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段落要約のコツと中学校の説明文・論説文で主題をつかむ手順

説明文・論説文の段落要約のコツを、中心文の見つけ方と具体から抽象への言い換えで整理します。段落同士のつながりを矢印で結ぶ手順や、全体要約への組み立て方まで例文付きで確認できます。
目次
説明文の段落を一文で要約しようとすると、もとの段落とほとんど同じ長さの文章になってしまうことがあります。書き終わってから「これ要約じゃないよね」と気づき、短くしようとして言葉を削ると、今度は何の話だかわからない文になる。原稿用紙の上には、長すぎる文と短すぎる文だけが交互に残ってしまう。中学校の国語で出される「段落を一文で要約しなさい」という課題は、ただ短くする作業のように見えて、実は中心となる一文を見つけ、まわりの具体例を抽象的な言葉に整える、二段階の作業になっています。
要約でつまずくときは、「短くしなきゃ」という気持ちが先に立ち、削る作業から手をつけがちです。ところが何が中心で何が周辺かを見ていないまま削ると、必要な情報まで一緒に消えてしまいます。この記事では、要約でつまずく3つの遠回り、段落の中心文を見つける手がかり、具体名を抽象語に言い換える表、段落同士のつながりを矢印で整理する方法、全体要約への組み立て手順までを順に確認します。読み終わるころには、明日の宿題で説明文の要約があっても、最初の一文に色ペンで線を引くところから動き出せるようになります。
結論:削る前に段落の中心文を見つける
- 要約は短くする作業ではなく、中心文を見つけてまわりを抽象化する二段階の作業です。
- 中心文は「つまり」「このように」「しかし」の前後に置かれやすいので、まずそこに線を引きます。
- 具体名は一段上のカテゴリ語に言い換えると、意味を崩さずに文字数を減らせます。
- 段落間の関係を矢印で整理し、結論段落の中心文を全体要約の核にすると、150〜250字にまとまります。
要約でつまずく理由
段落要約でつまずくとき、頭の中では「短くしなきゃ」という気持ちが先に立ち、削る作業から手をつけがちです。ところが削る作業は、何が中心で何が周辺なのかが見えていない段階で始めると、必要な情報まで一緒に削ってしまうことが多くあります。逆に、中心となる文が見えていれば、まわりは具体例なのか補足なのかが自然と分かるので、削る判断が一気に速くなります。
要約でやりがちな3つの遠回り
- 最初の一文をそのまま写してしまう:段落の冒頭が必ず中心文とは限らないのに、目に入った順に書き写してしまう。
- 長い修飾語をそのまま残してしまう:「日常生活の中でだれもがふだん意識せずに行っている」のような修飾部を削れず、要約が長くなる。
- 具体例を全部入れようとしてしまう:「たとえば〜、また〜」を全部書き写してしまい、抽象的な結論まで届かない。
ここを抜けるには、最初に手を動かす前に、段落のどこが中心文かを目で押さえる手順を入れます。次の章でその見つけ方を整理します。
中心文の見つけ方
中学校で扱う説明文・論説文の段落は、構造のパターンがおおむね決まっています。中心文がよく置かれる位置は3つです。段落の冒頭、段落の末尾、そして「しかし」「つまり」などの接続語のすぐあと。下の表で、中心文の手がかりになる接続語と位置を整理してみます。
手がかりとなる接続語 | よくある位置 | 中心文の特徴 |
|---|---|---|
つまり / すなわち | 段落の中盤か末尾 | 具体例をまとめ直した抽象的な一文 |
しかし / だが / ところが | 段落の中盤 | 前段までの内容を打ち消し、筆者の主張に転換する一文 |
このように / こうして | 段落の末尾 | 具体例から導いた結論を示す一文 |
まず / 次に / さらに | 段落の冒頭 | 中心文ではなく具体例の並列の合図(中心文は別に置かれる) |
たとえば / 一例として | 段落の中盤 | 中心文ではなく具体例(中心文は前後にある) |
要約した段落をもう一度見直すと、「つまり、ことばはわたしたちの考えを支えている」という一文が中盤に隠れていて、その前は「たとえば〜」の具体例、その後は補足の説明でした。中心文を見つけたあとは、その一文を骨にして、まわりの具体例を抽象的な言葉でひと口にまとめれば、要約の半分は完成します。
言い換えのコツ(具体→抽象)
中心文を見つけても、本文と同じ言葉のままでは「写しただけ」になってしまいます。要約では、本文の具体例を一段抽象的な言葉に置きかえる作業が必要になります。下の表は、本文によく出る具体表現と、要約で使える抽象表現の対応です。
本文(具体) | 要約(抽象) | 言い換えのポイント |
|---|---|---|
犬や猫や鳥といった動物たちは | 動物は | 並列された具体名は上位カテゴリに一語でまとめる |
電車に乗ったり、買い物に行ったり、学校に通ったり | 日常の活動 | 行動の並列は「活動」「行動」などの抽象名詞でまとめる |
赤や青や黄色の信号 | 信号の色 | 個別の色は「色」という抽象語にまとめる |
田中さんも山田さんも口をそろえて | 多くの人が | 個別の人名は「多くの人」「人々」と抽象化する |
朝起きてから夜寝るまでずっと | 一日中 | 時間の長い表現は一語の副詞にまとめる |
言い換えのコツは、まず本文の具体名を線でつないでいき、その線の上に「カテゴリの名前」を書く感覚で進めることです。動物の具体名が並んでいたら「動物」、行動が並んでいたら「活動」、と一段上のカテゴリで言い換えるだけで、文字数が大きく減り、しかも意味は崩れません。
修飾語を削るときの基準
中心文を残し、まわりを抽象化したあとに残るのが修飾語の整理です。「日常生活の中でだれもがふだん意識せずに行っている」を「日常で意識せず行う」とするように、同じ意味を二重に言っている部分を削ります。判断の基準は「削っても文の主語と述語が成り立つか」。成り立つなら削ってよく、成り立たないなら残します。
段落間のつながりを矢印で整理
段落ごとの要約ができたら、次は段落と段落のつながりを矢印で結ぶ作業です。説明文・論説文では、段落同士は「並列」「順序」「対立」「結論」のいずれかの関係でつながっていることが多くあります。下のリストの記号を使って、段落要約の脇に小さな矢印を書き込んでみてください。
- 並列の矢印(→ ↓):「また」「さらに」でつながる段落同士。中心文を横に並べて読む。
- 順序の矢印(⇒):「まず」「次に」「最後に」で順番がある段落同士。読む順を守って要約を並べる。
- 対立の矢印(⇔):「しかし」「一方」でつながる段落同士。前後の中心文を対比して書く。
- 結論の矢印(→★):「このように」「つまり」で前段までをまとめる段落。最後の星印が全体要約の核になる。
たとえば「動物の知能」をテーマにした説明文では、1段落目で問題提起、2〜4段落目で具体例(並列)、5段落目で対立する見解(しかし)、6段落目で結論(このように)、という流れがよく見られます。矢印で結んでおくと、最後の段落の中心文が全体要約の中心にも使えることが見えてきます。
全体要約への組み立て方
段落要約と矢印の整理ができたら、全体要約に進みます。中学校で扱う長さの説明文(1200〜2000字程度)なら、全体要約は150〜250字を目安にします。書き方の順序は下の通りです。
- 1. 結論の段落(★)を中心に置く:矢印整理で結論にあたる段落の中心文を骨組みにする。
- 2. 問題提起の段落を冒頭に短く入れる:「〜について、筆者は〜と考えている」の形でつなぐ。
- 3. 並列の具体例は一つの抽象表現にまとめる:「動物・植物・人間など生き物全体に共通する〜」のように一語で受ける。
- 4. 対立の見解があれば「一方で〜」を一文だけ入れる:消すと内容が崩れる場合のみ。
- 5. 最後に筆者の主張を一文で言い切る:「したがって筆者は〜と述べている」で締める。
説明文の要約では、段落ごとの一文要約だけで終えると、全体の中心がぼやけます。そこに矢印を引いて、結論段落から全体要約を組み立て直すと、180字ほどに収まり、中心がはっきり見える要約になります。「中心文→抽象化→矢印→全体」の順番を体で覚えると、長い説明文でも手が止まりにくくなります。
実例で確かめる原文・中心文・要約
中心文を見つけてから抽象化する流れを、短い段落で実際にたどってみます。下の2例は、中学校の教科書でよく出るタイプの説明文を想定して整えた短い段落です。原文・中心文・一文要約の三段で対比すると、削るべき部分と残すべき骨が同時に見えてきます。
原文の段落 | 中心文(抜き出し) | 一文要約 |
|---|---|---|
犬や猫や鳥といった動物たちは、人間と暮らすうちに、相手の表情を読み取る力を身につけてきた。たとえば、犬は飼い主が悲しそうな顔をしていると、そばに寄りそう行動を見せる。つまり、動物は人と関わる中で、相手の気持ちに合わせて行動する力を伸ばしてきたのである。 | 「つまり、動物は人と関わる中で、相手の気持ちに合わせて行動する力を伸ばしてきたのである。」 | 動物は人との関わりを通して、相手の気持ちに合わせて行動する力を身につけてきた。 |
朝起きてから夜寝るまで、わたしたちは数えきれないほどのことばを使っている。電車に乗るとき、買い物をするとき、学校で授業を受けるとき、いつもことばが伴っている。このように、ことばはわたしたちの考えを支える土台となっている。 | 「このように、ことばはわたしたちの考えを支える土台となっている。」 | ことばは日常のあらゆる活動を支え、わたしたちの考えの土台となっている。 |
原文と要約を見比べると、「犬や猫や鳥」が「動物」に、「電車・買い物・授業」が「日常のあらゆる活動」にまとまっているのが分かります。具体名を一段上のカテゴリ語に置きかえるという作業が、要約の半分を占めていることを実感できる例になっています。
失敗集 — 段落要約でやらかしがちな4つ
1. 「たとえば」のあとを中心文だと思って書き写す
具体例の文を中心と誤認してしまう。中心文は「たとえば」の前後の抽象的な一文の中にある。
2. 接続語を全部残してしまう
「つまり」「しかし」を要約にもそのまま入れてしまい、要約が説明文っぽくなる。要約では接続語は最低限に絞る。
3. 筆者の意見と事実の見分けがついていない
「〜である」と「〜と考えられる」を同列に扱ってしまう。要約には「筆者は〜と述べている」「〜と主張している」と書き分ける。
4. 全体要約に自分の感想を入れてしまう
「私は〜と思った」を入れると要約ではなく感想文になる。要約と感想は別の作業として書き分ける。
迷ったときの判断手順
- ステップ1:段落の中で「つまり」「このように」「しかし」のあとの一文に線を引けるかを確認する。
- ステップ2:その一文の中の具体名(動物名・人名・色名など)を、一段上のカテゴリ語に置きかえる。
- ステップ3:本文と要約を読み比べ、主語と述語が同じ意味のままかを確認する。
- ステップ4:全体要約は150〜250字に収まるか、結論の段落の中心文が骨に入っているかを最後に点検する。
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同じ読解でも、物語文の場合は人物の変化を追って主題をつかみます。詳しくは物語文の主題のつかみ方を読んでください。要約をノートに残す書き方は中学校のノートの取り方で、抽象化に使う語彙は中学生の語彙力を増やすコツで広げられます。
要約は「削る前に中心を見る」順番で速くなる
要約は「短くする作業」ではなく、「段落の中心を見つけて、まわりを抽象化する作業」です。中心文を押さえてから手を動かせば、長すぎる文も短すぎる文もできにくくなります。明日の宿題で説明文の要約があるなら、まず段落の中の「つまり」「このように」のあとの一文に色ペンで線を引いてみてください。要約の半分は、その線を引いた時点で終わっています。
