる

小ちいさなどりょくのつみ重かさねが大おおきな力ちからになる

毎日まいにち五ご分ふんの漢字かんじれんしゅうを一いち年ねんつづけたとき

雨あまだれ石いしをうがつ

つづければむずかしいこともなしとげられる

苦手にがてな算数さんすうを毎日まいにち少すこしずつ練習れんしゅうしたとき

情なさけは人ひとの為ためならず

人ひとへのしんせつは自分じぶんにかえってくる

友ともだちにえんぴつを貸かしたら、自分じぶんがわすれた日ひにかしてもらえたとき

三さん人にん寄よれば文殊もんじゅの知恵ちえ

何なん人にんかで考かんがえるとよい考かんがえが出でる

はん活動かつどうでみんなで意見いけんを出し合だしあったとき

急いそがば回まわれ

いそぐときほど安全あんぜんな道みちのほうが早はやい

近道ちかみちをしてころびそうになり、いつもの道みちにもどしたとき

立たつ鳥とり跡あとを濁にごさず

立ち去たちさるときはあとをきれいにする

たいいくのあと、自分じぶんの使つかったマットをかたづけたとき

この表ひょうのことわざを、その日ひのできごとと結むすびつけてみましょう。たとえば、計算けいさんミスをした日ひには「猿さるも木きから落おちる」、なわとびの練習れんしゅうをつづけている日ひには「ちりも積つもれば山やまとなる」、というふうに、生活せいかつの中なかにあてはまる場面ばめんが見みつかるはずです。

一ひとつでも当あてはまることわざを日記にっきの最後さいごに書かきそえると、ことわざが自然しぜんと自分じぶんのものになっていきます。

やってみよう:今日きょうに合あうことわざを選えらぶ

さいごに、これまで読よんできたことわざのなかから、自分じぶんの今日きょうにいちばん合あうものを一ひとつえらんでみましょう。下したの三みっつの問といに答こたえながら、自分じぶんの生活せいかつと結むすびつけていきます。

  • 今日きょう、しっぱいしたことはありましたか:「猿さるも木きから落おちる」「七転び八起ななころびやおき」が思い出おもいだせます
  • 今日きょう、つづけて努力どりょくしていることはありますか:「石いしの上うえにも三さん年ねん」「ちりも積つもれば山やまとなる」が当あてはまります
  • 今日きょう、人ひとを助たすけたり助たすけられたりしましたか:「情なさけは人ひとの為ためならず」「三さん人にん寄よれば文殊もんじゅの知恵ちえ」を思い出おもいだしてみましょう

一ひとつでも合あうことわざが見みつかったら、日記にっきやノートに書かいておきましょう。日々ひびの生活せいかつの中なかで出会であうことわざの数かずだけ、自分じぶんの言葉ことばのたなが広ひろがっていきます。

しっぱいしたときに「猿さるも木きから落おちる」と心こころの中なかでつぶやけるようになると、気きもちの切きりかえがしやすくなります。ことわざは、むかしの人ひとが時間じかんをこえてとどけてくれる、やさしいはげましの言葉ことばなのです。