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中学生の読書感想文の書き方と本選び・構成・引用までの進め方

夏休みの読書感想文が「あらすじだけ」になってしまう中学生のために、本選びから下書きまでの手順を4段構成テンプレで整理しました。引用の入れ方と締めくくりの一文も例文付きで紹介します。
目次
原稿用紙の前で1時間も手が止まり、書けるのは「この本のあらすじは〜」という説明だけ。書いては消し、書いては消しを繰り返し、気がつくと原稿用紙の半分以上があらすじで埋まってしまった。読書感想文の宿題で、こんな状況に陥ったことはないでしょうか。本は読み終えているのに、感想として書ける言葉が出てこない。あらすじを膨らませて字数を稼ぐしかない状態に追いこまれてしまうのです。この詰まりの正体は、感想文を「本の内容を紹介する文章」と取り違えているところにあります。
読書感想文とは、本のあらすじを紹介する文章ではなく、本を読んで自分の中で何が動いたかを書きとめる文章です。どんな考えが変わったか、これからどうしたいと思ったか。その自分の変化を中心に書くのが本来の姿といえます。とはいえ、いきなり「自分の変化を書け」と言われても、何から手をつければよいか分からないのも事実でしょう。今回は、本選びの基準・読みながらのメモの取り方・4段構成テンプレ・引用の仕方・提出前のチェックまで、原稿用紙3〜4枚を仕上げる手順を順番に整理していきます。
結論:あらすじではなく自分の変化を書く
- 読書感想文は本のあらすじの紹介ではなく、読んで自分の中で何が動いたかを書く文章です。
- 本選びでは興味のあるテーマを最優先にし、今いちばん気になっていることと結びつけます。
- 読みながら付箋に心が動いた場面と気持ちを残し、それを感想文の素材として使います。
- 出会い・場面・気づき・これからの4段で書き、3段目の気づきを感想文の中心にします。
感想文でつまずく3つの場所
読書感想文で多くの中学生がつまずくのは、決まった3つの場所です。第一に、本選びでつまずく場合。何となく薄い本を選んで、感想を書けるほど印象に残らないままページが進んでしまうパターンです。第二に、読み終わったあとに何も覚えていないパターン。読みながらメモを取らずに進めると、原稿用紙に向かったときに具体的な場面が思い出せません。第三に、書く順番が決まらないパターン。あらすじから書き始めて、自分の感想を書く場所がなくなってしまうケースです。
裏返すと、これらは順に対策できます。本選びでは「自分が興味のあるテーマ」を優先する。読みながら付箋とメモで気になった場面を残す。書く前に4段構成のテンプレートを決めてから書き出す。この3点を押さえるだけで、原稿用紙の半分があらすじで埋まる事態は避けられるはずです。順番に見ていきましょう。
本選びの基準
感想文で苦労しないためには、本選びの段階で「自分が興味を持てるか」を最優先にしましょう。先生や親に「これがおすすめ」と言われた本でも、自分がワクワクしないなら感想は出てきません。書店や図書館で表紙とあらすじを見て、3冊くらい候補をしぼり、最初の10ページを読んでみるのがおすすめの選び方です。
選び方の基準 | 具体的な確認ポイント |
|---|---|
興味のあるテーマか | 部活・友情・家族・冒険・ファンタジー など、自分が普段から好きなテーマか |
登場人物に近い年齢か | 主人公が中学生・高校生だと感情移入しやすい |
ページ数が無理のない量か | 中学1年なら150〜250ページ、中学3年なら200〜350ページが目安 |
最初の10ページが読みやすいか | 出だしで止まる本は最後まで読み切れない可能性が高い |
感想を書ける場面がありそうか | 読みながら「ここは何か感じそう」と思える本 |
迷ったら「いま気になっていること」と結びつける
本を選ぶときに迷ったら、自分が今いちばん気になっていることをテーマにしてみましょう。部活で先輩との関係に悩んでいる人なら、人間関係をテーマにした本を選ぶ。将来の夢が決まらずに迷っている人なら、進路を考える主人公が出てくる本を選ぶ。自分の今と本のテーマが重なっていると、読みながら自然に自分の経験と結びつき、感想が次々と浮かんできます。自分の悩み(部活でレギュラーになれない等)と重なるテーマの本を選び直すと、感想がスムーズに出てくるようになります。
読む前・読みながら・読んだ後のメモ
本を読みっぱなしにすると、原稿用紙に向かったときに具体的な場面が思い出せません。読書感想文を楽に書くコツは、読みながらメモを残すことです。読む前・読みながら・読んだ後の3つの段階で、それぞれメモの取り方が違います。
- 読む前: 本の表紙やあらすじを見て、「自分はどんな話だと予想するか」「主人公は何に悩みそうか」を3行ほどメモする。
- 読みながら: 心が動いた場面に付箋を貼り、付箋に「悲しい」「驚いた」「自分にも似た経験がある」など、その瞬間の気持ちを一言で書く。
- 読んだ後: 本を閉じてから「自分が一番印象に残った場面はどこか」「その場面を選んだ理由は何か」を3行で書きとめる。
付箋のメモが感想文の素材になる
読みながら貼った付箋のメモは、そのまま感想文の素材になります。原稿用紙に向かうとき、付箋を貼ったページをめくり返し、「自分はこの場面でなぜこう感じたのか」を深掘りしていきましょう。付箋が5〜10枚集まっていれば、感想文1枚分のエピソードは十分に書けます。付箋が17枚たまったら、特に強く心が動いた3枚に絞って書き始めます。
4段構成テンプレートで下書きを書く
読書感想文の書き出しでいちばん困るのは、書く順番が決まらないことです。順番が決まっていないと、あらすじから書き始めて感想を書く場所がなくなる、という失敗を繰り返してしまいます。中学生におすすめなのが、4段構成のテンプレートで下書きを書く方法です。
段 | 内容 | 原稿用紙の目安 |
|---|---|---|
1段目:出会い | なぜこの本を選んだか、どんな期待をしていたか | 原稿用紙1/4 |
2段目:場面 | 本の中で特に心が動いた場面を、短いあらすじとともに紹介する | 原稿用紙1/2 |
3段目:気づき | その場面で自分が何を感じ、何に気づいたか | 原稿用紙3/4 |
4段目:これから | 読書を通して自分がこれからどうしていきたいか | 原稿用紙1/2 |
1段目「出会い」の書き出し例
1段目では、なぜこの本を選んだかという出会いの場面を書きます。「夏休みの読書感想文の課題で、書店の中学生向けコーナーをぐるぐる回っているうちに、表紙の青空に引かれてこの本を手に取りました」のように、選んだきっかけを具体的に書くと、読み手は感想文の入り口にスムーズに入れます。「自分の悩みと重なりそうだったから」「主人公が自分と同じ年齢だったから」など、選んだ理由を素直に書きましょう。
3段目「気づき」が感想文の中心
読書感想文の中心は、3段目の「気づき」です。場面の紹介で終わってしまうと、原稿用紙があらすじで埋まる失敗に戻ってしまいます。場面の紹介のあとに「私はこの場面を読んで、〜と感じました」「自分にも似た経験があり、そのときは〜と思っていたけれど、いまは〜と考え直しました」と、自分の変化を必ず書き加えてください。3段目を書く時間が、感想文全体の半分以上になるくらいでちょうどよいのです。
引用の入れ方とまとめの一文
感想文に本文の引用を入れると、文章の説得力が一段上がります。ただし、引用には守るべきルールがあります。長すぎる引用は感想文を圧迫するので、1〜2行までに抑えるのが目安です。
- 引用するときは「」(カギカッコ)でくくる: 自分の文章と本文を区別するため、必ずカギカッコで囲みます。
- ページ数を添える: 「(○○ページ)」と書き添えると、引用元が分かるようになります。
- 引用したあとに自分の言葉を続ける: 「この一文を読んで、私は〜と感じました」と、引用に対する自分の反応を必ず書きます。
- 長すぎる引用は避ける: 1〜2行までを目安にし、本文を丸写しにしないようにします。
まとめの一文で「これから」を示す
感想文の締めくくりでは、「これから自分はどうしていきたいか」を1〜2文で示しましょう。「この本を読んで、私はこれから自分の中の小さな声にもっと耳をすませていきたいと思います」のように、本から得た気づきを未来につなげる一文を置きます。「楽しい本でした」「面白かったです」だけで終わらせると、感想文として弱くなります。1段目の「出会い」と4段目の「これから」が呼応していると、感想文全体に一本の軸が通って読み手に伝わりやすくなるでしょう。
提出前のチェックリスト
下書きが完成したら、提出前に必ず推敲しましょう。推敲とは、書いた文章を読み返して直すことです。中学生の感想文で見直すべきポイントは次の5つです。
見直す点 | 合格の基準 |
|---|---|
あらすじの量 | 原稿用紙の半分以下 |
「私はこう感じました」 | 3か所以上ある |
引用 | カギカッコでくくっている |
まとめ | 「これから」が入っている |
誤字脱字 | 声に出して確認済み |
次は、ここまで整理した内容を実際の感想文で使えるよう、そのままコピーして調整できる形でまとめておきます。書き出し・引用の挿入・結びの三つの場面で、中学生がそのまま使える短い型を並べておきます。本のタイトルや場面は自分の読んだ本に合わせて差しかえてください。
コピペで使える感想文テンプレ集
書き出しのテンプレ(3本)
選んだきっかけから入る
夏休みの読書感想文の課題で、書店の中学生向けコーナーを回っているうちに、表紙に引かれて『◯◯』を手に取りました。自分の悩みと重ねる
私は最近◯◯について悩んでいました。『◯◯』は、まさにそのことを正面から扱っている本でした。主人公への印象から入る
『◯◯』の主人公は、私と同じ中学◯年生です。最初のページを読んだとき、自分の毎日と重なる場面が多いと感じました。
本文を引用するときのテンプレ(2本)
短い引用で気持ちを受ける
本の中に「◯◯◯◯」(○○ページ)という一文があります。この言葉を読んだとき、私は思わずページから目を上げて、しばらく考え込んでしまいました。引用に自分の経験を重ねる
主人公が「◯◯◯◯」(○○ページ)とつぶやく場面があります。私にも似たような経験があり、そのときの自分の気持ちが言葉になっていくようでした。
結びのテンプレ(3本)
未来の行動につなげる
この本を読んで、私はこれから◯◯について、もう少し丁寧に向き合っていきたいと思います。自分の中の変化を示す
読み終えたあと、◯◯に対する見方が少し変わった自分に気づきました。次に同じ場面に出会ったときには、前とは違う言葉を選べる気がします。書き出しに呼応させる
最初は表紙に引かれて手に取った一冊でしたが、最後のページを閉じる頃には、自分の中で考えたいことがいくつも残っていました。
よくある疑問
本の内容が難しくて理解できなかった場面は書かない方がいいですか。
「ここは少し難しかった」と素直に書いて構いません。難しかった理由まで書くと、感想文として成立します。
本を読み終わってから時間がたって、感想がぼんやりしてしまいました。
付箋を貼ったページを開き直し、その場面の前後を読み返すと、感想がよみがえることが多いです。
原稿用紙の枚数が足りなくなりそうです。
3段目「気づき」と4段目「これから」を増やしてください。あらすじを増やすと、感想文全体の質が下がります。
振り返り
本選びを見直し、付箋でメモを取り、4段構成で下書きすれば、原稿用紙3〜4枚は十分に仕上がります。読書感想文は、文章のうまさを競うものではありません。自分の中で何が動いたかを丁寧にすくい上げて、それを順番通りに並べる。それができれば、感想文として十分に成立します。次の課題では、まず本選びの30分と、読みながらの付箋メモから始めてみてください。
