重箱読み・湯桶読みの見分け方|熟語の読み方4つの型と練習20問

2段の重箱を手に、熟語の読みが音か訓かを1字ずつ確かめる中学生のモノクロ漫画風イラスト

熟語の読みは、上の字と下の字が音読みか訓読みかで4つの型に分けられます。「台所」と「場所」のように同じ字が入っていても、型は変わります。1字ずつ音訓を確かめる3つの手順と、答えつきの練習20問で、重箱読みと湯桶読みを見分ける練習ができます。

目次

17項目
  1. 結論:1字ずつ音か訓かを確かめ、上下の組み合わせで型を決める
  2. 4つの型の早見表
  3. 見分け方は3ステップ
  4. やってみる|「台所」と「場所」を比べる
  5. 練習20問|型を答えてみよう
  6. 答え|1字ずつの読みと型
  7. ほかの例|重箱読み・湯桶読みの熟語
  8. 型を取り違えやすい3つのポイント
  9. 意味が分かる音読み|茶・肉・絵・駅は音読み
  10. 音の変化|にごっても訓読みは訓読み
  11. 熟字訓|1字ずつに分けられない読みは型に入れない
  12. 同じ熟語でも、読み方で型が変わる
  13. 音読みと訓読みをおさらい
  14. 4択クイズで読みを確かめ、型も考える
  15. よくある疑問
  16. 型を決めるときのチェックリスト
  17. まとめ

「重箱」は、「重」を音読みで「ジュウ」、「箱」を訓読みで「ばこ」と読みます。熟語の中には、このように音読みと訓読みが混ざるものがあります。テストで「重箱読みの熟語を選びなさい」と問われて、迷ったことはないでしょうか。

見分けるときに頼りになるのは、名前の暗記より手順です。熟語を1字ずつに分けて、それぞれの読みが音か訓かを確かめれば、4つの型のどれに当たるかが決まります。

結論:1字ずつ音か訓かを確かめ、上下の組み合わせで型を決める

  • 熟語の読みは、音+音・訓+訓・音+訓(重箱読み)・訓+音(湯桶読み)の4つの型に分けられます。
  • 見分けるときは熟語を1字ずつに分け、上の字と下の字の読みが、それぞれ音か訓かを先に決めます。
  • 迷う字は常用漢字表で確かめます。音読みは片仮名、訓読みは平仮名で書き分けられています。
  • 「茶」「肉」のような意味が分かる音読みと、「今日」のように1字ずつに分けられない熟字訓に気をつけます。

編集部注: 例に挙げた熟語の音訓は、文化庁「常用漢字表」で1字ずつ確かめています。常用漢字表にない「桶」の読みは、国語辞典の「湯桶読み」の説明によります。

4つの型の早見表

熟語の読みは、上の字と下の字がそれぞれ音か訓かで、次の4つの型に分かれます。表では、音読みを片仮名、訓読みを平仮名で書いています。

型

例(1字ずつの読み)

音+音

教室(キョウ+シツ)、国語(コク+ゴ)

訓+訓

花束(はな+たば)、朝日(あさ+ひ)

音+訓(重箱読み)

重箱(ジュウ+ばこ)、台所(ダイ+どころ)、客間(キャク+ま)

訓+音(湯桶読み)

湯桶(ゆ+トウ)、消印(けし+イン)、手帳(て+チョウ)

「重箱読み」「湯桶読み」という呼び名は、型の見本になる熟語「重箱」「湯桶」の読み方から来ています(デジタル大辞泉「重箱読み」・「湯桶読み」)。湯桶は、湯を入れておく器のことです。どちらが音で始まるか迷ったら、名前の熟語を1字ずつに分けて確かめましょう。

見分け方は3ステップ

型を決めるときは、次の順で考えます。慣れないうちは、読みの上に「音」「訓」と小さく書き込むと整理しやすくなります。

  1. 熟語を1字ずつに分ける

    字を分けたら、読みも字ごとに分けます。「台所(だいどころ)」なら、「台=だい」と「所=どころ」です。

  2. 字ごとに音か訓かを決める

    その読みだけで意味が分かれば訓、分からなければ音が目安です。迷ったら、常用漢字表や漢字辞典で確かめます。

  3. 上下の組み合わせで型を決める

    音+音、訓+訓、音+訓(重箱読み)、訓+音(湯桶読み)のどれに当たるかを答えます。

やってみる|「台所」と「場所」を比べる

同じ「所」が入っていても、型は熟語ごとに変わります。3ステップで確かめてみましょう。

確かめること

台所(だいどころ)

場所(ばしょ)

上の字

台=ダイ(音)

場=ば(訓)

下の字

所=どころ(訓)

所=ショ(音)

型

音+訓(重箱読み)

訓+音(湯桶読み)

「所」は、「台所」では訓読みの「ところ」、「場所」では音読みの「ショ」です。「どころ」とにごっていても、訓読みであることは変わりません。字だけを見て決めず、その熟語での読みを字ごとに確かめるのがこつです。

練習20問|型を答えてみよう

ノートに番号を書き、それぞれの熟語の型を答えてから、下の答えと照らし合わせましょう。読みはかっこの中に書いています。

  1. ①読書(どくしょ)
  2. ②手紙(てがみ)
  3. ③本屋(ほんや)
  4. ④身分(みぶん)
  5. ⑤番組(ばんぐみ)
  6. ⑥夕刊(ゆうかん)
  7. ⑦花火(はなび)
  8. ⑧牛肉(ぎゅうにく)
  9. ⑨豚肉(ぶたにく)
  10. ⑩茶色(ちゃいろ)
  11. ⑪麦茶(むぎちゃ)
  12. ⑫緑茶(りょくちゃ)
  13. ⑬毎朝(まいあさ)
  14. ⑭荷物(にもつ)
  15. ⑮雨雲(あまぐも)
  16. ⑯駅前(えきまえ)
  17. ⑰絵本(えほん)
  18. ⑱手本(てほん)
  19. ⑲献立(こんだて)
  20. ⑳足音(あしおと)

答え1字ずつの読みと型

熟語

上+下の読み

型

①読書

ドク(音)+ショ(音)

音+音

②手紙

て(訓)+がみ(訓)

訓+訓

③本屋

ホン(音)+や(訓)

重箱読み

④身分

み(訓)+ブン(音)

湯桶読み

⑤番組

バン(音)+ぐみ(訓)

重箱読み

⑥夕刊

ゆう(訓)+カン(音)

湯桶読み

⑦花火

はな(訓)+び(訓)

訓+訓

⑧牛肉

ギュウ(音)+ニク(音)

音+音

⑨豚肉

ぶた(訓)+ニク(音)

湯桶読み

⑩茶色

チャ(音)+いろ(訓)

重箱読み

⑪麦茶

むぎ(訓)+チャ(音)

湯桶読み

⑫緑茶

リョク(音)+チャ(音)

音+音

⑬毎朝

マイ(音)+あさ(訓)

重箱読み

⑭荷物

に(訓)+モツ(音)

湯桶読み

⑮雨雲

あま(訓)+ぐも(訓)

訓+訓

⑯駅前

エキ(音)+まえ(訓)

重箱読み

⑰絵本

エ(音)+ホン(音)

音+音

⑱手本

て(訓)+ホン(音)

湯桶読み

⑲献立

コン(音)+だて(訓)

重箱読み

⑳足音

あし(訓)+おと(訓)

訓+訓

⑧〜⑫と⑯・⑰で迷ったら、「肉」「茶」「駅」「絵」に訓読みがあるかどうかを見直してみましょう。

ほかの例重箱読み・湯桶読みの熟語

練習の熟語のほかにも、次のような例があります。どれも1字ずつに分けると、型を確かめられます。

型

例(1字ずつの読み)

重箱読み

縁組(エン+ぐみ)、王様(オウ+さま)、役場(ヤク+ば)、本物(ホン+もの)

湯桶読み

見本(み+ホン)、古本(ふる+ホン)、雨具(あま+グ)、合図(あい+ズ)

型を取り違えやすい3つのポイント

3ステップどおりに考えても、次の三つは取り違えが起きやすいところです。

意味が分かる音読み茶・肉・絵・駅は音読み

「チャ」「ニク」「エ」「エキ」は、聞いただけで意味が分かる読みです。けれど常用漢字表では、どれも片仮名で書かれた音読みで、訓読みは載っていません。

字

常用漢字表の読み

熟語の例と型

茶

チャ、サ(どちらも音)

茶色(チャ+いろ)は重箱読み、麦茶(むぎ+チャ)は湯桶読み

肉

ニク(音)

肉屋(ニク+や)は重箱読み、豚肉(ぶた+ニク)は湯桶読み

絵

カイ、エ(どちらも音)

絵筆(エ+ふで)は重箱読み

駅

エキ(音)

駅前(エキ+まえ)は重箱読み

音の変化にごっても訓読みは訓読み

「手紙」の「紙」は、1字では「かみ」ですが、熟語の中では「がみ」とにごります。音が変わっても、もとが訓読みなら訓読みのままです。

常用漢字表も、表の使い方を説明する部分で、ほかの字と結び付いて音が変わる例として「春雨」(はるさめ)などを挙げています。「雨雲(あまぐも)」の「あま」も、常用漢字表に載っている「雨」の訓読みです。

熟字訓1字ずつに分けられない読みは型に入れない

「今日(きょう)」「大人(おとな)」「果物(くだもの)」は、2字をまとめて一つの読みを当てた言葉で、熟字訓と呼ばれます。「きょう」を「今」の読みと「日」の読みに分けることはできないので、4つの型には入れません。

常用漢字表では、こうした語を本表とは別の「付表」に、語の形で載せています。なお「今日」を「こんにち」と読むときは、コン(音)+ニチ(音)の音+音です。

同じ熟語でも、読み方で型が変わる

読み方が二つある熟語は、どちらで読むかによって型が変わります。どちらの読みになるかは、文の意味で決まります。

熟語

読みと型

色紙

しきし(シキ+シ)は音+音、いろがみ(いろ+がみ)は訓+訓

人気

にんき(ニン+キ)は音+音、ひとけ(ひと+ケ)は湯桶読み

毎年

まいねん(マイ+ネン)は音+音、まいとし(マイ+とし)は重箱読み

「色紙」は、寄せ書きなどに使う四角い厚紙なら「しきし」、折り紙などに使う色のついた紙なら「いろがみ」です。「人気」は、世の中の評判なら「にんき」、人のいる気配なら「ひとけ」と読みます。「毎年」は、どちらの読みも同じ意味で使われます。

音読みと訓読みをおさらい

音読みは、漢字とともに中国から伝わった発音をもとにした読み方です。訓読みは、漢字の意味に合う日本語を当てた読み方です。型を決めるときは、字ごとにこの二つのどちらに当たるかを確かめます。

音か訓かを確かめる基準になるのが、文化庁の常用漢字表です。音訓の欄では、音読みを片仮名、訓読みを平仮名で示しています。常用漢字表にない字や読みは、使っている漢字辞典で確かめましょう。

音読みと訓読みの基本は、漢字の音読み訓読みのちがいと見分け方で、身近な字を例に確かめられます。

4択クイズで読みを確かめ、型も考える

国語学習のページでは、学年ごとの熟語の読みを4択クイズで確かめられます。答えが分かったら、その熟語を1字ずつに分けて、型もノートに書いてみましょう。

よくある疑問

重箱読みと湯桶読みは、どちらが音で始まるのか忘れてしまいます。

名前の熟語を分けて確かめます。「重箱」はジュウ(音)+ばこ(訓)なので音で始まり、「湯桶」はゆ(訓)+トウ(音)なので訓で始まります。

テストで「湯桶読みの熟語を選びなさい」と出たら、どう解けばよいですか。

選択肢の熟語をすべて1字ずつに分け、読みの上に「音」「訓」と書き込みます。上が訓で下が音になっているものが湯桶読みです。

「今日」は「きょう」と読むので、訓+訓ですか。

「きょう」は2字をまとめて当てた熟字訓で、1字ずつに分けられないため、4つの型には入れません。「こんにち」と読むときは音+音です。

「聞いて意味が分かれば訓」で決めてよいですか。

目安にはなりますが、「茶」「肉」「絵」のように意味が分かる音読みもあります。迷ったら常用漢字表や漢字辞典で、片仮名か平仮名かを確かめます。

型を決めるときのチェックリスト

  • 熟語を1字ずつに分け、読みも字ごとに分けた
  • 上の字の読みが音か訓かを決めた
  • 下の字の読みが音か訓かを決めた
  • にごったり音が変わったりした訓読みを、音読みと取り違えていない
  • 「茶」「肉」「絵」「駅」のような、意味が分かる音読みを訓と思いこんでいない
  • 1字ずつに分けられない熟字訓ではないかを確かめた
  • 読み方が二つある熟語は、文の意味からどちらの読みかを決めた

まとめ

熟語の型は、字を見ただけでは決まりません。熟語を1字ずつに分け、その熟語での読みが音か訓かを確かめて、上下の組み合わせで決めます。上が音で下が訓なら重箱読み、上が訓で下が音なら湯桶読みです。

新しい熟語に出会ったら、読みの上に「音」「訓」と書き込んでみてください。迷った字は、常用漢字表や漢字辞典で片仮名か平仮名かを確かめましょう。