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17項目
「重箱」は、「重」を音読みで「ジュウ」、「箱」を訓読みで「ばこ」と読みます。熟語の中には、このように音読みと訓読みが混ざるものがあります。テストで「重箱読みの熟語を選びなさい」と問われて、迷ったことはないでしょうか。
見分けるときに頼りになるのは、名前の暗記より手順です。熟語を1字ずつに分けて、それぞれの読みが音か訓かを確かめれば、4つの型のどれに当たるかが決まります。
結論:1字ずつ音か訓かを確かめ、上下の組み合わせで型を決める
- 熟語の読みは、音+音・訓+訓・音+訓(重箱読み)・訓+音(湯桶読み)の4つの型に分けられます。
- 見分けるときは熟語を1字ずつに分け、上の字と下の字の読みが、それぞれ音か訓かを先に決めます。
- 迷う字は常用漢字表で確かめます。音読みは片仮名、訓読みは平仮名で書き分けられています。
- 「茶」「肉」のような意味が分かる音読みと、「今日」のように1字ずつに分けられない熟字訓に気をつけます。
編集部注: 例に挙げた熟語の音訓は、文化庁「常用漢字表」で1字ずつ確かめています。常用漢字表にない「桶」の読みは、国語辞典の「湯桶読み」の説明によります。
4つの型の早見表
熟語の読みは、上の字と下の字がそれぞれ音か訓かで、次の4つの型に分かれます。表では、音読みを片仮名、訓読みを平仮名で書いています。
型 | 例(1字ずつの読み) |
|---|---|
音+音 | 教室(キョウ+シツ)、国語(コク+ゴ) |
訓+訓 | 花束(はな+たば)、朝日(あさ+ひ) |
音+訓(重箱読み) | 重箱(ジュウ+ばこ)、台所(ダイ+どころ)、客間(キャク+ま) |
訓+音(湯桶読み) | 湯桶(ゆ+トウ)、消印(けし+イン)、手帳(て+チョウ) |
「重箱読み」「湯桶読み」という呼び名は、型の見本になる熟語「重箱」「湯桶」の読み方から来ています(デジタル大辞泉「重箱読み」・「湯桶読み」)。湯桶は、湯を入れておく器のことです。どちらが音で始まるか迷ったら、名前の熟語を1字ずつに分けて確かめましょう。
見分け方は3ステップ
型を決めるときは、次の順で考えます。慣れないうちは、読みの上に「音」「訓」と小さく書き込むと整理しやすくなります。
熟語を1字ずつに分ける
字を分けたら、読みも字ごとに分けます。「台所(だいどころ)」なら、「台=だい」と「所=どころ」です。
字ごとに音か訓かを決める
その読みだけで意味が分かれば訓、分からなければ音が目安です。迷ったら、常用漢字表や漢字辞典で確かめます。
上下の組み合わせで型を決める
音+音、訓+訓、音+訓(重箱読み)、訓+音(湯桶読み)のどれに当たるかを答えます。
やってみる|「台所」と「場所」を比べる
同じ「所」が入っていても、型は熟語ごとに変わります。3ステップで確かめてみましょう。
確かめること | 台所(だいどころ) | 場所(ばしょ) |
|---|---|---|
上の字 | 台=ダイ(音) | 場=ば(訓) |
下の字 | 所=どころ(訓) | 所=ショ(音) |
型 | 音+訓(重箱読み) | 訓+音(湯桶読み) |
「所」は、「台所」では訓読みの「ところ」、「場所」では音読みの「ショ」です。「どころ」とにごっていても、訓読みであることは変わりません。字だけを見て決めず、その熟語での読みを字ごとに確かめるのがこつです。
練習20問|型を答えてみよう
ノートに番号を書き、それぞれの熟語の型を答えてから、下の答えと照らし合わせましょう。読みはかっこの中に書いています。
- ①読書(どくしょ)
- ②手紙(てがみ)
- ③本屋(ほんや)
- ④身分(みぶん)
- ⑤番組(ばんぐみ)
- ⑥夕刊(ゆうかん)
- ⑦花火(はなび)
- ⑧牛肉(ぎゅうにく)
- ⑨豚肉(ぶたにく)
- ⑩茶色(ちゃいろ)
- ⑪麦茶(むぎちゃ)
- ⑫緑茶(りょくちゃ)
- ⑬毎朝(まいあさ)
- ⑭荷物(にもつ)
- ⑮雨雲(あまぐも)
- ⑯駅前(えきまえ)
- ⑰絵本(えほん)
- ⑱手本(てほん)
- ⑲献立(こんだて)
- ⑳足音(あしおと)
答え1字ずつの読みと型
熟語 | 上+下の読み | 型 |
|---|---|---|
①読書 | ドク(音)+ショ(音) | 音+音 |
②手紙 | て(訓)+がみ(訓) | 訓+訓 |
③本屋 | ホン(音)+や(訓) | 重箱読み |
④身分 | み(訓)+ブン(音) | 湯桶読み |
⑤番組 | バン(音)+ぐみ(訓) | 重箱読み |
⑥夕刊 | ゆう(訓)+カン(音) | 湯桶読み |
⑦花火 | はな(訓)+び(訓) | 訓+訓 |
⑧牛肉 | ギュウ(音)+ニク(音) | 音+音 |
⑨豚肉 | ぶた(訓)+ニク(音) | 湯桶読み |
⑩茶色 | チャ(音)+いろ(訓) | 重箱読み |
⑪麦茶 | むぎ(訓)+チャ(音) | 湯桶読み |
⑫緑茶 | リョク(音)+チャ(音) | 音+音 |
⑬毎朝 | マイ(音)+あさ(訓) | 重箱読み |
⑭荷物 | に(訓)+モツ(音) | 湯桶読み |
⑮雨雲 | あま(訓)+ぐも(訓) | 訓+訓 |
⑯駅前 | エキ(音)+まえ(訓) | 重箱読み |
⑰絵本 | エ(音)+ホン(音) | 音+音 |
⑱手本 | て(訓)+ホン(音) | 湯桶読み |
⑲献立 | コン(音)+だて(訓) | 重箱読み |
⑳足音 | あし(訓)+おと(訓) | 訓+訓 |
⑧〜⑫と⑯・⑰で迷ったら、「肉」「茶」「駅」「絵」に訓読みがあるかどうかを見直してみましょう。
ほかの例重箱読み・湯桶読みの熟語
練習の熟語のほかにも、次のような例があります。どれも1字ずつに分けると、型を確かめられます。
型 | 例(1字ずつの読み) |
|---|---|
重箱読み | 縁組(エン+ぐみ)、王様(オウ+さま)、役場(ヤク+ば)、本物(ホン+もの) |
湯桶読み | 見本(み+ホン)、古本(ふる+ホン)、雨具(あま+グ)、合図(あい+ズ) |
型を取り違えやすい3つのポイント
3ステップどおりに考えても、次の三つは取り違えが起きやすいところです。
意味が分かる音読み茶・肉・絵・駅は音読み
「チャ」「ニク」「エ」「エキ」は、聞いただけで意味が分かる読みです。けれど常用漢字表では、どれも片仮名で書かれた音読みで、訓読みは載っていません。
字 | 常用漢字表の読み | 熟語の例と型 |
|---|---|---|
茶 | チャ、サ(どちらも音) | 茶色(チャ+いろ)は重箱読み、麦茶(むぎ+チャ)は湯桶読み |
肉 | ニク(音) | 肉屋(ニク+や)は重箱読み、豚肉(ぶた+ニク)は湯桶読み |
絵 | カイ、エ(どちらも音) | 絵筆(エ+ふで)は重箱読み |
駅 | エキ(音) | 駅前(エキ+まえ)は重箱読み |
音の変化にごっても訓読みは訓読み
「手紙」の「紙」は、1字では「かみ」ですが、熟語の中では「がみ」とにごります。音が変わっても、もとが訓読みなら訓読みのままです。
常用漢字表も、表の使い方を説明する部分で、ほかの字と結び付いて音が変わる例として「春雨」(はるさめ)などを挙げています。「雨雲(あまぐも)」の「あま」も、常用漢字表に載っている「雨」の訓読みです。
熟字訓1字ずつに分けられない読みは型に入れない
「今日(きょう)」「大人(おとな)」「果物(くだもの)」は、2字をまとめて一つの読みを当てた言葉で、熟字訓と呼ばれます。「きょう」を「今」の読みと「日」の読みに分けることはできないので、4つの型には入れません。
常用漢字表では、こうした語を本表とは別の「付表」に、語の形で載せています。なお「今日」を「こんにち」と読むときは、コン(音)+ニチ(音)の音+音です。
同じ熟語でも、読み方で型が変わる
読み方が二つある熟語は、どちらで読むかによって型が変わります。どちらの読みになるかは、文の意味で決まります。
熟語 | 読みと型 |
|---|---|
色紙 | しきし(シキ+シ)は音+音、いろがみ(いろ+がみ)は訓+訓 |
人気 | にんき(ニン+キ)は音+音、ひとけ(ひと+ケ)は湯桶読み |
毎年 | まいねん(マイ+ネン)は音+音、まいとし(マイ+とし)は重箱読み |
「色紙」は、寄せ書きなどに使う四角い厚紙なら「しきし」、折り紙などに使う色のついた紙なら「いろがみ」です。「人気」は、世の中の評判なら「にんき」、人のいる気配なら「ひとけ」と読みます。「毎年」は、どちらの読みも同じ意味で使われます。
音読みと訓読みをおさらい
音読みは、漢字とともに中国から伝わった発音をもとにした読み方です。訓読みは、漢字の意味に合う日本語を当てた読み方です。型を決めるときは、字ごとにこの二つのどちらに当たるかを確かめます。
音か訓かを確かめる基準になるのが、文化庁の常用漢字表です。音訓の欄では、音読みを片仮名、訓読みを平仮名で示しています。常用漢字表にない字や読みは、使っている漢字辞典で確かめましょう。
音読みと訓読みの基本は、漢字の音読み訓読みのちがいと見分け方で、身近な字を例に確かめられます。
4択クイズで読みを確かめ、型も考える
国語学習のページでは、学年ごとの熟語の読みを4択クイズで確かめられます。答えが分かったら、その熟語を1字ずつに分けて、型もノートに書いてみましょう。
- 中学1年生の熟語の読み方
- 中学2年生の熟語の読み方
- 中学3年生の熟語の読み方
- 小学3年生の熟語の読み方:身近な熟語で型を確かめたいときに
よくある疑問
重箱読みと湯桶読みは、どちらが音で始まるのか忘れてしまいます。
名前の熟語を分けて確かめます。「重箱」はジュウ(音)+ばこ(訓)なので音で始まり、「湯桶」はゆ(訓)+トウ(音)なので訓で始まります。
テストで「湯桶読みの熟語を選びなさい」と出たら、どう解けばよいですか。
選択肢の熟語をすべて1字ずつに分け、読みの上に「音」「訓」と書き込みます。上が訓で下が音になっているものが湯桶読みです。
「今日」は「きょう」と読むので、訓+訓ですか。
「きょう」は2字をまとめて当てた熟字訓で、1字ずつに分けられないため、4つの型には入れません。「こんにち」と読むときは音+音です。
「聞いて意味が分かれば訓」で決めてよいですか。
目安にはなりますが、「茶」「肉」「絵」のように意味が分かる音読みもあります。迷ったら常用漢字表や漢字辞典で、片仮名か平仮名かを確かめます。
型を決めるときのチェックリスト
- 熟語を1字ずつに分け、読みも字ごとに分けた
- 上の字の読みが音か訓かを決めた
- 下の字の読みが音か訓かを決めた
- にごったり音が変わったりした訓読みを、音読みと取り違えていない
- 「茶」「肉」「絵」「駅」のような、意味が分かる音読みを訓と思いこんでいない
- 1字ずつに分けられない熟字訓ではないかを確かめた
- 読み方が二つある熟語は、文の意味からどちらの読みかを決めた
まとめ
熟語の型は、字を見ただけでは決まりません。熟語を1字ずつに分け、その熟語での読みが音か訓かを確かめて、上下の組み合わせで決めます。上が音で下が訓なら重箱読み、上が訓で下が音なら湯桶読みです。
新しい熟語に出会ったら、読みの上に「音」「訓」と書き込んでみてください。迷った字は、常用漢字表や漢字辞典で片仮名か平仮名かを確かめましょう。
