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中学校国語の品詞の見分け方と自立語・付属語から動詞・助詞までの分け方

中学校国語の10品詞を、自立語と付属語の二分から段階的に切り分ける方法で整理します。動詞と形容動詞、助詞と助動詞の見分け方を、判定の手順と練習問題で確認できます。
目次
品詞分類は、目の前の単語を「どの引き出しに入れるか」を決めていく作業に似ています。10個の引き出しを一気に思い浮かべて選ぼうとすると、似た形の引き出しが並んでいて手が止まる。けれど、まず大きな2つの棚(自立語と付属語)に分けてから、棚の中をだんだん細かい引き出しに分けていけば、最後の1つは自然に決まります。「動詞と形容動詞のどちら」「助詞と助動詞のどちら」で迷うのは、10個を平らに並べて選ぼうとしているから起きるつまずきです。
中学校文法では、まず自立語と付属語に分け、次に自立語の中を「活用するか」で分け、活用するものを動詞・形容詞・形容動詞に振り分けます。付属語は活用するかどうかで助詞と助動詞に分かれます。この二分から段階的にほぐしていく手順を身につければ、10品詞は判定の流れの中で自然に決まっていきます。この記事で整理するのは、自立語と付属語の二分、自立語の活用ありなし、動詞・形容詞・形容動詞の見分け方、助詞と助動詞の違い、例文での品詞分け練習の5つです。中学校教科書で扱う学校文法の枠組みに沿って書きます。
結論:自立語と付属語の二分から段階的に分ける
- 10品詞を平らに選ばず、まず一語で意味が立つ自立語と付属語に二分するところから始めます。
- 自立語は活用するかどうかで分け、活用するものを動詞・形容詞・形容動詞の三つに振り分けます。
- 用言は言い切りの形で見分け、ウ段なら動詞・「い」なら形容詞・「だ」なら形容動詞と決まります。
- 付属語は活用で分かれ、活用しないものが助詞、活用するものが助動詞として整理できます。
自立語と付属語の二分から始める
中学校文法では、単語をまず大きく「自立語」と「付属語」の2種類に分けます。自立語は、その単語だけで意味が分かる語。付属語は、自立語にくっついて初めて意味を成す語です。
区分 | 特徴 | 例 | 見分け方 |
|---|---|---|---|
自立語 | それだけで意味が分かる | 走る・美しい・本・ゆっくり | 一語で文の主要な意味を担える |
付属語 | 自立語にくっついて働く | が・を・に・ない・れる | 一語では文の意味を作れない |
「机の上に本がある。」という文を分解すると、「机/の/上/に/本/が/ある/。」となります。このうち「机」「上」「本」「ある」が自立語で、「の」「に」「が」が付属語です。「机」と「上」は名詞、「ある」は動詞、「の」「に」「が」は助詞です。最初の段階では、品詞名を細かく覚えようとせず、まず「これは一語で意味が立つか、それとも誰かにくっついているか」を判定する練習をします。これだけでも、テストでの誤答は半分以上減ります。
自立語は1つの文節に1つだけ
中学校文法では、文を「文節」(自立語に付属語がくっついた小さなまとまり)に切る練習も行います。「ね」を入れて自然な区切りになる所が文節の境目です。「私はね・学校でね・本をね・読んだ」のように切れます。各文節には自立語が必ず1つだけ含まれているので、文節の頭にある語をまず自立語と判定し、残りを付属語と分けると、二分が自然にできるようになります。この文節の切り分けが、品詞分けの土台になります。
自立語で活用するもの・しないもの
自立語と付属語を分けたら、次は自立語の中をさらに分けます。基準は「活用するかどうか」。活用とは、語の形が後ろにつく言葉によって変わることです。「走る」「走らない」「走れば」「走ろう」と形が変わるなら活用します。「本」「本が」「本を」のように、後ろが変わっても語そのものの形が変わらない語は活用しません。
自立語 | 活用するか | 品詞 | 例 |
|---|---|---|---|
用言(述語になる) | 活用する | 動詞・形容詞・形容動詞 | 走る・美しい・静かだ |
体言(主語になれる) | 活用しない | 名詞 | 本・学校・東京 |
副用(用言を修飾) | 活用しない | 副詞 | ゆっくり・とても・必ず |
連体修飾だけ | 活用しない | 連体詞 | この・その・大きな |
文と文をつなぐ | 活用しない | 接続詞 | しかし・だから・また |
気持ち・呼びかけ | 活用しない | 感動詞 | ああ・はい・もしもし |
活用する自立語は「用言」と呼ばれ、動詞・形容詞・形容動詞の3つに分かれます。活用しない自立語は、名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞の5つです。ここまでで自立語は8つの品詞に整理されました。残るは付属語の助詞と助動詞の2つだけです。「10品詞」と聞くと一気に覚えるのは難しく感じますが、「自立語で活用する3つ」「自立語で活用しない5つ」「付属語の2つ」と段階で見ると、頭の中に地図ができていきます。
動詞・形容詞・形容動詞の見分け方
用言の3つ(動詞・形容詞・形容動詞)の見分け方は、3つともが活用するため、活用の有無だけでは分けられず、ここでつまずく人が多くなります。基準は「言い切りの形(基本形)」がどう終わるかです。
品詞 | 言い切りの形 | 例 | 見分け方の合言葉 |
|---|---|---|---|
動詞 | ウ段の音(う・く・す・つ・ぬ・ふ・む・ゆ・る)で終わる | 走る・書く・話す・食べる | 言い切りが「ウ段」 |
形容詞 | 「い」で終わる | 美しい・高い・楽しい・暑い | 言い切りが「い」 |
形容動詞 | 「だ」で終わる | 静かだ・きれいだ・大切だ・元気だ | 言い切りが「だ」 |
「美しい」は形容詞、「美しさ」は名詞、「美しく」は形容詞「美しい」の活用形です。「静か」は語幹(活用しない部分)で、「静かだ」が言い切りの形なので、品詞は形容動詞になります。「静かに歩く」の「静かに」は、形容動詞「静かだ」の連用形と判定されます。この「言い切りの形を一度作る」というステップを手元の手順に加えると、動詞・形容詞・形容動詞の取り違えが減ります。
形容動詞か名詞かで迷うとき
形容動詞の語幹(「静か」「きれい」「大切」など)は、単独だと名詞のように見えます。見分け方は「だ」をつけて意味が通るかどうかです。「静かだ」は意味が通りますが、「机だ」は文末で使うときの「だ」(断定の助動詞)であって、形容動詞ではありません。形容動詞の「だ」は語の一部、断定の助動詞の「だ」は付属語、というのが線引きです。慣れるまでは、用言活用の枠組みは用言の活用の覚え方と中学校文法の動詞・形容詞・形容動詞 でも整理しているので、活用表と一緒に確認すると間違いが減ります。
助詞と助動詞のはたらきの違い
付属語の2つ、助詞と助動詞の違いは、活用するかどうかで分けられます。助詞は活用せず、助動詞は活用します。
品詞 | 活用するか | はたらき | 例 |
|---|---|---|---|
助詞 | 活用しない | 語と語の関係を示す・意味を添える | が・を・に・の・は・も・と・から |
助動詞 | 活用する | 用言や体言にくっついて意味を付け加える | ない・れる・られる・せる・だ・らしい |
助詞は「が・を・に・の・は・も・と」のように、主語・目的語・場所・所属などの関係を示したり、「だけ・しか・ばかり・こそ」のように意味を添えたりします。助動詞は「ない・れる・られる・せる・たい・う・よう・だ・です・らしい」のように、用言にくっついて打ち消し・受身・希望・推量・断定などの意味を加えます。「行かない」の「ない」は、活用して「なかった」「なければ」と形が変わるので助動詞。「本がない」の「ない」は、形容詞「ない」(「ある」の対義)として独立しているので、語の見分けには文脈の確認が必要です。古文の助動詞の見分けは中学範囲外ですが、入門は古文助動詞の見分け方と中学校教科書での扱い で別に整理しています。
助詞4種類の役割を一度だけ表で見る
中学校文法では、助詞をさらに格助詞・接続助詞・副助詞・終助詞の4つに分けます。テスト前にここを覚え直すときは、次の表を一度だけ見て、例文で確認するのが効率的です。
助詞の種類 | はたらき | 主な例 |
|---|---|---|
格助詞 | 体言につき関係を示す | が・を・に・の・へ・と・から・より・で |
接続助詞 | 用言につき前後をつなぐ | ば・と・ても・けれど・が・のに・ので・て |
副助詞 | 意味を添える | は・も・こそ・さえ・しか・だけ・ばかり・ほど |
終助詞 | 文末について気持ちを表す | か・ね・よ・な・ぞ・かしら |
例文で品詞を取り出す練習
ここまで読んだだけでは品詞は身につきません。効果的なのは、毎日1文だけ品詞分けをする練習です。やり方は次の4ステップです。
文を文節に切る
「ね」を入れて区切る。
自立語と付属語に分ける
各文節の頭が自立語、それ以外が付属語。
自立語の品詞を判定する
活用するか、言い切りの形がどう終わるかで動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞を選ぶ。
付属語の品詞を判定する
活用するなら助動詞、活用しないなら助詞。
たとえば「私は静かな森をゆっくり歩いた。」をこの手順で分けると、次のようになります。「私/は」=名詞+助詞、「静かな」=形容動詞「静かだ」の連体形、「森/を」=名詞+助詞、「ゆっくり」=副詞、「歩い/た/。」=動詞「歩く」の連用形+助動詞「た」。4ステップを順に踏むだけで、品詞名は機械的に出てきます。この練習を1日1文続けると、テスト本番でも迷わず判定しやすくなります。
コピペで使える品詞識別サンプル集
品詞分けは、自分でやってみないと身につきません。短い例文と、各語の品詞識別の答え例を並べておきます。ノートに例文だけを書き写し、自分で品詞名を埋めてから答え例と照らし合わせる使い方がおすすめです。形容動詞は語幹に「だ」をつけた言い切りの形で判定し、助動詞は活用するかどうかで助詞と区別してあります。
例文 | 各語の品詞識別 |
|---|---|
私 は 静か な 森 を ゆっくり 歩い た 。 | 私=名詞 / は=助詞 / 静かな=形容動詞「静かだ」連体形 / 森=名詞 / を=助詞 / ゆっくり=副詞 / 歩いた=動詞「歩く」連用形+助動詞「た」 |
この 大きな 本 が とても 高い 。 | この=連体詞 / 大きな=連体詞 / 本=名詞 / が=助詞 / とても=副詞 / 高い=形容詞 |
しかし 彼 は 走ら ない 。 | しかし=接続詞 / 彼=名詞 / は=助詞 / 走ら=動詞「走る」未然形 / ない=助動詞 |
ああ きれい な 花 が 咲い た ね 。 | ああ=感動詞 / きれいな=形容動詞「きれいだ」連体形 / 花=名詞 / が=助詞 / 咲いた=動詞「咲く」連用形+助動詞「た」 / ね=助詞(終助詞) |
雨 が 降る から 試合 は 中止 だ 。 | 雨=名詞 / が=助詞 / 降る=動詞 / から=助詞(接続助詞) / 試合=名詞 / は=助詞 / 中止=名詞 / だ=助動詞 |
彼女 だけ が 必ず 来る 。 | 彼女=名詞 / だけ=助詞(副助詞) / が=助詞 / 必ず=副詞 / 来る=動詞 |
サンプルの中で迷いやすいのは、「大きな」と「ゆっくり」の品詞です。「大きな」は活用しないので形容詞ではなく連体詞、「ゆっくり」は用言にかかるので副詞、と修飾先で見分けます。「静かな」と「きれいな」は形容動詞の連体形で、「な」を切り離して語幹に「だ」をつけ、言い切りの形になるかで形容動詞だと判定できます。1日1文の練習を続けると、判定の手順が自然に体に入っていきます。
よくある遠回り — 品詞の見分けで起きやすい4つ
品詞を身につける過程で起きやすい失敗を、4つ並べておきます。
- 形容動詞を名詞だと判定してしまった失敗:「静か」だけを見て名詞だと判定し、形容動詞「静かだ」だと気づかなかったテストがありました。言い切りの形に直してから品詞を決める手順を体に入れて解消しました。
- 助詞と助動詞を混同した失敗:「行かない」の「ない」を助詞と書いてしまいました。活用するかどうかで分けると、「ない」は「なかった」「なければ」と形が変わるので助動詞だと気づきました。
- 副詞と連体詞を取り違えた失敗:「ゆっくり歩く」と「大きな本」を両方とも副詞と書いてしまいました。副詞は用言(動詞・形容詞・形容動詞)にかかり、連体詞は体言(名詞)にかかると、修飾先で覚え直しました。
- 接続詞を助詞と混同した失敗:「しかし」を助詞だと書いてしまいました。接続詞は自立語で、文と文をつなぐ位置に独立してくることが多いと覚え直し、間違えなくなりました。
よくある疑問
動詞の活用の種類は覚えるべきか。
中学校では五段・上一段・下一段・カ変・サ変の5種類を扱います。テスト直前に一気に詰め込むより、用言の例文で活用を声に出す練習を毎日1分続けると、自然に身につきます。
形容動詞は本当に存在するのか。
学校文法(中学校教科書の体系)では形容動詞という品詞を立てています。日本語学では「ナ形容詞」とも呼ばれます。中学校のテストでは「形容動詞」で答えれば正解です。
古文の品詞は中学校で扱うか。
中学校では古文の助動詞を本格的には扱いません。中学範囲は現代日本語の10品詞が中心です。
「が」が主語を示す助詞か接続助詞かで迷います。
「私が走る」の「が」は主語を示す格助詞、「行ったが、誰もいなかった」の「が」は前後の文をつなぐ接続助詞です。文中での働きを文脈で判定します。
品詞を覚えると、何の役に立つのか。
文章を正しく読むときの足場になります。古文・漢文・英語の文法を学ぶときも、日本語の品詞の枠組みを知っていると、見比べて理解しやすくなります。
品詞は「二分から段階的に」で身につく
練習を重ねて分かるのは、品詞は10個を一気に覚えるものではなく、二分から段階的に切り分けていくものだということです。「自立語か付属語か」「活用するか」「言い切りの形は何で終わるか」を順に問えば、目の前の語がどの品詞かは自然に決まります。
明日からの一手は3つです。1つ目は、教科書の例文を1日1文だけ取り上げ、文節に切る練習をすること。2つ目は、自立語と付属語を分け、自立語の言い切りの形を作ってみること。3つ目は、付属語が活用するかどうかで助詞と助動詞を分けることです。10品詞を覚えるのではなく、判定の手順を体に入れる方向で進めると、テストでの誤答は確実に減っていきます。
