中学生が先生・先輩に使う敬語の基本と尊敬語・謙譲語・丁寧語の見分け方

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中学校で使う敬語の基本を、「相手を高める尊敬語」「自分が下がる謙譲語」「文末をていねいにする丁寧語」の3つのものさしで整理します。先生・先輩・大人に使える例文と早見表で確認できます。

目次

  1. 結論:相手・自分・文末の3つのものさしで見分ける
  2. 敬語を使う場面と目的
  3. 日常で敬語が必要になる場面
  4. 尊敬語の作り方
  5. 「お〜になる」「ご〜になる」の型を覚える
  6. 謙譲語の作り方
  7. 「お〜する」「ご〜する」の型でも作れる
  8. 丁寧語との違い
  9. 「れる・られる」型の尊敬語にも注意
  10. 学校生活で使える例文集
  11. よくある言いまちがい
  12. 迷ったときの判断手順
  13. 先生・先輩への声のかけ方と連絡文例
  14. その場で声に出して使う言い方
  15. メッセージや手紙で送るときの文例
  16. よくある疑問
  17. 3つのものさしが、学校生活の声を整えていく

部活の先輩や職員室の先生に話しかける一言の語尾が、いつも口の中でぐらぐら揺れてしまう。「決まってる?」では失礼に聞こえる気がするし、「決まっておられますでしょうか」では大げさで自分でも気持ちが悪い。そんな迷いを抱えたまま中学校生活が進むと、毎日のあいさつや短いやり取りに小さなストレスがたまっていきます。敬語は知識として学校で習うものの、いざ口に出そうとすると、どの形がふさわしいのか瞬時には選びにくいものです。

敬語の使い分けは、実は「相手を高めるか、自分が下がるか、文末をていねいにするか」という3つのものさしだけで、ほとんどの場面が片づきます。むずかしい用語をたくさん覚えるより、この3つの区別を意識する習慣を持つほうが、現場では役に立ちます。この記事では、尊敬語・謙譲語・丁寧語の見分け方、学校生活でそのまま使える例文、よくある言いまちがいの直し方、迷ったときの判断手順までを、中学生が朝練・職員室・面談で出会う場面に沿って順に整理していきます。

結論:相手・自分・文末の3つのものさしで見分ける

  • 敬語は「相手を高めるか、自分が下がるか、文末を整えるか」の3つのものさしで見分けられます。
  • 尊敬語は相手の動作を高め、「お〜になる/ご〜になる」やいらっしゃる等の形で表します。
  • 謙譲語は自分の動作を低めて相手を高め、「お〜する/ご〜する」やうかがう等の形で表します。
  • 迷ったら丁寧語だけにとどめます。「行きます」「お願いします」でも失礼にはあたりません。

敬語を使う場面と目的

敬語は「相手をうやまう気持ち」を言葉の形にしたものです。中学校での主な使いどころは、先生・先輩・親戚の大人・店員さんなど、自分より立場が上の人や、自分とそれほど親しくない大人に話すときでしょう。クラスメイトとふだん使うタメ口を、そのまま先生や先輩に使ってしまうと、相手は「ちょっと距離が近すぎるな」と感じることがあります。逆に、必要以上に難しい敬語を重ねると、相手も少し堅苦しく感じます。敬語は「正しい距離をはかるための道具」だと考えると気が楽になります。

日常で敬語が必要になる場面

学校生活では、先生に質問するとき、職員室に入るとき、部活で先輩に報告するとき、保健室で養護の先生に体調を伝えるとき、給食室や事務室に頼みごとをするとき、地域の方が学校行事に来てくれたときなど、思った以上にたくさんの場面で敬語が登場します。家の外でも、お店で買い物をするとき、塾の先生と話すとき、図書館で司書さんに本を探してもらうときなど、見慣れない大人と短く話す場面では、敬語がそのまま「あなたを尊重しています」というサインになります。

尊敬語の作り方

尊敬語は「相手の動作」を高めて表現する言い方です。先輩が「練習メニューを決める」という動作をしているとき、その「決める」を「お決めになる」と言いかえると、先輩の動作を一段持ち上げたことになります。先生が「来る」という動作のときは「いらっしゃる」「お見えになる」と言いかえます。中学校段階では、よく使う動詞の尊敬語の形を一覧で覚えてしまうのがいちばんの近道です。

ふつうの言い方

尊敬語(相手の動作)

使用場面の例

言う

おっしゃる

先生がおっしゃったとおりに書きました

見る

ご覧になる

先輩はもうご覧になりましたか

食べる

召し上がる

先生も給食を召し上がりますか

来る・行く・いる

いらっしゃる

校長先生がいらっしゃいました

する

なさる

先生はどう判断なさいますか

知っている

ご存じだ

先輩はもうご存じです

読む

お読みになる

先生はその本をお読みになりましたか

「お〜になる」「ご〜になる」の型を覚える

尊敬語の言い方が思い出せないときは、和語(もともと日本にある言葉)には「お〜になる」、漢語(漢字を音で読む熟語)には「ご〜になる」をつける型で組み立てると、それらしい敬語になります。「お読みになる」「お書きになる」「お話しになる」は和語型、「ご利用になる」「ご出席になる」「ご説明になる」は漢語型です。完全な暗記ができていなくても、この型を覚えておけば、その場で組み立てて使えます。

謙譲語の作り方

謙譲語は「自分の動作」を低めて表現することで、結果的に相手を高める言い方です。自分が先輩に「メニューを聞きにいきます」と言いたい場面では、「うかがいます」と言いかえれば、自分の動作を一段下げたことになります。先生に質問するときも、「先生に聞きます」より「先生にうかがいます」のほうが、自分が一歩へりくだった分だけ相手を立てた言い方になります。

ふつうの言い方

謙譲語(自分の動作)

使用場面の例

言う

申す

私から申しますと、まだ準備が終わっていません

見る

拝見する

先生の作品を拝見しました

食べる

いただく

お弁当をいただきます

来る・行く

うかがう

放課後、職員室にうかがいます

する

いたす

こちらで準備をいたします

聞く

うかがう

今のお話を、もう一度うかがってもよいですか

もらう

いただく

プリントをいただきました

「お〜する」「ご〜する」の型でも作れる

謙譲語にも便利な型があります。和語には「お〜する」、漢語には「ご〜する」をつけると、自分の動作をへりくだった言い方にできます。「お渡しする」「お届けする」「お伝えする」が和語型、「ご報告する」「ご連絡する」「ご案内する」が漢語型です。先輩への「練習メニューを伝えます」は「お伝えします」、先生への「あとで報告します」は「のちほどご報告します」と言いかえれば、自然な謙譲表現になります。

丁寧語との違い

丁寧語は、相手の動作でも自分の動作でもなく、文末や言い方そのものをていねいに整える言い方です。「行く」を「行きます」、「これは本だ」を「これは本です」と直すと、それだけで丁寧語になります。「お弁当」「お茶」「ご飯」など、名詞の前に「お」や「ご」をつけて、ことばのかどを和らげる「美化語」も、中学校段階では丁寧語の仲間として理解して差しつかえありません。

尊敬語・謙譲語・丁寧語のちがいは、「だれの動作をどう扱うか」という一点で見分けられます。次の表は、朝練の場面で先輩にかける言葉を、3つの分け方で並べたものです。

分類

高めるのは

下げるのは

具体例

尊敬語

相手の動作

なし

先輩は決められましたか / 決められましたか

謙譲語

なし(自分を下げる)

自分の動作

私からおうかがいします

丁寧語

なし(文末を整える)

なし

今日は雨です / 練習に行きます

「れる・られる」型の尊敬語にも注意

尊敬語には、動詞に「れる・られる」をつけた言い方もあります。「先生が来られる」「先輩が読まれる」のような形です。これも立派な尊敬語ですが、受け身(〜される)や可能(〜できる)の意味とまぎらわしくなりやすいので、はっきり相手を立てたい場面では「いらっしゃる」「お読みになる」のように、専用の形を選ぶほうがおすすめです。

学校生活で使える例文集

ここからは、朝練・授業・委員会・面談で実際に使えそうな短い例文を、場面別に並べていきます。声に出して読んでみると、自分の口になじむ言い回しが見つかるはずです。

  • 朝練の集合場所で:先輩、今日の練習メニューを教えていただけますか。
  • 職員室で先生に:先生、いま少しお時間よろしいですか。質問があってうかがいました。
  • 保健室で:体育のあとから少し頭が痛いのですが、休ませていただいてもよいですか。
  • 生徒会の打ち合わせで:来週の集会の進行について、相談させていただきたいことがあります。
  • 家庭訪問の最初の一言:本日はお越しくださり、ありがとうございます。
  • 面談の終わりに:今日はお時間をいただき、ありがとうございました。
  • 部活の試合報告で:本日の試合結果をご報告いたします。
  • 忘れ物の連絡で:プリントを家に忘れてしまいました。明日、必ずお持ちします。
  • お礼を伝えるとき:先日はくわしく教えてくださって、ありがとうございました。

よくある言いまちがい

敬語の形を覚えたあとに起きやすいのが、「敬語のかさね使い」と「相手と自分の取りちがえ」です。ここでは、やりがちなまちがいを3つだけ取り上げて、自然な言い方に直してみます。

言いまちがい

問題点

自然な言い方

先生が私に申されました

自分用の「申す」を相手に使っている

先生がおっしゃいました

ぼくはこれを拝見させていただきました

謙譲語の重ね使い

これを拝見しました

先輩、メニューを決められましたか

受け身と尊敬がまぎらわしい

先輩、メニューはお決めになりましたか

迷ったときの判断手順

敬語の使い分けで迷ったときは、口を開く前に頭の中で3つの問いを通す習慣をつけると、形を選ぶ時間が短くなります。次の手順は、実際の場面で試して効果のある順番です。

  1. これは「相手の動作」か「自分の動作」か

    を見分ける。

  2. 相手の動作なら「お〜になる/ご〜になる/いらっしゃる」のような尊敬語

    を選ぶ。

  3. 自分の動作なら「お〜する/ご〜する/うかがう/申す」のような謙譲語

    を選ぶ。

  4. その上で、文末を「〜です/〜ます」に整える。

  5. もし迷ったら、丁寧語だけにとどめる。

    「行きます」「お願いします」だけでも、失礼にはあたらない。

先生・先輩への声のかけ方と連絡文例

ここまでで学んだ尊敬語・謙譲語・丁寧語の型を、実際の場面の言い方にしてまとめました。前半は、その場で声に出して使う言い方です。口に出す練習のための例なので、読み上げて口になじませてください。後半は、メッセージや手紙で送るときの文例です。送る文には相手の名前・自分の名前・用件が必要なので、その形で置いておきます。

その場で声に出して使う言い方

場面

言い方

質問する(職員室で)

先生、いま少しお時間よろしいですか。数学の宿題でうかがいたいことがあります。

質問する(授業のあと)

先生、さきほどの説明でひとつ分からないところがありました。もう一度教えていただけますか。

質問する(先輩に)

先輩、練習メニューについてお聞きしてもよいですか。

お礼を伝える(その場で)

本日はくわしく教えてくださって、ありがとうございました。

お礼を伝える(部活で)

先輩、今日もご指導いただきありがとうございました。

確認する(理解について)

いま教えていただいた内容は、こちらの解き方であっていますでしょうか。

メッセージや手紙で送るときの文例

送る文は、その場の会話とちがって、だれからだれへの用件なのかが相手に伝わる必要があります。下の文例は、◯◯の部分に相手の名前・自分の学年と名前・用件を入れて使います。

  • あとからお礼を伝える

    ◯◯先生 先日はお時間をいただき、ありがとうございました。教えていただいた◯◯を、家でもう一度確かめてみました。 ◯年◯組 ◯◯
  • 先生にお願いをする

    ◯◯先生 ◯年◯組の◯◯です。◯月◯日に配られた◯◯のプリントを、もう一枚いただけますでしょうか。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
  • 先輩にお願いをする

    ◯◯先輩 ◯年の◯◯です。◯◯について見ていただきたいものがあります。お時間のあるときに教えていただけるとうれしいです。
  • 予定を確認する

    ◯◯先生 ◯年◯組の◯◯です。◯月◯日の◯◯について、集合場所は◯◯でよろしいでしょうか。ご確認をお願いいたします。

よくある疑問

部活の同級生にも敬語を使うべきですか。

同学年の友達には、ふだんの話し方で大丈夫です。敬語は先輩・先生・大人など、距離のある相手に使うのが基本です。

先生にメールやメッセージを送るときは、どんな言い方ですか。

文末は「〜です/〜ます」でそろえ、自分の動作には「お送りします」「うかがいます」のような謙譲語を使うと、読みやすい文章になります。

部活の引退試合の応援メッセージはどう書けばよいですか。

「先輩、いつも応援していました。これまでお疲れさまでした」のように、相手の動作にだけ尊敬語を使い、自分の気持ちは丁寧語で書くと、自然な敬語になります。

文化祭で来てくれた地域の方には、どんな声をかければよいですか。

「本日はお越しくださり、ありがとうございます」「ぜひごゆっくりご覧になってください」のように、相手の動作を尊敬語で表します。

3つのものさしが、学校生活の声を整えていく

部活や職員室で語尾が揺れる場面の多くは、敬語の知識が足りないというより、頭の中に「相手か、自分か、文末か」という3つのものさしがないことから起きます。この3行のものさしは、中学校で出会う敬語のほとんどを片づけてくれるシンプルな指針です。明日からの一手は、朝の「おはようございます」と職員室の「失礼します」の文末を、声に出してきれいにそろえることから始めてみてください。

人前で話す機会が増えてきたら、中学校でのスピーチ原稿の書き方 もあわせて読んでおくと、相手を立てる言い方と、自分の気持ちを伝える言い方のバランスがつかみやすくなります。声に出して使ってみるうちに、敬語は「身につける作法」から「自然に出てくる言い回し」へと、少しずつ姿を変えていきます。